2024年第58回 新井勝紘さん(元専修大学教授)が講演
2024.02.16 01:48
集会での新井勝紘さんの記念講演は、上記リンクより視聴できます。
第58回「建国記念の日」不承認2・11大阪府民のつどいが、2024年2月11日に開かれ、180人が参加しました。
「関東大震災100年を経て―絵巻に描かれた現代への教訓―」をテーマに新井勝紘・元専修大学教授が記念講演しました。新井さんは、まず「教育の現場で朝鮮人虐殺を堂々と語ることができるだろうか」と、教科書や公立の施設から虐殺の記載が消えている問題を提起。関東大震災(1923年)から半年後に墨田区の小学生たちが描いた絵を紹介し、警官が通行人に銃を突きつけて検問する様子や、武器を手にした多数の人たちが朝鮮人を捕まえている絵を示しながら、「子どもたちにとって、火や煙より怖かったこととして記憶に残っている」と話しました。
新井さんが一昨年発見した「淇谷」(きこく)という画家が描いた「関東大震災絵巻」には、「よく省みてほしい」と朝鮮人虐殺を含む震災被害の全容が描かれています。新井さんは絵巻を読み解きながら、虐殺が軍や警察とともに自警団、群衆など官民一体で公然と行われたことを説明し、「地域でタブー視され、一世紀を経っても不明な点が多く、虐殺は歴史になっていない。わずか数人だが、あえて虐殺を描いた人たちの気持ちを汲むべき。我々はバトンを渡された」と結びました。
文化行事として、山本純子さんがフルート、黒木耀子さんがピアノを演奏。意見発表は、「2025大阪・関西万博をめぐって現場で起こっていること」として、大学と学校教育の現場から報告がありました。
会場には、「関東大震災絵巻」の実物が東京以外で初めて展示・公開され、参加者は息をのんで見入っていました。