ハイエンドオフロードカーの開発プロセス
皆さん、こんにちは。
RC営業担当の坂本です。
毎週水曜日はRCカーの話題をお届けいたします。
早いもので、気がつけば今年も残すところ2ヶ月をきってしまいました。
2018年に入り、今日まであっという間に時間が過ぎていったように感じます。残す年内も京商は続々とRC新製品をリリースしていきますので、楽しみにしていただければと思います。
そんな年内に発売される新製品のひとつ。今月11月に全国一斉出荷される『レーザーZX7』という製品があります。
このマシンは、主に競技ユーザーをターゲットに開発された1/10スケールの電動4WDオフロードカー。私自身も京商に入社以降、ずっと電動オフロードカテゴリーのレースに参加しており、このレーザーシリーズは入社以降、ずっと愛用し続けております。入社した14年ほど前の当時はZX-5だったのを懐かしく思います。
定期的にアップグレードを繰り返し、このたび、各部のアップデートと最新トレンドを盛り込み『ZX7』としてモデルチェンジを果たしました。
私自身もこのマシンを使用し、今月末から開催されるJMRCA全日本選手権に参戦します。期待していただけに、開発段階からとても興味のある1台だったのはいうまでもありません。
このレーザーのように、いわゆる”競技モデル”として扱われる製品は、レースで戦ううえで高いアドバンテージをかせげるように、当然のことながら走行性能を徹底して追求します。シャシーやボディは、見た目よりも第一に走行性能や空力を意識したデザインを取り入れます。
コーナリング性能、ジャンプの安定性、耐久性など、“走り”に関わる部分はひとつひとつ徹底した開発とテストを繰り返し、各部の仕様が決定されていきます。走行性能面以外にも、例えば細かいセッティング変更やマシン分解を繰り返して行うことが多いレースカテゴリーがゆえに、比較的少ない作業工程で各部が分解しやすいよう、メンテナンス利便性などにも工夫を凝らしてつくられます。
マシンコンセプトの考案から試作テストを繰り返し、長い年月をかけてようやくカタチになったレーザーZX7。このマシンの開発に携わってきたのが、下の写真の人物”秋元 宏太”氏です。
京商のホームページや製品パンフレットをはじめ、RC専門誌にも時折姿を見せる日本のトップRCドライバーのひとり。京商が展開するRCレースチームの最高峰、”TEAM KYOSHO INTERNATIONAL”に所属する日本人選手の1人であり、国内や海外のビッグレースに積極的に出場しております。
彼は電動カテゴリーに特化しており、活動範囲は1/10電動オフロードカー、1/10電動オンロードツーリングカーをメインに活動。年齢はまだ20代でありながら、RCキャリアは15年以上と長く、古くからRCカーに親しんでおります。
現在はレース活動を行いながら、自身がドライブするマシンも自分で開発するという業務的立場で、多忙な日々を送っています。今年7月に発売した2WDのモデルチェンジマシン『アルティマRB7』も彼が考えたコンセプトのもとに手がけた1台。
先にも述べましたが、レースを意識したマシン開発は妥協することなく続けられてきました。私は電動オフロードカーを通じて、秋元選手とともにサーキットでの練習やレースに一緒に参加する機会が多く、同じピットでよく話し合いながら進めていくことが多いです。
全日本選手権では優勝経験もある秋元選手。当然のことながら、私は彼に到底勝つことはできません。ドライビングテクニックやセッティングノウハウ等をお互い話し合う機会は多いですが、私のほうが学ぶ割合が大きいのが事実です。
テストや練習は常にストイックに取り組むスタンスで、私の走らせ方やセッティング方向性のよくないところは、わかりやすく明確に指示してくれるため、自分の気づかなかった点を見い出すうえで助かっています。選手権直前時はけっこう厳しかったりもします(笑)。
レーザーZX7はレースでのアドバンテージを得ることをターゲットとしたマシンですので、当然“速く”走れることを目指して開発されますが、決してそれだけではありません。購入いただいたお客様のレベル層もさまざまです。レースを目指すだけでなく、純粋に走りを楽しみたい方もたくさんいらっしゃるのが実情です。速いだけでなく、安心して楽に走れるマシン、そして耐久性にも考慮したマシンづくりにも徹底します。
ドライバーと開発を兼ねる秋元選手は、コース上を走らせているマシンの走りも常にチェックしております。それは、自分のライバルのような速いドライバーだけでなく、ビギナーの方が走行されている時などさまざま。「他人の走りを見て、ヒントになる部分もたくさんある」と言います。
競技を意識したマシンは進化に終わりがありません。さらなる性能アップを目指し、考えを膨らませていきます。メイク&トライで失敗と成功を繰り返しながら、次なるモデルへと繋げていくことを長年にわたってトライしております。
このブログを書いている時は、ちょうどレーザーZX7の出荷直前の最終段階でのテスト。私も同行し、キットに含まれるパーツの性能や強度の最終チェックに加え、今後の展開として予定している一部オプションパーツの走行テストなど、一緒に行ってきました。この時はテストメニューがてんこ盛りだったため、下の写真のように私のピットはゴチャゴチャに……(笑)
このモデルに行き着くまでには数えきれないほどの試作品の製作と走り込みを行ってきました。ZX7の開発スタートは、実は2年近く前から着々と進行してきたのです。
秋元選手をはじめ、そのコンセプトをもとに実際に図面を作成したデザイナー、出来上がった部材の品質管理の担当者等、キットが出来上がるまでには多くのスタッフが関係し、皆でしのぎを削って作り上げました。
この日の最終量産型マシンは、シェイクダウン走行から最高のパフォーマンスを発揮してくれました。その時に実際に秋元選手の走行シーンを撮影しました。場所は今年全日本選手権が開催される茨城県の“谷田部アリーナ”さんです。ハイグリップカーペット路面という走行環境において、抜群の速さと安定感を実現した新型レーザーの走りとなります。
昨年度の全日本選手権では2WDクラス2位、4WDクラス3位と、優勝に一歩届かず悔しい結果となった京商チーム。タイトル奪還に向けて仕上げております。私自身もこの日同じマシンをドライブしましたが、従来モデルよりも“扱いやすさ”がより向上され、気持ちよく、そして楽にドライブできるのが印象的でした。シェイクダウンも好感触だったので、今から全日本選手権が楽しみです。
今回のブログでは普段なかなかお伝えすることのない、競技モデルの開発プロセスの一部をご紹介させていただきました。
電動オフロードカー全日本選手権まであと少し。京商が満を持してリリースするハイエンドマシンの活躍をどうぞご期待ください!
本日のブログはRC営業担当の坂本でした。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。