教養講座 芸術の因数分解 2024.02.25 23:05 2月4日(日)隣組のホールにおいて、桜楓会の教養講座「芸術の因数分解」が開かれました。参加者は会員と会友を含めた47名で、講師は昨年の4月(第1回)と同じく広報役員の丸尾が務めました。数学における因数分解のように、さまざまな要素を組み合わせてできた作品をいくつかの部分に分解(注目)して鑑賞していくという意味のタイトルに、ずいぶん難しいことを話す会だろうという印象を抱いた方もいらっしゃったようです。しかし、取り上げた作品は必ずしも芸術作品ばかりではなく、それを分解や分析をしながら鑑賞する作業も、「ことわざ」や格言や文芸、あるいは映画やポピュラー音楽(Jポップ)、時事的話題など多岐に亘って援用しながら進めてまいりました。あれから少し日が経ちましたが、熱心にメモを取りながらお話を聞かれていた方々のお姿が、今でも目に焼き付いています。また、いくつもの好意的なご感想やメッセージをいただきましたことに、この場を借りてお礼申し上げます。3回目を希望されるお声も頂戴しております。そちらについても今後検討していきたいと思います。最後に、快く会場をご提供くださった隣組の皆様にも心よりお礼申しあげます。ありがとうございました。参考までに、当日ご紹介した主な作品名や作者名などを挙げておきます。西洋絵画アルノルフィーニ夫妻の肖像 ヤン・ファン・アイク両替商とその妻 クウェンティン・マサイス鏡のヴィーナス ベラスケス 四季 アルチンボルドサビニの女たちの略奪 プッサン 浮世絵の模写 ゴッホ 接吻 ダナエ 金魚 ブロッホバウアーの肖像 クリムト日本画紅白梅図屏風 尾形光琳 神奈川沖浪裏 葛飾北斎みかけはこわいがとんだいいひとだ 歌川国芳20世紀 日本美術長谷川潔 草間彌生 松井冬子20世紀 アメリカ美術アンディ・ウォーホール ロイ・リキテンスタイン キース・へリング ロバート・メイプルソープ 文芸 郷愁 三好達治Jポップ 花~メメント・モリ Mr.Children 映画ヴィーナス ピーター・オトゥール主演 崖の上のポニョ 宮崎駿クラシック音楽ワルキューレの騎行 リヒャルト・ワーグナー交響詩「海」 クロード・ドビュッシーマ・メール・ロワ モーリス・ラヴェル 参加者の感想〇今回もまた素晴らしいレクチャーを本当にありがとうございました。時代や東西、絵画と音楽の間を自在に行き交う該博な知識の海原を漂わせていただくという、得も言われぬ心地よさに酔いしれました。家族も大変に楽しませていただき、帰宅後に早速様々調べ始めておりました。素晴らしいレクチャーや展覧会、演奏会は、その後の関心の深化にとってのきっかけになるものだと思いますが、昨日もまさにそのような経験となりました。ご準備を含め本当にお疲れ様でした。〇今日は素晴らしい講座をありがとうございました。前回にも増して良かったです。資料の左右の対比、それから絵画とマーキングを重ねたり消したりのビジュアルも、とても理解しやすかったです。ジャポニズムは特に面白かったです。ここまで浮世絵が欧州の大画家達に影響を与えているとは驚きです。雨を線で表現する浮世絵は素晴らしい。浮世絵と西洋絵画の中に、共通の三角形を見つける話が良かった。ダ・ビンチの「最後の晩餐」にも、きれいな三角形が見えます。途中、何度かビートルズのエピソードを挟んでくれて嬉しかったです。講座のカテゴリー分けが多くて、とても歯切れ良く、次々と新鮮なテーマに移って行くので退屈しませんでした。資料作り、ご苦労様でした。丸尾さんの声も良かったです。いい時間でした。〇今回も多岐にわたってのお話しに感銘、感心いたしました。因数分解というタイトルがよく分からなかったのですが鑑賞は分解・分析することと聞き、なるほどと思いました。普段は感覚だけで鑑賞していますが、美術館でaudioを借りて聴きながら鑑賞しますと、よく分かるのは分解・分析してくれているからですね。江戸琳派はすごい芸術だと思います。俵屋宗逹、尾形光琳、酒井抱一まで百年の隔たりを経て、同じ「風神雷神図」を描いたなんて、こんな例が世界にあるでしょうか。私は何故か光琳より酒井抱一が好きです。楽しい午後のひとときでした。〇私は「生と死」についての話が印象的で、いつか皆死ぬのだと思うと、今生きていることがとても素晴らしいことで、今の時間を大切にしないといけないと改めて思いました。また、私はドビュッシーのピアノ曲が好きなので、浮世絵の話や、日本との繋がりについても学ぶことができて、嬉しかったです。また、美術や音楽の作品は文字で書かれていなくても、絵やメロディなどを通して、色々な感情や情景が伝わってくるので、作者の考えをひもといたり、どのような作品なのか想像したりしていくことも、面白いと思いました。〇絵画芸術の味の濃いお話しに感動しながら聴き入る有意義な午後でした。去年の講演会は、「展覧会の絵」など、直接に音楽と関係を持つ課題でしたので、音楽と上手くマッチした良い講座でした。昨日は、性-命-死、花の命、海-母、準備万端の心のこもったお話で聴衆の心をギュッととらえていました。最後にラヴェルの「マ・メール・ロワ」の最終楽章を持ってきた丸ちゃんの音楽理解に脱帽しました。あの曲で会を終了するなんて最高の贅沢品ですよ。手品師の最後みたい! Well-Done, BRAVO ! おめでとうございます!〇先日は楽しい講座を開催して下さり、ありがとうございました。「芸術の因数分解」と難解そうな題名だったので、私などに果たして理解出来るのかな?と少々不安を抱いて赴いたのですが、実に分かりやすく、眼から鱗のお話の連続で、とても良い勉強が出来ました。K君(生徒)が、丸尾先生の授業は楽しいと言っていた理由が、よく分かりました。〇二時間お話を拝聴して思ったのは、「〜といえば・・・」と続いていく丸尾先生のお言葉に、どんどんガイドされながら旅をしているような気持ちになったということです。いろいろな芸術の扉を開けて、中に導いてくださるようなそんな楽しい旅でした。アムステルダムのゴッホ美術館では、ゴッホの作品と浮世絵が並べて飾られていました。ちょうど本日、丸尾先生が見せてくださったものでした。丸尾先生の教養講座は、私のカナダライフの中で、気持ちをアップリフトさせてくれるワインのような存在です。もしかして、第三弾があるでしょうか。