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「宇田川源流」【現代陰謀説】 プーチンの本当の狙いは何か?

2024.02.15 22:00

「宇田川源流」【現代陰謀説】 プーチンの本当の狙いは何か?

 毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしている。日頃目にするニュースが、あまりにも同じような、それも世界情勢や体制に全く関係のない内容ばかりで、これで世界の話を別れという方が無理だ。普通に検索すれば明かることを、後講釈をつけておどろおどろしく話をしてしまい、それが「陰謀論」というように言われていること自体が、日本の言論空間がおかしなことになっているということにつながるのではないか。基本的に、日本の陰謀論というのはそのようなものが多く、なんだかわからない「影の政府」のような実体のない人々が、まるで神か何かのように地震や天候に至るまですべてをコントロールしてしまうというようなものばかりである。これは、一つにはそのような陰謀論を好む人がいるということであり、もう一つは報道が「どの報道を見ても似たようなスキャンダルや、愚にも付かないような世界情勢と全く関係のないこと」しか流さず、最も重要な世界情勢は伏せたままになっているので、その様なことを信じやすい土壌を作り出してしまっているのである。

しかし、実際に今の陰謀論者が言うような「影の政府」などは実体がない。そもそも陰謀を語るものは、どのようにしたら陰謀を解除することができるのかという「カウンター・インテリジェンス」をしっかりと語らなければならない。しかし、残念ながらそのようなカウンターを語れる陰謀論者が全くいないということになる。これでは陰謀論が幽霊話や未確認飛行物体と同じになってしまう。日本では「陰謀論」が「サブカルチャー」に入ってしまうというのもこのような事情なのである。

その意味では、ここではしっかりとカウンター・インテリジェンスを探すことをしながら陰謀を語りたい。

さて、デンマークの国防相によると、3~5年以内にロシア派NATO攻撃を行う可能性があると氏、そのためにデンマークは軍事投資を課すさせるということを主張しあ。この背景には何があるのであろうか。

ロシア、3─5年以内にNATO攻撃も デンマーク国防相が警告

 [コペンハーゲン 9日 ロイター] - デンマークのポールセン国防相は9日、ロシアが予想以上に早く軍備を増強し、3─5年以内に北大西洋条約機構(NATO)加盟国を攻撃する可能性があるとの情報を踏まえ、デンマークは軍事投資を加速させる必要があると訴えた。

 ユランズ・ポステン紙に「ロシアの軍装備生産能力は驚異的に向上している」と指摘した。

 「3─5年以内にNATO第5条(集団防衛)と連帯を試そうとする可能性は否定できない。これは2023年にはNATOの評価の対象外だったが、現在前面に出てきている新しい情報だ」と述べた。

 ドイツのピストリウスの国防相も1月、ロシアが5─8年以内にNATOを攻撃する可能性に備えるべきと述べている。

 ポールセン氏はデンマークに対する直接的な脅威はないが、加盟国を不安定にしようとするハイブリッド攻撃にNATOが直面する可能性があるとの見方を示した。

 「ロシアは潜在的にそうする意志がある」とし、ロシアは予想より早く軍事能力を整えることが可能であり、懸念すべき理由があると語った。

2024年2月9日 19時38分 ロイター

https://news.livedoor.com/article/detail/25852744/

 デンマークとは地理的に面白い国である。バルト海と北海の間のユカタン半島の国である。バルト海に面している国と言えば、スウェーデン・フィンランドという北欧三国のノルウェーを除いた二カ国、そしてバルト三国と言われるリトアニア・エストニア・ラトビア、そしてポーランド、そしてロシアである。ロシアはヨーロッパに出るためには、北海を通ってスコットランド沖に出るか、または黒海からトルコの守るボスポラス海峡を通って地中海に抜けるか、それともこのバルト海からデンマークの横のスカゲラク海峡とカテガット海峡の2つの海峡の二つの海峡を通らなければ北海に出ることができない。ちょうどそのバルト海の蓋をしているような場所がデンマークである。

歴史的にはデンマークは王国であり、現在は立憲君主制である。早くからEU/NATOの双方に加盟しながらも「ノルディックバランス」と言われるような中立政策を貫いている国である。そのような中立国であることから、当然に、徴兵制、国民が国を防衛するというような意識が強く、その国防という意味ではかなり神経質になっている。同時に、そのようなことであるから国防と情報に関しては非常に力を入れており、デンマークは国防情報庁が、第二次世界大戦時にドイツに占領された経験から、EUだけではなく、様々な国の情報を徒って、その動きを国内に発信している。言うまでもないが、日本の陰謀論などとは全く異なるレベルである。

さて、ロシアは元々NATOと敵対している。旧東西冷戦から言えば、もともと「北大西洋条約機構(NATO)」と「ワルシャワ条約機構」の対立であったということになり、その対立が無くなったことを象徴的に「ベルリンの壁の崩壊」という、東西ドイツの統一になぞらえて行っている。

1991年の旧ソ連崩壊に基づいて、その内容が変わるように見え、旧ソ連を引き継いだロシアが民主化するとみられたが、プーチンの政権になってまた「旧ソ連」に体制だけは逆戻りしている。プーチン大棟梁は2004年に「旧ソ連の版図の復活こそがロシアの生き残る道である」ということを主張し、そのうえで、まずはその国力を維持し、そして黒海産の石油と天然ガスを武器に経済を強化し、そしてEU加盟の各国に対して資源の依存度を高めることによって、ロシアに反対できないようにしながら旧ソ連の共和国に対して情報工作や軍事作戦を行ってきている。2008年のジョージアなどはまさにその内容である。

そのようなロシアによる旧ソ連国家への圧力が強くなると、それらの国々は独立を保つために、徐々にロシアから離れ、NATOへの加盟を望むようになる。逆に言えば、ロシア派それを防ぐために、情報工作や軍事作戦を行うようになる。

2022年2月23日からのウクライナ侵攻はまさにその中の一環の行動の中の一つであったが、なかなかうまくゆかない状態になっている。そしてウクライナ侵攻がうまく進まない理由は、間違いなくNATOが原因である。つまり旧ソ連の版図を維持するためには、NATOが邪魔であるという結論になるのである。

さて、では軍事作戦を行うかと言われれば、いかがなものであろうか。

ポールセン氏はデンマークに対する直接的な脅威はないが、加盟国を不安定にしようとするハイブリッド攻撃にNATOが直面する可能性があるとの見方を示した。<上記より抜粋>

まさに軍事作戦ではなく、このような「認知戦」が行われる可能性の方が高いであろう。逆に言えば、スパイ映画よろしく情報工作を行い、国家と国家の陰謀がこれから渦巻くことになるということになる。まさに、その中心がロシアになるということを示唆しているのではないか。では、その認知戦の避け方は何か。その一例はオンラインサロンの方に詳しく記載している。