【コラム】「残り2枠を巡る戦い」いよいよ始まる。
「残り2枠を巡る戦い」いよいよ始まる。
リーグワン再開を2日に控えた3月1日、CTBチャーリー・ローレンスとWTB髙橋汰地が会見を行った。
競争の激しいポジションで出場を続け、15人制代表スコッドキャンプにも名を連ねた2人。いずれも神戸Sとは縁がある。
髙橋汰地の父・晃仁さんは伏見工出身、神戸製鋼でWTBとして活躍した。息子は常翔学園、明大を経て「(神戸加入を)迷ったが、父のコネを使ったと思われたくなかったので」(笑)、違う道を歩んだ。
今季、デイブ・レニーHCが就任した神戸を「パスの使い方がうまい。隙をついてくる」と警戒する。
「力強い外国人選手がいて、パススキルの高い選手が揃っている。一人ひとり前に出て止めて、スペースを与えないようにしたい」
前節の三重ホンダヒート戦で3トライを挙げたが、神戸Sでも目指すは3トライだ。
チャーリー・ローレンスにとって神戸は2018~19シーズンに所属していた古巣。香港生まれ、十代をNZハミルトンで過ごし、高校時代はセブンズで活躍。15人制でのプロ志望だったが、夢はかなわず、卒業後1年間は港でコンテナの仕事をしていた。そこに当時、神戸を指揮していたウェイン・スミス氏から誘いを受けて来日した。
「初めて日本に来た時から日本代表になるのが夢でした」
20年度シーズン、トヨタに移籍。
昨季は11試合に先発した。リーグワンチームで活躍する外国人CTBは、サイズとフィジカルで売る選手が多いが、チャーリーは170㌢。
CTBとしてずらしたり伸びたり、細かな動きや小技を活かした技巧派として頭角を現してきた。
「ゲームプランと私のラグビースタイルの相性がいいのだと思います。スキルセット、スピードを活かせている」
一選手として、出会いの運も持ち合わせている。神戸ではアンドリュー・エリス&ダン・カーター、トヨタではアーロン・スミス&ボーデン・バレットと、稀代のHB団から様々なことを学んでいる。
「勝つために何が求められるか、DCから学びました。そしてトヨタに来て全く同じインパクトを、アーロンとボーデンから受けています」
髙橋もチャーリーも、神戸S戦勝利のカギは「ディフェンス」と口を揃える。
神戸Sはトヨタと同じく4勝3敗。勝ち点もともに19、得失点差でトヨタが3点上回り、5位と6位に位置している。デイブ・レニーHCは前節のBR東京戦後の会見で「4強のうち二つは埼玉とBL東京でほぼ決まり。これからは残り二つの枠を巡っての戦いだ」と断言している。
リーグワン前身のトップリーグ、その前の関西社会人リーグ時代から激しい戦いを繰り広げた両チーム。今回は4強を目指す上で互いに絶対に落とせない、死闘になる。
(写真説明)
埼玉WKのディラン・ライリー、静岡BRのマロ・ツイタマと並び、7トライでトライランキングトップを走るWTB髙橋汰地
CTBチャーリー・ローレンス。神戸S前のオフ期間は、スコットランドから来日した友人と会っていたという