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ZIPANG-8 TOKIO 2020 全国の姥神像行脚(その62)福島の姥神たち・二本松市・・・ 【寄稿文】 廣谷知行

2024.02.26 08:55

令和6年1月1日午後4時10分頃発生した、
能登半島地震で被害を受けた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。(編集局)


福島県二本松市

 

岳温泉街


福島県の二本松市は、同県中通り北部、福島市の南に位置します。その26で同市にある観世寺、黒塚などを紹介しましたが、それ以外にも二本松城、東北サファリパーク、安達太良山、岳温泉などの多数の観光場所があります。二本松城は日本百名城のひとつとされ、城下で行われる二本松提灯祭りや日本最大級の菊人形展も有名です。


ちなみに戊辰戦争時の悲劇の少年兵として会津若松の白虎隊が有名ですが、この二本松でも二本松少年隊という12歳から17歳の少年兵が戦死していて、これを偲んだブロンズ像が二本松城にあります。


また、安達太良山の麓にある岳温泉は、通常透明な温泉なのですが、毎週一度だけ乳白色に濁るという面白い特徴があり、温泉街ではこの日をミルキーデイと呼んでいます。


今回は同市にある姥神像を紹介します。


・安達太良山


安達太良山


安達太良山登山道途中にある姥神像


日本百名山のひとつであり、標高1,700メートルの安達太良山は、高村光太郎の『知恵子抄』で「ほんとの空」のある場所として詩に登場したことで有名です。


同山のあだたら高原スキー場の横の登山道から勢至平へ向かう、馬車道の途中に姥神像があります。登山道から横に入った場所にあり、ややわかりにくいですが入口に梯子がありますので目印になります。登山道の途中に単独でありますので、境界-姥神型として祀られたものと言えます。


・不動平


不動平不動尊の入口にある姥神像


不動平不動尊の入口にある姥神像


女人塚にある女人像



同市の東北サファリパーク近く、不動平地区に地名の由来と思われる不動尊があり、その参道途中に姥神像が2体あります。不動尊の手前に姥神像を配置するのは、山形県村山地方でよく見られますが他県では珍しいです。参道途中に単独でありますので、境界-姥神型として祀られたものと言えます。


この近く、木の根坂地区にも不動尊がありますが、こちらに姥神像はありません。また、現在は無くなった十文字岳温泉が栄えた時の、遊女などを偲んで作られた女人塚が近くにあり、ここに首から上はありませんが胸をはだけた女性の像が置かれています。しかしその背景や片膝を立てていないことから、姥神像ではないと思われます。


・観音寺


観音寺の姥神像



同市の観音寺境内に、顔は削られたためか判別できませんが、姥神像があります。背に明和9(1772)年と彫られていますので、江戸期に製作されたことがわかります。墓地の入口に単独でありますので、境界-姥神型として祀られたと言えます。


続く・・・


寄稿文

廣谷知行(ひろたに ともゆき)

姥神信仰研究家


※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。

発行元責任者 鎹八咫烏(ZIPANG TOKIO 2020 編集局)



アーカイブ リンク記事をご覧ください。


みちのくの鬼婆伝説

「みちのくの安達原の黒塚に鬼こもれりときくはまことか」と、黒塚のことを歌ったのが大和物語での平兼盛の歌です。しかし、この歌は兼盛が、重之の美しい娘が辺境の地に住んでいて隠れているのを鬼と掛けたものであり、鬼婆のことを詠ったものではないようです。なので、ここでの黒塚は地名です。


この歌を元に謡曲、「安達原」、「黒塚」などがつくられ、巷に広まっていった話が「安達ヶ原の鬼婆」の話です。


観世寺にある鬼婆の石像


鬼婆伝説を伝える観世寺に鬼婆の石像があります。この石像を見ると、顔は削られており、よくわからなくなってしまっていますが、方膝を立て、胸をはだけている姿をしており、姥神の特徴を備えています。


観世寺にある謡曲の由来書き


話の内容は、

乳母が育てた姫の病気を治すため、妊婦の生肝が必要と言われる。

安達ヶ原に流れ着き、妊婦の旅人を待つ。

妊婦がやってきたので殺して生肝を取る。

殺した妊婦が自分の本当の娘だと知る。

気が狂い、鬼婆となって旅人を襲うようになる。

祐慶東光坊が宿を借りるが鬼婆と知って逃げる。

鬼婆が追いかけてくるが、如意輪観音の力で鬼婆を倒す。

死んだ鬼婆を埋めた場所が黒塚と呼ばれる。

といった内容となります。


観世寺境内にある鬼婆の住んでいたとされる岩屋


福島県二本松市に天台宗真弓山観世寺があり、ここに安達ヶ原の鬼婆が住んでいたとされる岩屋などがあります。また、この寺の宝物館には鬼婆の絵、旅人を襲って肝を抜くのに使ったとされる鍋や包丁などが展示され、非常に見応えがあります。


この寺は祐慶東光坊が神亀3(726)年に開いたとされ、祐慶を鬼婆から助けた白真弓如意輪観音が祀られています。秘仏であり、御開帳は60年に一度です。


この寺の近くには鬼婆が埋められたとされる黒塚(トップの写真)があり、大杉とともに石碑などが並んでいます。また、ここでは鬼婆が岩手、殺された娘が恋衣、その夫が伊駒之助という名前であるとされ、娘を祀った恋衣地蔵堂、その夫を祀った伊駒地蔵堂なども近くにあるようです。


(詳細は下記のURLよりご覧ください。)


ZIPANG-5 TOKIO 2020 全国の姥神像行脚(その26)~ みちのくの鬼婆伝説 ~【寄稿文】廣谷知行
https://tokyo2020-5.themedia.jp/posts/14634195



日本三大さざえ堂「会津 さざえ堂」


前回ご紹介した喜多方市の隣、福島県会津地方の中心にある会津若松市は、2013年の大河ドラマで俳優の綾瀬はるかさんが主演した「八重の桜」の主な舞台となった会津若松城(鶴ヶ城)のある市として有名です。


また、同ドラマの主人公、新島八重が活躍した幕末の戊辰戦争時、若くして会津藩のため殉職した白虎隊も有名で、同隊員たちの墓標のある飯盛山も有名な観光地となっています。


その飯盛山には、日本三大さざえ堂のひとつであり、国指定文化財の円通三匝堂があります。全国のさざえ堂のなかでも特にこの会津のものはすべての通路がスロープとなっていて、行きと帰りが別の道の一方通行の2重螺旋構造で造られた非常に珍しい建物です。


またそのらせん構造に合わせた、さざえを彷彿させるデザインをその外観からも覗うことができるのもここだけではないでしょうか。


さて、その29で紹介した大戸町の橋姫、また、その52で紹介した本元飯豊山、そして大戸岳の姥神像は、どれも同市となります。今回はその他にある市内の姥神像をご紹介します。


(詳細は下記のURLよりご覧ください。)


~白虎隊 会津若松城(鶴ヶ城)~

ZIPANG-7 TOKIO 2020 全国の姥神像行脚(その55)福島の姥神たち・会津若松市・・・【寄稿文】 廣谷知行
https://tokyo2020-7.themedia.jp/posts/46075294



福島県二本松市「安達ヶ原ふるさと村」


二本松市の見どころ

「安達ヶ原ふるさと村」

鬼婆伝説の地に、二本松の歴史と伝統的生活文化がひとめで分かる武家屋敷、養蚕農家などが再現されています。春には桜まつりが行われ、五重塔を背景にライトアップされた桜が楽しめます。

また、秋は彼岸花が園内を美しく彩ります。このほか、子どもが楽しめる無料の遊び場「げんきキッズパーク」や団体客も利用可能なレストラン「よってっ亭」なども営業しています。


福島県二本松市の地域電力「日本初の垂直営農ソーラー」


二本松の地域電力が、日本初の垂直営農ソーラーを実現

国内における食料生産、エネルギー生産に関する問題の有力な解決策としてますます注目が集まる営農型太陽光発電所(ソーラーシェアリング)


二本松ご当地エネルギーをみんなで考える株式会社(ゴチカン)は、特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所(ISEP)の支援のもと、日本初となる垂直営農ソーラーを福島県二本松市に設置しました。


施工をRYOENG株式会社が行い、架台の日本版カスタマイズおよび、モジュール供給をルクサーソーラー株式会社が行いました。ドイツで標準化している技術を日独の協働により、日本仕様と環境条件に合わせた開発を行い実現した日本初の実用的な垂直営農ソーラー発電所です。


福島県二本松市情報館



(詳細は下記のURLよりご覧ください。)


ZIPANG-6 TOKIO 2020 二本松の地域電力が、日本初の垂直営農ソーラーを実現
https://tokyo2020-6.themedia.jp/posts/33942838



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ZIPANG-7 TOKIO 2020 (VOL-7)
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