古門戸町 那珂太郎
2024.03.07 19:00
きのうの記事のついでに、徒然と。
那珂太郎の句集『空寂』には、
博多の「古門戸町」を詠んだ句があります。
幻のはもんどおるがん古門戸町
雨の波紋はもんどおるがん古門戸町
雨の日のいくさに消えし古門戸町
ハモンドオルガンは1934年に発明されており、
のちにジャズやロックでも使われるようになりますが、
青年時代の那珂にとって、最新の楽器だったと思います。
ちなみに古門戸町ですが、
詩集『はかた』に那珂太郎自筆の戦前の博多の地図が載っていますが、
古門戸町には「日本コロンビアチクオン」、「岩田屋ラヂオ」などの名が見えますので、
ハモンドオルガンの音色は、こうしたところから聞こえたものでしょうか。
古門戸町、現在ではこのような感じです。
写真右手の方、土居通りと大黒通りに挟まれたほんの小さな一角です。
3句目にあるように、空襲で全焼してしまいましたので、
戦前の面影はありません。
昨年の山笠の時期に撮ったもの。
ちょうど古門戸町から山笠の舁き手が出てくるところでした。
懐かしいです。
どうぞ良き一日をお過ごしください。