手仕事『パレットナイフ』
パレットナイフといえばケーキに生クリームやムース作り、パンにバターやマスタードを塗ることを想像してしまいますが、スイーツに使うだけでは勿体なく我が家ではクルセルを使用する場合やパテやソースを塗る場合にいかに綺麗に塗るかということを子供達にさせていた道具です。学びは目に見えない自分自身の能力を高める方法もあれば、視覚重視の美しさに気を使い如何にスマートで洗練されたものを表現するかということも大切なことだと考えています。
例えば老舗旅館へ宿泊するとものすごく美しい室礼や行き届いた庭園など、そして日本食の視覚で堪能できる美しさはプロ意識の高さを感じ、日本の伝統的な食文化である発酵食品を味わう至福の時間を味わいました。無添加のものを子供に与えようという母心は最終的には発酵食品に至り、その食育のお陰で子供達も発酵食品にはまり銀鱈の西京漬や鮭の味噌粕漬けを自宅で子供達と作り、今回は一緒に作ったレシピを使用したマグロの味噌粕漬けを取り上げます。材料は以下の通りですがより甘さが欲しい方はみりんをお好みで追加してください。
調味料の重さを計りで測るのも数字を読むことの練習になりますし、分量をスケールに乗せるのもモータースキルを鍛えることにもなります。また材料を手で混ぜ合わせることは触覚をだけでなく、酒粕の香りや味見をして嗅覚や味覚に刺激を送り多くの情報を脳に伝達することができます。
出来上がった味噌粕はパレットナイフを使用しマグロに塗っていき、この動作が上手に行えるようになると柔らかい生クリームをスポンジに塗ることが容易にできるようにもなります。
全ての面に味噌粕を塗った後はラップに包んで最低でも2時間漬けて下さい。一晩冷蔵室で寝かせるとより一層味が浸透します。
焼くときにはフライパンにアルミホイルを敷き軽くオイルを引いてから味噌粕を簡単に削いだマグロ漬けをのせて焼いていきます。水で洗い流すと旨みが全て逃げてしまうので流さないようにしましょう。刺身用のマグロを使用すると表面を焼いただけのレアで美味しくいただけます。
そのままでも美味しくいただけますが、茗荷や紫蘇のみじん切りを添えて味の変化を楽しんでも良いでしょう。ちなみにマグロから削いだ味噌粕はネギやニラ、ニンニクなどを刻んで少し焦げ目を付け焼くと日本酒の肴として味わうことができます。