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【OMM-トラベル】大塚和成のトラベル情報

高級魚ヒラメの大漁に満悦 薄造り、茶漬け堪能 千葉・九十九里《公式》

2018.11.13 08:11


大塚和成です!!


11/13(火) 17:00配信 朝日新聞デジタル&[アンド]

高級魚ヒラメの大漁に満悦 薄造り、茶漬け堪能 千葉・九十九里

ソゲ級ヒラメを釣り上げた筆者

【連載】太公望のわくわく 釣ってきました

ヒラメといえば、高級魚の代表格。たまに刺し身やすしでお目にかかったとしても、それだけでおなかいっぱい、というわけにはいきません。ところが、いい型のヒラメを1匹釣り上げることができれば、まるごと1匹が食卓に。刺し身や昆布締め、あらでだしを取った潮汁(うしおじる)から、洋風のムニエルまで、ヒラメ尽くしが待っています。

【写真】ヒラメの刺し身、薄造り

「寒ビラメ」という言葉があるように、旬はこれからの冬。一獲千金。釣り人の特権ともいえる「ヒラメでおなかいっぱい」を夢見て、千葉県九十九里町の片貝港に行ってきました。

10月下旬。都心から深夜の国道を走って約1時間40分。広大な砂浜が続く九十九里海岸にある片貝港に着きました。この日お世話になった船宿は「二三丸」さん。船は約15人の釣り客を乗せ、午前4時50分に暗闇の港を出ました。徐々に明るくなる海をぼんやりと眺めながら、今日の釣りを想像する。私の大好きな時間です。

目的地は東沖の「堀川根」。船は50分ほど進むと速度を緩め、いよいよ釣りの開始です。ヒラメは、生きたマイワシを使った「泳がせ釣り」で狙います。親針をマイワシの上あごにかけて、孫針を背中か腹に軽く刺す。マイワシが、海底から1メートルぐらい上を泳ぐようにして、底のヒラメがガブリと食いつくのをじっと待つのです。

午前6時過ぎ。突然、竿(さお)先がブルル、ブルルと震え出しました。危険を察知したイワシが「食べられてたまるか」と逃げているのでしょう。「食われろ、食われろ」。心の中でそう叫びながら竿先を凝視すると、グググ、グググと竿先がお辞儀。イワシを弱らせようと、ヒラメが横からガブリとくわえたようです。

でも、ここで合わせては、歯形が付いたイワシが上がってくるだけ。ヒラメがイワシをのみ込むまで待たないと、針にはしっかりとかかりません。

グググググググ、グググググググ。大きなこの引き込みが、のみ込んだ合図。

いまだ! ゆっくりと竿を立てて合わせると、竿が弓なりに。ほどなく、45センチ、1.5キロほどのヒラメがタモに納まりました。

「ヒラメ40」という言葉があるように、グググから40秒待ったとしても、グググググググまで合わせない。この我慢と駆け引きこそが、ヒラメ釣りの面白さです。

「左ヒラメに右カレイ」というように、腹側を下にして置いたときに、目が左にくるのがヒラメ。50センチ以下はソゲといいますが、とにもかくにも1匹釣り上げることができて、ほっと一息。

千葉・外房のヒラメといえば、冬は1人1匹釣れるかどうかの魚です。でも、水温がまだ高く、ヒラメも元気に動き回る秋口は別。いい日に当たったようで、この日は何本もの竿が同時にしなることもありました。タモ入れを担当する小倉忠船長の「先着順ね」という声も弾みます。

結局、船全体では0.3キロ~2.2キロのヒラメが78枚釣れ、1人あたりは3匹~11匹。私は8匹を釣り上げることができました。小倉船長は「23度と水温が高く、小ぶりだけどヒラメの跳びつきもいい。いまの時期は初心者にも釣れるよ」。

釣りには、料理したり食べたりする楽しさもあります。特に、5枚おろしにするヒラメは達成感が違います。

ウロコは柳刃包丁ですきとるのが本流ですが、私の場合は、100均で買ったスチールたわしでゴシゴシ。次に身の真ん中に切り込みをいれて、少しずつ深くしていくだけ。表と裏で左右二枚ずつ身が取れて、中骨が残るから5枚おろし。意外に簡単なので、ぜひ一度お試し下さい。

ヒラメは薄造りの刺し身に。見栄えはプロに遠く及びませんが、ソゲ1匹でこの分量。「ヒラメでおなかいっぱい」は達成です。それでも刺し身が余ったので、翌日昼にヒラメ茶漬けも作ってみました。あらでだしを取らずにお茶漬けの素を使ったので、なんちゃってヒラメ茶漬けですが、ワサビを入れてごまダレをかけるのがポイント。近ごろ食べた城山ホテル鹿児島の朝食名物「タイ茶漬け」をまねしてみたのですが、また食べたくなるおいしさでした。

このほか、我が家ではムニエルも人気。サラダ油で、塩こしょうをしたヒラメを皮側から焼いてバターを加えれば、皮はカリッカリで身はフワッフワに。これも簡単なので、ぜひお試しあれ。

漁師町だった千葉県浦安市に引っ越したのが縁で、私が釣りにはまって15年ほど。もし、釣りをしてみようかなという人がいたら、中国の古いことわざとされ、日本の釣り人にも広く伝わるこの言葉を贈りたいと思います。

「1時間、幸せになりたかったら酒を飲みなさい(中略)、永遠に、幸せになりたかったら釣りを覚えなさい」

ほんとですから。