商標審査基準が改訂されました
令和5年6月14日に公布された「不正競争防止法等の一部を改正する法律」に対応するため、商標審査基準が第16版に改訂されました。
商標審査基準〔改訂第16版〕は、コンセント制度の導入、他人の氏名を含む商標の登録要件緩和などに関する改正商標法の施行に合わせて、令和6年4月1日付けで施行されます。
商標法では、他人の登録商標(以下「先行登録商標」といいます。)又はこれに類似する商標であって、当該商標に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似するものについて商標登録出願をした場合には、商標登録を受けることができない旨が規定されています(商標法第4条第1項第11号)。
コンセント制度は、改正商標法第4条第4項に新設される制度で、第4条第1項第11号に該当する商標であっても、先行登録商標権者の承諾を得ており、かつ、先行登録商標と出願商標との間で混同を生ずるおそれがない後行の商標については、併存登録を認める制度です。
商標審査基準〔改訂第16版〕では、第4条第4項の審査基準として、「承諾」や「混同を生ずるおそれがない」ことの判断方法等が示されています。
また、改正商標法では、第4条第1項第8号における「他人の氏名」に一定の知名度の要件と、出願人側の事情を考慮する要件(政令要件)が課されることになりました。
このため、商標審査基準〔改訂第16版〕では、第4条第1項第8号の審査基準として、一定の知名度の要件に関する項目と政令要件の項目がそれぞれ追記され、一定の知名度の要件を判断する際の留意点や政令要件の具体例が示されています。
商標審査基準〔改訂第16版〕は、令和6年4月1日以降の出願に適用されます。
改正商標法は、令和6年度の弁理士試験の出題範囲です。このため、改正商標法に対応する商標審査基準〔改訂第16版〕の内容も出題範囲となります。弁理士試験を受験する方は、商標審査基準〔改訂第16版〕、特に改定された部分について、目を通しておきましょう。
商標審査基準〔改訂第16版〕
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/trademark/kijun/document/index/00_all.pdf