中学生高校生に知ってほしい教育のこと~勉強することの意味~
最終更新:2019/2/5
なぜ学校の勉強がつまらないのか
「学校の勉強なんて何にも面白くないよ」
と、ぼやきたくなることはありませんか?
私は学校の受験勉強が嫌いでつまらなくて仕方なかった人間の一人です。
「大人になったら、もっと勉強しておけば良かったって思うよ」とは親や兄弟の常套句で、そんなの子供の時分にゃ分からんよ、と思っていたらホントに大人になるとそう思うのが不思議です。
話を戻して、どうして学校の勉強がつまらないのか。
それはみんなの将来のためではなく受験のために、個性のためではなく規律のために、日本のカリキュラムが構成されているからです。
勉強は本当は楽しいもの
興味があることで自分が知らなかったことを知った時、とても嬉しい気持ちになりませんか?
例えば、ゲームの攻略法でも構いませんし、好きな異性の好きな食べ物、流行っているアプリで人気者になる方法でも良いでしょう。
そういった新しい「知」を得た時に、幸福を感じるように人間の心はできています。
知識を学んだ後に、自分で使いこなすことが知恵であり、それを教えてくれるのが本当の学び舎の姿です。
ところが、今の日本の教育はそうした本来の教育よりも規律と周囲への適応を目指した均質的な教育を主としています。
日本で天才が育ちにくいのは、ずば抜けた子をさらに伸ばす制度がないからです。
勉強が得意な方、みんなが解き終わるのを待たずにドンドン先に進みたいと思ったことはありませんか?
また、勉強が不得意な方、自分が分からないのに次の問題に進んでしまい、置いて行かれて、勉強自体が嫌いになったことはありませんか?
勉強が退屈に感じてしまうのは、勉強自体がつまらないのではなくて、学校の教え方が良くないということを忘れないでください。
ひとりひとりが一生懸命考えた自分だけの答えを大切にすることが、あなたの本当の心と知恵の成長に繋がります。
それを否定して、先生や教育機関が正しいとする答えを、子供たちに詰め込むのが、残念ながら今の日本教育の形です。
現代の学生に求められていること
知らないことを知る喜びは、勉強することが可能な日本の皆さんだからこそ得られる贅沢であり、残念なことに世界ではその幸福を得られずに労働せざるを得ない子どもたちがほとんどです。
確かに、学校の勉強は退屈と感じてしまうかもしれませんが、自分のやりたいことが将来見つかった時に、それを手に入れる方法を知らないばかりに、チャンスを逃してしまったらもったいないと思いませんか?
InstagramやTikTokなど楽しいアプリ繋がるアプリが沢山あるし、友達と街を歩いたりカラオケする方が断然楽しいのは百も承知です(私もそうでしたから)。
ただ、楽しいだけではいけないということも心のどこかで分かっているはずです。
そこで、自分が興味がある分野を見つけてみてください。
そのためには本を読んでください。
まだ行動範囲が広くない若者に、外の世界を知的に示してくれるのが本です。
youtubeやtwitterなどはどうしても娯楽へ目が向きがちです。
自分の人生のために自分が興味をもてること、一生懸命身に着けたいことを、あなた達の頭に立っているアンテナがビンビンの今こそ見つけてください。
なぜなら、歳をとるごとにそのアンテナは鈍ってしまうのです。
10代と60代では、南極大陸を探検した時に得られる感動の量も、そこから得られる教訓の質も大きく異なるのです。
多感で敏感な今のうちに、沢山の興味を持って、色々な経験をしてください。
心の中の本音を大切にして、そこから生まれる「〇〇をやってみたい」という気持ちのままに行動して、失敗を重ねて、親や教師の答えをもらわずに自分で創意工夫してください。
学校の勉強をおろそかにしないこと
「学校の勉強は将来の役に立たない」という言葉は私が学生の頃から言われています。
それは半分正解で半分が間違いです。
実体験だけでなく、目上の方や新社会人を見ていて感じるのは、学校の勉強でしっかり身に着けておくべきこと、将来の役に立つことは中学生の内容まで、つまり義務教育の範囲までです。
国語なんて何も役に立たない、理科は将来使わないと言う学生の方も多いことでしょう。
では、それぞれの科目がどんなことに役立つかをお話します。
国語:日本語の読み方と漢字は何歳になっても使います。人に物事を説明したり、手紙を書く時の文章の構成も全て国語から学ぶことができます。国語ができることで、会話をする相手を楽しませたり、思いを伝えるのが簡単になります。
数学:これは最も大切です。現代社会は数字で形作られています。数学ができることは、買物の金額、旅行の所要時間、ダイエットのカロリー計算など多岐に渡ります。大人になってからは、あなたのお金を狙う人が非常にたくさんいます。その時にすぐに相手の甘い誘いがおかしいか気づくのも数学力です。電卓があれば良いと思っている方はすぐに改めてください。
英語:今もこれからも英語は必須です。先進国で英語がこれほど話せない国は日本だけ、という危機感をもちましょう。学校の文法を学ぶことで、基礎単語は十分にまかなえます。大人になって、あなたの世界が広がると必ず外国の方と関わることがありますし、そこから様々な世界を知ることで、人生を豊かにすることができます。
理科:融点や昇華の意味、宇宙の原理、酸性とアルカリ性の区別、暮らしに直結しない知識ばかりと思いますか?全てがあなたの生活を構成する要素です。興味が湧きませんか?世界はあなたの知らない未知で溢れているのです。
社会:「日本人なのに日本の歴史を知らないの?」と言われることは恥と思いましょう。あなたの存在は、過去に何代ものご先祖様が歩んできた歴史があり、彼らが築いた時代はとても参考になります。地理は観光地や特産物を知れるし、電車に乗るとき役立ちます。公民は、難しいと思いますが、政治の仕組みを知ることで、大人になってから困った時に助けを求める場所を知ることができます。
体育:体は一生の友達です。この大切さに説明はいりませんね?
音楽:かつて、人が身につけるべき素養に六芸と呼ばれるものがあり、その一つが音楽でした。音楽は人の心を豊かにします。また、音楽は世界のどこでも共通して、言葉以上のコミュニケーションに繋がります。
美術:音楽同様、こちらも人の内面を表現する科目で、心の成長にとても重要です。絵を描くことが好き、楽器を弾くのが好き、それでいいのです。楽しいなと思えることを是非続けてください。
家庭科:日常生活で役立つ様々な実務を学べます。専門学校でない限り高校以降に学ぶことはなく、「ここでしか学べない」チャンスを楽しみましょう
おわりに
話が膨らみ過ぎましたが、私が伝えたかったのは、みんなが考えるつまらない「勉強」っていうのは15歳までで十分です。
義務教育の範囲を押さえておけば、社会人として働くことに全く問題ありません。
そこからはあなたが学びたいことを見つけて、世界を知ってください。
本来、高校や大学とはそういう場なのですが、やることがないからとりあえず進学する、というのが日本のお決まりのパターンになっています。
人と違うことを恐れないで、沢山の道をみつけてください。
テストで20点しか取れなくても、いじめを受けていても、内申が1と2しかなくても、どんな人でも叡智を得る機会は平等ですし、私が保証します。
あなたが知りたいことを見つけて、それを学び、そこから喜びを得られることを心から願います。
今より上を目指したい方へ(追記:2019/2/5)
「あなたという人間は何者ですか?」「あなたがやりたいことはなんですか?」こう聞かれた時に即答できる意志をあなたはお持ちでしょうか。
"やりたいことは大学に行ってから見つければいいよ"、"若いうちに遊んでおきな"、こんな言葉に惑わされてはいませんか?
成人式が20歳で行われ(これから18歳になると予想される)、その時点で精神が成熟している人がどれほどいるでしょうか、テレビに映る大人たちにどれほど尊敬できる人がいるでしょうか。
確固たる自分をもつ力が少ないのが日本人の特徴であり、それが世界のトップレベルとの差です。日本の大学生は、大学時代を人生の最後の遊び期間と思って遊び惚けていますが、同年代の米英のトップレベルの大学では人生で一番勉強する期間が大学生という位置付けです。日本でハイレベルな早慶や東京大学に入るのと、英のケンブリッジや米のハーバードに入るのとでは、同じ大学でも全く意味が異なるのです。
13歳で成人とみなされ、結婚も出来て、一人前とみなされる社会が存在します。大人とみなされるということは、当然、大人が果たす責任も負うことになります。その社会ではノーベル賞を獲得した人数がずば抜けており、ハリウッド映画を始めとする超有名企業の創設者もその社会出身が多いです。
また、インターナショナルスクールにて、14歳の少年に将来何をしたいか尋ねたところ、「科学者になって、人々のために世界の謎を解明したい」とは彼は答え、実際にそういった進路選択を自分の意思で行っていました。自分で進路を決める力と、人に尽くすホスピタリティを彼は14歳にして持ち合わせていました。
これらの例を挙げた理由は「今のままではダメだ」という危機感をあなた方に抱いてほしいからです。
"皆よりできているからもう大丈夫" "周りがまだやってないから僕もやらない" こうしたあなたの歩みを止める考えは今すぐ捨ててください。
本当のあなたは今考えている以上の力があり、もっと幸せになることができるのです。
もしかしたら、あなたは学生オリンピック優勝者であったり、10代で起業した大金持ちかもしれません。
それでも、常に磨くところがあるのが人間であり、学ぶことを多くあります。
あなたの心の内から湧き出る本当の気持ちを大切にすること、決して歩みを止めないこと。
その2つを忘れないでください。