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白状

たちつてと

2024.02.25 07:45

高窓へ向かって輪ゴムの銃を発射しているのを、部屋の入り口から見ていた。一発撃つごとにポケットから弾を出して装填。撃つ。装填。撃つ。割り箸で作られた骨だけの銃なのに、よく働く。チャカをむやみにぶっ放して、いけねえお嬢さんだ。

ちょっかいを出して言ってみると、引き金が止まる。白い肩から銃口までが定規でひいたようにまっすぐで、とても綺麗だ。十六の女子が粗末な玩具で遊んでいる不釣り合いさも良い。良いのだが、見るほどに胸のあたりが強張るのを感じる。

疲れたようにため息をついて、ユキ子お嬢はゆっくりと、腕を下ろした。割り箸鉄砲を軽く放り、膝のあたりを撫でさすっている。原さんはこないの。こちらを見もしないで呟かれると、ますます幼い人だと思う。その内容も然り。原はしばらく来れませんよ、訳あってのことでさ。

天井の高い奥の間に、ユキ子お嬢が押し込められてひと月が経った。懇意にしていた世話人の原が処分を受けたのと同時のことだ。部屋の隅にはけん玉や、あやとりの紐や、絵を描く道具などが点々と置かれている。一人遊びは退屈だろうが、二人にしたのがいけなかったのだから同情もできない。

止められず、バカな思いを遂げた原も悪いが、どうもお嬢を責めたくなる。彼女の手が、そのなめらかな膝小僧膝をくるくるとなぞっている。見ていると傷口が疼き、心が半分に割れそうになる。眺めていられる喜びと、湿ることへの苛立ちと。この女はとっくに開いているのだから。