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口話法って何?どんな訓練?(質問から)コラムNo2 (Reem Mohamedさん)

2016.02.08 08:09

先日のコラムを読んで頂き、ありがとうございました。

我ながら、拙い文章だな、と読み直しては反省しきりです。

ところで、いくつか質問を頂いたので、今日はこの質問とその回答を載せようと思います。

そのあとに、聞こえないお子さんをお持ちの健聴のお父さん、お母さんにぜひ読んで欲しいなと思うことがありますので、そちらもぜひご一読下さい。

<質問>

Reemさんの聴力はどれぐらいですか?

<回答>

110DBです。スターキーの耳穴式の補聴器を両耳に装備しています。

補聴器がなかったら、戦闘機が飛んでいるのもわからないです。

※デシベルについては、こちらをご覧下さい。

http://macasakr.sakura.ne.jp/decibel.html

<質問>

口話での教育とはなんですか?

またどのような訓練がありますか?

<回答>

これは、各地のろう学校によってまちまちですが、私の経験を書きます。

簡潔に書きましたが、分かりづらかったら申し訳ありません。

発音の訓練ですが、まず母音の「あ」「い」「う」「え」「お」を徹底的に訓練します。

これがうまく出来ないと、子音が加わった発音がうまく出来なくなるので。

次に子音の訓練になりますが、舌がどういう風になっているかを絵か先生が口の中を見せてくれてそれを真似してやるというパターンにいきます。

まず、子供たちの手をとって、先生がその手を胸に当てます。(セクハラでは無いw)

そして、振動と口の形で子供たちは学びます。

「か」行は、人差し指をのどのところに持っていきます。

「さ」行は、片手を(甲を上にして)唇から手前のところまで志村けんのアイーンの逆パターンに流します。

「た」行は、舌の上に間違っても飲み込めるような薄い溶けるお菓子を置いて、それが上にくっつくようになるまでやる。

「な」行は、人差し指を鼻に当てます。鼻に振動がくるまでやります。

「は」行は、縦に切ったティッシュの紙切れ(幅は2cmぐらい)を口の前に置いて、それが息によって前に動くことを理解して、そのようになるまでやる。

「ま」行は、ほっぺたに手を当てて、そこが震えるかどうかで繰り返しやる。

「や」行は、唇の動き、舌はどこにあるか?を見て真似していく。

「ら」行は、舌の動き、舌の先に前述のお菓子を置いてそれがどこに当たったかを言いながらやる。

「わ」「を」「ん」これは、唇の動きとか、どこが震えているかを指で当ててやる。

発音の訓練は、このような感じで次が「聞き取り」の訓練。

これは、先生が黒板に例えば「りんご」「みかん」「バナナ」とか絵と文字を書いて、唇を紙で隠して何を言ったかを当てる練習。

間違えれば、正解が出るまで続きます。

「言葉」をどのようにして覚えたのか?というと私の家には、あらゆるものに言葉が書かれた紙が貼ってあって、例えば、壁には「かべ」、花瓶には「かびん」。

本当に貼り紙のない所って無かったように思う。

全部、本当に理解出来たのか?と母も怪しい、、、、と思っていたと思う(笑)

コラムにも出ました、絵日記は、小学部に入るまで続き、何十年か経ってこの絵日記の存在を知った先生に後輩のために、譲って欲しい!と言われ全部譲ったので手元にはないです。

まず、母が「いつ」、「だれ」○「どこ」○「なに」○「どうした」というような単語が書かれた紙を貼っていきます。

その紙の下に私が答えを書きます。

○は、「が」「は」「を」「に」とかの助詞が入りますが、これも自分で考えて書かなくてはいけません。

間違うと、「違うでしょ!」「これじゃない!」と。。。

自分の気持ちも「楽しかった」「いやだった」「悲しかった」など、これも考えて書かないといけないので、絵と感情があっていなかったら、やり直しになります。

何回も間違えると、涙が出てもうやだよ!書きたくない!!て言って鉛筆を投げては絵日記も投げていたような。。。

絵も当然描くわけだから、出来上がるのに2時間か3時間はかかっていたと思う。

あとは、図書館にほぼ毎日のように通っていたため、(私が絵本が好きでどうしても毎日のように行きたがっていた)これも大きかったと思われる。

最後に、

上とは別ですが聞こえないお子さんをお持ちの健聴のお父さん、お母さんにぜひ読んで欲しいなと思うことを書きたいと思う。

私には、5才下の妹がいます。

妹は、大変頭がよく数学や物理に大変強く何でも出来る子でした。

もちろん、親の言うこともきちんと聞いていて、反抗期というその言葉とは全く無縁で

私の親は妹のことをよく出来た子だ!と自慢していたように思います。

しかし、中学生になると突然体調を崩すようになり次第に学校に行くのが嫌だ!というようになりました。(いわゆる登校拒否ですね)

親も、この出来事にどうして?!なんで?!と妹に何回か話をしたり気持ちを聞こうとしたりしたけど、結局 妹は話しませんでした。

私は、当時 県外に住んでいたのである日親がいない時期に家に帰ったら妹がいたので、二人きりになることはあまりなかったので、「なんでだ?お父ちゃんもお母ちゃんも心配してるぞ!なんかあったのか?」って尋ねました。

すると、妹はそのうちに重い口を開けて

「うるさいんだよ!お姉ちゃんばかりいい子ぶって!!」

「なんでわからないの!!お父ちゃんもお母ちゃんもお姉ちゃんばかり見て、何があってもお姉ちゃんが、お姉ちゃんが!!!そんなことばかり!」

「例えばお姉ちゃんが門限破って遅く帰るとお父ちゃんは家の外で仁王立ちして待って、そして怒るじゃん!なのに、自分が遅く帰っても怒ってくれない!あなたは聞こえるから大丈夫だね!」

「お姉ちゃんは聞こえないんんだから!」

「そんなことばかり!!!」

かなり衝撃的で、こっちがガツンと斧で頭をやられたような感じだったのを覚えています。

このことを、親に私から話したところ、2人ともショックを受けていました。

自分では、平等に愛しているつもりが妹にはそう感じていなかった(受け取れていなかった)ということ。

それから、親と妹の間で話が行われたようですが、どういう風になったのかは私はその場にいなかったのでわかりません。

が、妹が今までそんな風に我慢というか、気持ちを抑えてきたことに少なからずともショックだったので、こういう事があったということをろう学校で講演があるたびに、保護者の方や先生たちにも話しています。

でも、妹はそれから学校に毎日通うようになり、難関の学校に進学して今では立派なエンジニアです。

このような事がありましたので、どうか思い当たる方がいらしましたらぜひお父さん、お母さん今のうちに話し合って改善していかれてみてください!!


Reem Mohamed

小学部~高等部の思い出 コラムNo3