「宇田川源流」【現代陰謀説】 二分化する世界と世界大戦の懸念
「宇田川源流」【現代陰謀説】 二分化する世界と世界大戦の懸念
毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしている。世の中に跋扈している、何だかわからない陰謀論とは異なり、しっかりとした根拠と調査に基づく「現在進行形の陰謀」を今あるニュースや、だれでも見ることのできるニュースや既知の事実を使って、多くの人と共通認識にしてゆくということを見てゆきたいと思う。
さて、日本の「陰謀論」には、「陰謀といわれているが目的がなんだかわからない」というものが少なくない。例えば「イルミナティ」とか「ワンワールドオーダー」といわれるようなものがある。私はあまり詳しくないのだが、要するに「選民思想」であり、そのことによる「他の民族の淘汰」ということを言っている。当然に選民思想の場合は「何らかの形で選ばれた民族」というものがあり、その民族が世界を支配するというような思想であろう。しかし、そもそも「働く人」がいなければ支配を居sても自分たちで物事を行わなければならない。「支配する」とは「他が従順に自分のために働く」問いことを意味しており、そのことはほかの民族を淘汰するという考え方とは一線を画すものである。要するに、その様な「普通」のことが、なぜか陰謀論の話にはなくなってしまっている。
それは「陰謀論」が、起きたことを後から解説しているだけの後講釈でしかなく、事前にわかっているような話は何もない。もっといえば「本来陰謀論を語るには、当然にその陰謀を止めるためのカウンターや、陰謀を逆利用するための方策」が語られなければならないわけであるが、すでに物事が終わってしまっている「後講釈」では何もできないということになる。そして、そこまで知っているのに先のことは何も見えていないということも、今の陰謀論の特徴になっている。その様に考えれば、「何故陰謀論がサブカルチャーのカテゴリーに入ってしまうのか」というようになってしまい、陰謀論者に政府系の情報部門が話を聞きに来るようなこともなくなってしまっているということになるのである。
では、陰謀どういうのはどういう土壌でできるのでしょうか。今回は、その様な「世界の動き」を見てゆくことにしたい。
世界が激変する懸念 二つの大きな連合の出現がもたらすもの
ロシアによるウクライナ侵攻から24日で2年を迎える。今後について専門家はどう見るのか。米ジョンズ・ホプキンス大教授で米シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」の戦略研究の議長も務めるエリオット・コーエン氏は、ロシアや中国などの連合がさまざまな紛争で助け合う事態に懸念を示す。
米国はロシアがウクライナに侵攻した前後は素晴らしい対応をした。機密情報を積極的に同盟国などと共有し、何が起きるかを正確に伝えた。ただ、実際の軍事支援では消極姿勢が目立った。供与する兵器や軍装備品の種類や量はウクライナが求めるものと違った。高機動ロケット砲システム「ハイマース」などの強力な兵器を供与するタイミングも遅すぎた。ロシアの反応を気にしすぎたからだ。もっと積極的かつ効果的に対応していれば現在の戦況は違っていただろう。
戦争の戦略的な目標から言えば、ロシアは既に敗北している。ウクライナ人はロシアを永遠に憎むだろう。かつて同じ国家だった人々が憎悪の感情を抱き続けることはロシアにとって大きな損失だ。欧米の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)は拡大し、ロシアが望んできた西側諸国との経済的な強い結びつきもなくなった。ロシアは中国との関係強化に努めているが、従属的なものになる危険性もはらむ。
誰もが持つべき大きな懸念は、世界に二つの大きな連合が出現したことだ。一つはロシア、中国、イラン、北朝鮮による連合だ。南アフリカなどの国々からも一定の支持を得ている。もう一つは、米欧の民主主義国家に日本、韓国、オーストラリアなどを加えたものだ。この構図は今後も続く。前者の連合に事実上の同盟関係が生まれ、さまざまな紛争で助け合う方向に進めば、世界は激変する。
中国はウクライナ侵攻から教訓を得ている途中だ。残念ながら核の脅威が有効だと認識しただろう。ロシアが核の使用をちらつかせたことで、米国が抑止されたと考えているからだ。また、台湾を占領するのであれば最初の1週間以内に政府を制圧するのが非常に重要だと学んだだろう。
ウクライナ支援に懐疑的なトランプ前米大統領が仮に再選されても、予測不可能でロシアの利益になるかは分からない。ただ、ウクライナ支援が滞れば、同盟国などは米国は頼りにならないと考えて軍備強化などの「自立」を考えるだろう。ロシアはあらゆる戦争犯罪を繰り返しながら隣国を理不尽に一方的に侵略した。ロシアの野望を打ち砕くことは、力によって国際秩序の変更を考える他国への警告になる。【聞き手・鈴木一生】
毎日新聞 20240223
https://mainichi.jp/articles/20240222/k00/00m/030/431000c
毎日新聞の割には、なかなかまともな記事が出てきたのではないか。
さて現在の世界は、この記事にあるようにというかアメリカのCSISが言っている通りに、「全体主義の国」と「民主主義の国」の二つの陣営に分かれている。この「別れて戦っているとき」こそ陰謀が生まれる。
第二次世界大戦後、世界は「共産主義の国」と「民主主義の国」というように二つに分かれた。共産主義が東側諸国・ワルシャワ条約機構となり、民主主義の国が西側諸国・NATOというような感じになった。1991年の旧ソ連崩壊によって、2022年のロシアのウクライナ侵攻まで、基本的には一つの世界になっており、世界を二分するような対立は少なくなった。実際は2014年の一帯一路を言い出したごろから中国は「米中二大強国制」を主張し始め、太平洋を二分して支配するというような、旧ドイツのハンスホーファーの地政学に出てくるような経度による分割統治を考えていたようである。このころから中国の習近平政権はロシアを無視して自分の国が軍事大国になるということを目標にしていた。
しかし「大国になるまでは戦争はしない」というようなことから、台湾や日本に対して「戦狼外交」をしながらも、実際には戦争はせずに軍備増強を進めているに過ぎない。
そのような中でロシアがウクライナに侵攻したのである。中国派ある程度「大国化」つまり「対米工作」を行っていた中でのロシアの軍事行動であった。実際には、ロシアは2014年のクリミア半島併合のように簡単に終わると思っていたが、ゼレンスキー大統領が思った以上に頑強に抵抗したことが問題であった。
このことから「ロシアの正当性を信じる」か「ウクライナの正当性を信じる」課ということで、二分化する。要するに国連における拒否権を有する大国が戦争を起こした場合、その大国が拒否権を使うことによって、国連では決議が出ないことになる。そのことから、国連では、解決ができずに「二分化したまま」の世界が出現する。
ここに他の二分化が賛同する。
まさに日本の「南北朝時代」のように、中央で天皇が南北朝で分割し、その各天皇に、武将が付く。ここまではよくわかるが、それ以外の地域と全く関係ないところが「あそこが北朝についたから、うちは南朝にしよう」と、南朝と北朝の正当性などではなく、近所の嫌いな奴があっちについたから、こっちはもう一つのほう、というような二分化が開始される。ここにイスラエル=ハマス戦争も出てしまったので、その二分化がよし一層明確化するというような状況になってくるのではないか。
このように二分化してくる、特に「冷戦」になると、様々な陰謀が生まれる。「陰謀」は「勝つため」に行うのである。その「勝つため」の陰謀が、まさに今繰り広げられているということになる。
「中国はウクライナ侵攻から教訓を得ている途中だ。残念ながら核の脅威が有効だと認識しただろう。ロシアが核の使用をちらつかせたことで、米国が抑止されたと考えているからだ。また、台湾を占領するのであれば最初の1週間以内に政府を制圧するのが非常に重要だと学んだだろう。」<上記より抜粋>
中国が台湾を占領しようとしていることは、何でも習近平国家主席が明言していることからも明らかだ。その時にこのような分析をすることが、何が次にこな割れるのかを見る資料となるのである。