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退屈と惰性と 改

TL ブラジオン レビュー

2024.02.17 07:35

 今回のレビューは、トランスフォーマー レガシー より、

“TLー53 ブラジオン” です。


 ディセプティコンのプリテンダーの1人、

“電撃兵士 ブラジオン” が、

レガシーで発売されました。


 ザ☆ヘッドマスターズ(海外ではザ・リバース)終了後の主力アイテムと位置付けられていたプリテンダー。

 ソフトビニール製のフィギュアの中に小型の変形トイを収納するというスタイルは、しかし日本では受けが悪いだろうという判断でアニメ(マスターフォース)でも中盤以降活躍の場面は減り、トイもあまり積極的な導入はされませんでした。

 アニメでのレギュラーキャラにもかかわらず、日本では限定発売に留まった人すらいたくらいですからね。

 この度リメイクされたブラジオンも、当時日本では発売されなかったキャラクター。もちろんアニメにも未登場です。

 海外でもその活躍はマーベル系のコミックが中心だったようで、今空きのレガシーでの区分もコミックユニバースになっています。

 海外での知名度は相応2あるでしょうし、見ためもインパクトがありますから、そこそこ人気もあるのでしょう、何度かリメイクもされているようです。

 実写版でも、リベンジのときに新規造形のトイが発売されています。

 今回はまた既存アイテムの流用でのリメイクなのですが、今やるならもうちょっと頑張ってほしかった、というのが本音ですね。

 せめて、同じくボイジャークラスでリメイクされたオートボットのプリテンダー、メタルホークくらいには新規造形パーツを使ってほしかった。

 正直、今回はスルーしてもいいかなぁ・・とも思ったのですが、そのメタルホークの相手役もいないし、一応確保しておくかという感じで。

 そんなこともあって、わりとあっさりめのレビューになると思います。


プリテンダー 電撃兵士 ブラジオン

 骸骨のような顔に鎧兜を被った落ち武者風のアウターシェルを持つディセプティコンのプリテンダー。

 先にも言ったとおり、日本版アニメには未登場で、海外でもその活躍はマーベルコミックが中心。

 コミック設定では、冷酷で情け容赦のない、メタリカトー武道(なにそれ?)の達人。

 もともと地位は低かったようですが、数々の戦功を挙げ瞬く間に幹部にのし上がり、挙げ句メガトロンに反旗を翻して一時はディセプティコンを掌握するまでになります。

 まぁ、結局は復活したメガトロンに倒されたようですが・・

 また別の世界線ではメイヘム攻撃隊のリーダーとして登場。

 ディセプティコンの一部隊なのかな? よくわかませんが。

 今度海外限定のサブラインでフィチャーされるらしいんですが、となるとブラジオンもまた違うパターンのものが発売される?

 まぁ、どうせ日本には来ないだろうからいいけど。


ロボットモード

 同じコミックユニバース出身のTL ターンの流用となります。

 というか、本体は頭部のみが新規造形で、あとはリカラーという・・え? ここへ来て手抜き? と思ってしまっても仕方がないかなぁ、と。

 いやまぁ、ターンは見ため格好いいとは思うんですが、妙に薄いし、変形もシンプルだし・・ほかにもターンのレビューでいろいろ不満は挙げているのでここで再び繰り返すことはしませんが、正直物足りないんですよね。

 だから一度はスルーしようかとも思ったわけで・・

 しかしそこはトランスフォーマーですから、色が違うだけで別の人。顔が違うなんてむしろありがたい・・くらいに思ってしまうこともあります。

 でもそれは、そもそもそういうキャラたちだから。

 ジェットロントリオとか、最近だとスキッズ型がやたら擦られている印象ですが、それはそもそも同型設定だからいいんです。

 ターンとブラジオンはなんの関係もないもの。

 レガシーに入ってから何体かプリテンダーがリメイクされていますが、本来のアウターシェル周りのギミックは当然のようにオミットされ、ディセプティコンはアウターシェルと本体(中のヒト)の折衷デザイン、オートボット(といってもまだメタルホークだけですが)は本体ベースでリメイクされています。

 ディセプティコンはイグアナス、ボムバースト、スカルグリント、先行した3体はすべて新規造形。メタルホークはKD サイクロナスの流用でしたが、大半のパーツが新規造形され、かなりオリジナルのデザインに近い仕上がりになっていました。

 それらを経ての、今回のブラジオン。

 頭部以外にオリジナルの面影はありません。

 ボディに鎧感がないんです。

 そりゃそうだよ。ターンのままなんだから。


 頭部アップで。

 新規造形の頭部は、骸骨が和風な兜を被っているようなデザインで、オリジナルをより強面にした感じ。

 ほかにはなかなかない顔付きで格好いいです。

 口内のディティールもなかなか細かいですね。

 ただ、全体の印象はあまり兜っぽくなく、なんというか、鍬形部分含めてガンダムのヘルメットっぽい?

 ちなみにこの鍬形から電撃を放てるのが、電撃兵士の肩書きの由来のようですが・・


 胸部アーマーの形状もターンから変更なし。

 ただ、カラーリングの変更で随分と印象は変わりましたね。


 強いて言うなら、肩のこの履帯が重なっている感じが、鎧の袖っぽいイメージはあるかも。

 本当、強いて言えば・・ですけど。


 拳は、人差し指以下の4指を一体で開くことができます。

 ただピン打ちされている基部が少し目立つので、大きく開くとちょっと違和感があります。


 背面。

 背中から斜め上に向かって伸びる棒状のパーツが、またガンダムっぽい・・

 すっきりと細マッチョ感のある後ろ姿もまぁ、格好いいんですけどもねぇ。

 しかし、オレンジとグリーンがメインのカラーリングもけっこう派手ですね。

 パープルメインで、これぞディセプティコンカラーという感じで落ち着いていたターンとはえらい違いだ。

 なんかブラジルっぽい色遣いなんですけど、ブラジオンとブラジルってなんか関係あるの?


 なお、先に触れた棒状のパーツ、

ビークルモードで副砲になるパーツですが、そのまま下に下ろすことができます。


付属武器

 メイン武装となる刀は新規造形。

 鍔のない直刀で、刀身はシルバーで塗装されています。

 軟質製じゃなくて一安心です。

 柄の根元部分に5㎜軸があるので、背面などにマウントできます。

 腰に5㎜穴があれば帯刀してるふうにできたのになぁ・・


2連装フュージョンキャノン

 ターンに付属した武器もそのまま付属。

 基部パーツと形状の違う砲身2つからなる武器ですが、クリアオレンジ成型で塗装色も変更されているのでターンのものとはかなり印象が違いますね。

 パッケージイラストでは基部ごと背部に装備しているようで、この状態がブラジオン的には基本っぽいなと思います。

 砲身はそれぞれ取り外し、単独の武器として手に持たせたりも可能。

 砲口はそれぞれ5㎜穴になっています。


エヴォフュージョン

 2問の砲身を直列に連結してロングレンジキャノンとする、ターンの反れとまったく同じエヴォフュージョン。

 どうせなら刀も交えてどうにかしてほしかった気はします。


ビークルモード

 エイリアンタンクにトラスフォーム。

 オリジナルの中のヒトが変形するのは日本の90式戦車っぽい、単装砲塔の戦車でしたが、今回は2連装砲塔に2門の副砲を備えたSF風タンク・・つまるところターンのビークルモードの色違いです。

 派手ですね。

 相変わらずわりとあっさりした変形で、思いのほかこじんまりとまとまってしまいます。

 拳も丸出しのままだし。

 まぁ、頭部と武器以外そのまんまなんだから、当然ですけどね。


 フロント部分が微妙に浮いた感じになるところも変わってません。

 ここは調整して欲しかったなぁ。


 砲塔は回転可能。

 砲身も仰俯角変更できますが、本体と干渉するので可動域は狭いですね。


 刀は車体後部などに取り付け可能。

比較画像

 基型となるTL ターンと。ロボットモードで。

 頭部変更で刀が追加。

 あとは成型色、塗装が変更されたのみですが・・まぁ随分と印象は変わっていますね。

 ブラジオン自体の再現はまたべつの話で。


 ビークルモードでも。

 まぁ、ただの色違いです。

 ブラジオンは刀付いてますけど。


 PP クインタスプライムと。

 パワーオブザプライムで発売されたプライムマスターは、原初の13人のトランスフォ-マーということでしたが、単品発売されたものはプリテンダーのアウターシェルをモチーフにしたデコイアーマーとセットになっており、ブラジオンモチーフのアーマーが付属したものがクインタスプライムでした。

 クインタスプライムはクインテッサ星人の創造主ということらしいですが、そのデコイアーマーにブラジオンが選ばれたのは謎。

 ただ、ブラジオンとしての再現度は今回のものより上・・かも。


 リベンジのときに発売された実写版と。ロボットモードで。

 実際の映画には出ておらず、トイのみ発売されたわけですが、オリジナルの骸骨顔の鎧武者姿が、上手く実写風に落とし込まれていると思います。

 履帯パーツの使い方も素晴らしい。

 リベンジトイのなかでも個人的に好きなものの1つです。

 今回のレガシー版も、やっぱりもう少し鎧風のパーツを使ってほしかった。


 ビークルモードでも。

 リベンジ版はオリジナルに近い90式戦車に変形。

 鞘に収めた刀が砲身になるというのもアイデアですね。


 TL スカルグリンと。ロボットモードで。

 同じプリテンダーですが、かたや新規造形、かたやわりと雑な流用・・

 分岐点はどこにあるんだろうか・・

 たぶん、ブラジオンのほうが人気あると思うんだけどなぁ。

 あらためて考えると、スカルグリンをそこそこオリジナルに忠実な新規造形でリメイクしたのが狂気ですよね。


 ビークルモードでも。

 奇しくも両者に多様なエイリアンタンクに変形します。

 ただスカルグリンはわりとオリジナルに近いけど、ブラジオンはまったく違う・・

 ロボットモードではけっこうな身長差でしたが、ビークルモードはあまり変わりませんね。

 TL メタルホークと。ロボットモードで。

 同じプリテンダーで、同じく既存アイテムの流用でのリメイクなのに、この新規パーツ両の差はなんなのか?

 こちらもまた分岐点はどこに・・


 ビークルモードでも。

 メタルホークは上手い流用だなぁ。

以下、画像

 肩周りの可動にちょっと癖がありますが、可動性自体は非常に優秀で、スタイリッシュなアクションポーズがばっちり決まります。

 やはり新規追加の刀を使ったアクションが楽しいですね。

 手首ロールもできますし、指が動かせるので素手のほうでもいろいろと表現できるのがよいです。

 ちょっと窮屈ですが刀の両手持ちも可能。


 立て膝からの抜刀イメージで。

 やはりこの型の立て膝は綺麗だ。


 変形都合もあって膝は二重関節になっているので、正座も可能。

 うん。侍っぽい。


 フュージョンキャノンで。

 あまり射撃のイメージはないですけども。

 なお、スタンド対応穴は腰裏にあります。


 背中に装備で。

 エヴォフュージョンでも。

 まぁ、基がターンなので射撃アクションもそりゃあ似合いますよね。


 フル装備で。

 一時はメガトロンをも倒したという強者を、メガトロン原理主義者のターンベースでリメイクするというのもなんか皮肉な話・・


 フルアームド・ブラジオン!

 ディセプティコン プリテンダーモチーフのプライムマスター デコイアーマーをウエポンモードで装備しました。

 意外とバランスがとれている。


 ビークルモードでも。

 本体のフロント部分も含めて重機っぽい感じになりましたね。

 これまた綺麗にまとまりました。


ブ「まさかこの令和の時代に我々プリテンダーがリメイクされるとはな、

  いや、むしろ時代がようやく我々に追い着いたということか・・

ス「でかくなった俺たちのアウターシェルギミックは再現されてないけどな。

イ「あと、サイズ感バラバラなのどうにかしてくれ・・

 本当にね。どういうスタンスなんだろうね。

 まぁ、いまうちにいるデ軍連中(プライムマスターは置いて)については、このサイズでもとくに違和感はないんですが。

 コアクラスのボムバーストはどういうわけなんだろうか? コウモリだし小さくてもいいってなったのかな?

 まぁ、それでもいいのでボムバースト日本でも売ってください(しつこい)。


 レガシーに入って都合4人リメイクされてるディセプティコン プリテンダーに対し、オートボット プリテンダーでリメイクされたのはメタルホークのみ。

 PPのプライムマスターを合わせて(同名キャラは省く)も、ディセプティコン6に対してオートボット3と戦力比は2:1。

 実際の戦力比はそれ以上ですが・・どうなんだろうな? オートボット プリテンダーは地味だしリメイクしづらいのかな?

 ロングトゥースとかならキャラも立ってると思うんだけど・・


 VS メタルホーク。

 マスターフォースではサイバトロン(オートボット)プリテンダーのリーダーとして登場したメタルホーク、対するデストロン(ディセプティコン)プリテンダーのリーダー格はブラッド(ボムバースト)ですが、海外設定的には役不足という気がしますから、同じボイジャークラスで登場したブラジオンはメタルホークのライバルポジにちょうどいい感じ。

 ちょうど剣と刀で鍔迫り合いもできるし、いいですね。


 以上、“TL ブラジオン” でした。


 日本ではまり馴染みのないキャラクターかもしれませんが、海外では相応に人気があると思われるブラジオン。

 ゆえに、ターンのリカラー頭部変更、刀追加だけで済まされたのは残念に思います。

 いやまぁ、ターンの出来は自体はよいですし、新規造形された骸骨兜頭にオレンジとグリーンが派手なカラーリングは意外にもけっこう格好いいとは思うのですが、ねぇ・・

 同時発売されたボンブシェルやストロングアームも既存アイテムの流用ですが、彼らは基型から半分ほどのパーツが新造され、わりとしっかりオリジナルのデザインが再現されていたので、なんでブラジオンでもできなかったのか・・というかやらなかったのか?

 もったいないなぁ・・


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。