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日本茶教室 松濤

お茶の旅〜冬の京都③

2024.03.10 23:00

(前回の続きです)


さて、旅もそろそろ終わりです。

最後のイベントは、祇園 花見小路の「然美(さび)」にてティーペアリング!


お手前座の前のカウンター席に8名で座って、一斉スタートです。1日2回のお席のうち私は後半16:00~の回を予約していたので外はちょうど夕暮れ時のマジックタイム。

明るさ控えめの照明と相まって薄暮の雰囲気すごくいいじゃん!と内心盛り上がっていたら、お品書きの字が私には見えないことに衝撃(老眼)。そのままずっと見えるふりをしてたわ笑

さて、気を取り直していこう。

水出しの玉露から始まるお茶席。玉露のわりにちょっと軽めの口当たりが飲みやすく、ペアリングのスタートにぴったりです。

お菓子は「慶雲」。最中皮にキャラメルのムースと洋梨のコンポートです。直前に作られているので最中皮がサクサク!

次のお茶は、梅干しと結び昆布が湯呑みに入った大福茶。1月のお茶席、本物の京都の大福茶に出会えて感激でした。

お菓子は「瑞花」。りんごとバターのきんとんです。雪や氷を思わせる薄い皮(これも最中皮と呼んでいいのでしょうか)が美しい!果物はお茶とお菓子の相性をひきたててより良いものにしてくれますね。

続いて、抹茶とゆずがメインのモクテルです。目の前でしゃかしゃかとしてくれて楽しい。アルコールOKの方にはジンがプラスされます。とてもリッチで口当たりの良いモクテル。

お菓子は「福寿草」。金柑、クリームチーズ&白餡、チョコレートとセサミのチュイル。私はこれが一番お気に入りでした。クリームチーズのコクを金柑のほろ苦い爽やかさが引き締めて、ゴマがエキゾチックなアクセントになっています。

次は、炒り番茶に杉とタイムの香りをまとわせたスモーキーでハンサムなモクテル。こちらもアルコールOKバージョンがありました。意外な方法で香りに深みを出しているということで一番ハッとされられたお茶です。

お菓子は「初茜」。赤味噌とナッツ、チョコレート。赤味噌はナッツやチョコレートのコクと相性良しですね!ラズベリーの酸味が軽やかさを添えて最後まで飽きることなくいただけました。

味の要素が多いのでとても複雑なペアリングに感じましたが、不思議とまとまっていて印象深い組み合わせでした。

最後は、ほうじ茶。イチゴとピスタチオのムース「春待つ」を合わせて。斬新というよりはシンプルに、ベーシックに戻ってホッと余韻を楽しむようなイメージでしょうか。

ほうじ茶は一煎目低め湯温、二煎目高め湯温で。二煎目もしっかり出ていて感激しました。水色が濃いから香りも強いかな?と思いましたがとても優しい香りで甘酸っぱいイチゴの風味を邪魔しないのがすごい!


使っている茶葉は私にも聞き覚えのあるような、よく知られた宇治の老舗のお茶屋さんのもの。

正統を味わいつつ新しい風も難なく受け止めるような懐深い京都ならではのお茶席が体験できたような気がします。


ところで、今回は大福茶とほうじ茶でお手前をしてくれました(玉露は予め水出しされたもので、お手前はありませんでした)お客さんは外国人の方も多いのでお手前を見られるのはきっと嬉しいですよね。


マニアとしては「もう少し、手数・手の内を見せておくれ〜!」と思わないこともないですが😆お手前座がステージとすればその磨き抜かれたエッセンスのみを観客に見せるのはある意味、洗練の極みとも言えるのかも。自分でも何言ってんだかわからんのですが。

お茶席が終わって鴨川に出ると、なんとも綺麗な夕暮れ!名残惜しいですがそろそろ新幹線の時間です。


一泊二日で回った冬の黄檗〜宇治〜京都。かなり満喫しました。まだまだ足を伸ばして訪れたいお茶どころ、門前菓子がたくさんあります。早くも次のお茶旅の計画を妄想する毎日です。


(これにてお茶の旅 京都編 終了です。お付き合いいただきありがとうございました😊)