Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

【不問2】Speranzaスペランザ~勝利と希望と~【5分~】

2024.02.14 09:41

《ジャンル》

ファンタジー

《あらすじ》

魔王軍が同時多発的に攻めてきた。勇者達は各方面に対応へ向かい、私達は王国軍のみで約10万の兵を相手取る事になる。こちらの対応できる兵は約1万にも関わらず、機転と作戦により見事、勝利を収めることができたのであった。

《登場人物》

【イリオン】不問

イリオン・レンス。 精鋭隊の1人。元孤児。魔物に襲われそうになっていた所をヴァレウスに助けられた過去あり。 『』内をモノローグ風に読むかナレーション風に読むかは演者様にお任せします。

【ヴァレウス】男性

ヴァレウス・イサーク 現役時代、王国軍最強の名を冠した1人。だったが、早々に引退し若手の育成やら酒やらなんやらしていた。


ーーーーーーーーーー



イリオン:『大地が震えるほどの歓声が響く。圧倒的勝利だ。』

イリオン:終わった…のか…?


ヴァレウス:ああ、全て倒しきっただろう


イリオン:『10万対1万、絶望的と言われたこの差を戦略とちょっとした発想でひっくり返したのだ。』


ヴァレウス:あの異世界人、やるじゃないか。見直してやったらどうだ


イリオン:くっ…

イリオン:『そう、今回の作戦は、異世界から召喚されたアイツの助言が始まりだった。』

イリオン:けど、師匠まで前線に送り出すなんて、やはり許せません


ヴァレウス:なに言ってんだ、俺は暴れたい側だからいいんだよ


イリオン:ですが…


ヴァレウス:ハハッ、こうして無事、勝利となったんだからいいだろうが


イリオン:…ま、まぁ、あいつのこと、少しは認めてやらなくもないですかね


ヴァレウス:お?これは、あれだな、異世界人の言ってた、えーっと、ツンデレってやつだな


イリオン:は?なんですか、それ


ヴァレウス:あれだ、照れ隠し的なやつ、らしいぞ


イリオン:は?はぁあああ!?ななななわけないじゃないですか!!

イリオン:『全くわけがわからない。この私があんな、あんな意味わからないやつに、照れるとか…ない!!断じてない!!』


ヴァレウス:なんでもいいが、そろそろ撤収作業始めるぞ


イリオン:わかりまし…


イリオン:ッ!!


ヴァレウス:これは…


イリオン:師匠も感じましたか?


ヴァレウス:来るぞ!!


イリオン:『ジジッと破かれたような音と共に空間が裂け、そこから大量の魔物が次々と現れる』

イリオン:お、多すぎる…


ヴァレウス:狼狽えるな!


イリオン:しかし…!


ヴァレウス:陣を組み見直し、一つ一つ対応するんだ


イリオン:『上空に複数の影が飛び上がってく。』

イリオン:あれはワイバーン…?いや、怪鳥種?


ヴァレウス:大怪鳥だな、ただの的だか…

ヴァレウス:ふむ、遠距離攻撃への壁といった所だろう


イリオン:ハハッ…数が多くても魔物は魔物ですね


ヴァレウス:そういうことだ

ヴァレウス:まだやれるな


イリオン:全然余裕ですよ

イリオン:師匠こそ、もういい歳なんですから無理しなくていいですよ?


ヴァレウス:なに言ってんだ、俺を誰だと思っていやがーーー


イリオン:『ドンッと音が聞こえてきたと同時に師匠に腕を引っ張られ、放り投げられたのだ。そして』





イリオン:…痛ぅ…なに……が…

イリオン:ッ!!

イリオン:『広がる惨状。周囲は焼け野原となり、そこかしこから苦痛にうめく声がする。』

イリオン:くっそ…どうして…!


ヴァレウス:…よお、大丈夫そうだな


イリオン:師匠!これは一体どういう…

イリオン:え?…ぁ


ヴァレウス:あれだよ、怪鳥の上を見てみろ。やられたぜ


イリオン:そ、そんなことより、師匠…う、腕が…


ヴァレウス:腕?ハッ、お前を助けることができたのなら1本や2本、どうってことないだろ


イリオン:…すみません、、自分が油断していたばかりに…


ヴァレウス:聖女様んとこに行けば生やしてくれるだろ

ヴァレウス:そんなことより今は目の前のことだ


イリオン:わかり、ました…


ヴァレウス:あれだけの大魔法だ。そうそう連発できるものじゃないだろうが、さっきみたいに隠蔽されていたらわからない


イリオン:隠蔽……だから…くっ


ヴァレウス:それに、、、ほとんどがやられた。あんなことができるとなると対策が必要になる


イリオン:一旦退却、ですね…


ヴァレウス:そうだ


イリオン:では煙幕と匂い消しを使える限り使用します


ヴァレウス:急げ、間に合わなくなるぞ


イリオン:はい、行きましょう


ヴァレウス:…


イリオン:師匠…?


ヴァレウス:…。


イリオン:まさか!冗談はやめてくださいよ!


ヴァレウス:もう足の速いのはそこまで来ている


イリオン:だったら私も残りま---


ヴァレウス:ダメだ!!


イリオン:なぜです!!


ヴァレウス:この情報を持ち帰ることの方が重要だ


イリオン:ですが!


ヴァレウス:二人残った所でたかが知れている。

ヴァレウス:これだけで終わりとも限らない。そうだろ


イリオン:…でも!あなたは、我が国の最高戦力です!師匠がいなくなってしまっては---


ヴァレウス:お前がいる


イリオン:え…?


ヴァレウス:俺の全てを教えた、全てを叩き込んだお前がいる

ヴァレウス:この前だってS級ダンジョンのスタンピードを止めたんだろ?


イリオン:あれは、あいつらがいたからであって、私は…師匠のようには……

イリオン:ま、まだ間に合うはずです、一緒に


ヴァレウス:いいから行け!!お前はお前のやるべきことを全うしろ!!


イリオン:ッ!!すみません。師匠ッ…

イリオン:『走った。ただひたすらに。自分の未熟さを呪いながら。』





ヴァレウス:はぁ、行ったか…

ヴァレウス:若い芽は着実に育っている、なにも問題はない

ヴァレウス:それに、なんだっけな、ちーと、って言うんだっけか。

ヴァレウス:あんな大魔法は、まさにちーとだよな。異世界勇者様になんとかしてもらうしかないだろ


イリオン:『土煙を上げ奇声を発しながら近づく魔物達。』


ヴァレウス:ふぅ…相変わらずギャアギャアうるさいな


イリオン:『簡易回復魔法で傷を塞ぎ直し、武器を構える。』


ヴァレウス:ここから先、1匹でも通れると思うなよ?

ヴァレウス:さぁ!死にたい奴からかかってきな!!



0:おしまい