国家公務員倫理審査会の同意人事案について
役人の倫理寒・・・。
国家公務員倫理審査会の同意人事案についてである。国家公務員倫理審査会は人事院の所管のもと、倫理規程の制定・改廃に関する意見の申出、国家公務員の倫理の保持に関する事項の調査研究、国家公務員の倫理の保持のための研修の総合的企画や調整、各種報告書の審査、倫理法等違反の場合の懲戒処分の基準の作成と変更、倫理法等違反の疑いがある場合の調査と懲戒の手続の実施、懲戒処分の承認、府省等への指導、助言、必要な措置の要求などを行う機関である。役割として大きいのは国家公務員の倫理法に関する懲戒の調査と処分である。国家公務員は倫理規定で利害関係者との金銭、物品の授受を禁止されている。接待を受けたり、金銭や物品の貸付を受けたり、モノやサービスをもらったり、株を譲渡されたり、ゴルフや旅行に一緒に行くことなどが禁止されている。国家公務員倫理審査会の活躍があったからかどうかは倫理法違反の懲戒案件は急激に減少している。15年前の平成20年には58件の事案があり30件が懲戒処分となっている。令和4年には9事案で懲戒処分はたったの3件にまで減少している。もはや審査会の必要性を問うべき時期に来ているのではないか。会は5人の委員で構成されている。常勤は会長のみ、3名は非常勤の委員、残りの1名は法で人事院の特別職である人事官が就任することが規定されている。
今回の人事案は常任である会長と非常勤の委員2名についてである。会長は現職の秋吉淳一郎氏を再任する案である。秋吉氏は元仙台高裁所長で高い見識を持っている。否認する理由は見つからないことから再任案には賛成することが妥当だと考える。ただ当会の会長職の報酬は凄まじく高い。仕事量は急激に減少しているが報酬はなんと年2841万円である。国務大臣とそんなにかわらない報酬だ。この報酬は特別職の職員の給与規定によって定められているので仕方がない。
非常勤の委員の人事案の一人目はリコーの現職の代表取締役会長である。経済界を代表しての就任と考えるとこの上ない人物である。経済同友会の副会長も務めている。企業倫理に関しては強い認識を持っているはず。当然、就任を歓迎するべきである。
非常勤の委員の人事案の最後は山田久氏である。山田氏は著名なシンクタンクである日本総合研究所の理事も経験しエコノミストとしても有能である。法政大学経営大学院でイノベーションマネージメント研究科教授も兼任しており経済界のみならず学界でも活躍している。幅広い経験と見識を有していることから委員に相応しい人物だと思料する。
以上、同意人事案に適当であり賛成することが妥当だと考える。
参考
公務員倫理審査会 人事院
https://www.jinji.go.jp/rinri/#
調査及び懲戒処分等の状況