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金峰山(きんぷさん・きんぽうさん)また歩きたくなる百名山

2018.11.13 10:30

金峰山は山梨県甲府市と長野県南佐久郡川上村の二つ地域を跨る日本百名山です。一等三角点の標高は2595mで、頂上付近の最高到達点は2599mまで達します。この二つが一致しないのは、一等三角点は国土地理院が標高を示す際に地面が安定している場所を選択することが関係しているからです。今のところ最高到達点になっている場所は稜線の中でいちばん高い岩となっていますが、それが安定しているとはみなされていないため三角点が置かれていません。よって、この二つが異なるのは、金峰山の特徴でもあります。

今回の日帰り登山・日帰りハイキングは、大弛峠から金峰山を往復する登山と北奥千丈岳を往復する登山を計画しました。大弛峠からは青空に恵まれた綺麗な展望が広がっていました。向側に見えるのは南アルプスです。

大弛登山口から金峰山の登山をスタートしました。

稜線に出るまではひたすら狭い道を登り続けます。登山の素晴らしさは、すれ違う場面や追い抜く場面で優しいマナーが作り出されていることです。山で知らない人とのトラブルによってストレス倍増という例が挙がらないのは、登山者のマナーが関係していると考えられます。

日本百名山を廻るためにはテントを使用する人も出てきます。しかし、登山用テントの設置にはルールがあり、地図上の指定場所となっています。テント泊する人の安全や安心のある環境が指定場所となっているため、他の場所へ設置することでトラブルを起こす恐れがあります。マナーの基準が不透明に感じた場合、自分がいいと思っていても客観的に見るといいと思われない境目を探ると答えが見つかるのではないでしょうか。

稜線に出てから最初に通過するのは朝日峠です。大弛峠側から降りて、朝日岳に向かって登り始める地点です。少し広がった場所になっているため、ほとんどの登山者が座れる場所を見つけて休憩をしています。

途中で手も使って岩を登るような場所が出てきます。

その上には朝日岳の中でいちばん展望の良い場所があります。この岩の上で座るスペースを探し、上空の動きや遠くの山々を見ながら景色を楽しめます。

ここでは、雲海の中から富士山や日本アルプスが見えます。

ここから朝日岳の頂上までは、富士山や日本アルプスの景色を見ながら歩くことができます。樹木の生え方により、長野県側より山梨県側の景色がよくなっています。アップダウンが少ないため、カメラを持つ人は進むペースが落ちてしまうほど魅力的な場所です。

朝日岳に到着です。休憩や撮影を入れると個人差が必ず出てきますが、ゆっくりノンストップでここまで登れば80分が目安となります。朝日岳の頂上にはベンチがありますが、そこから金峰山の形状や五丈岩の位置を確認できます。

朝日岳の頂上からアズマシャクナゲの群落まで一気に急降下していきます。ガレ場となっているため、下の人に石を落さないように注意しながら降りましょう。土の部分も小石により地面がザラザラ滑りやすくなっています。

狭長楕円形の光った葉がツツジ科のアズマシャクナゲで、5~6月にかけて桃色の花を咲かせます。ここを通り抜けると大きな稜線へ到着します。

ここからは、八ヶ岳や日本アルプス、富士山、周囲の奥秩父山塊の景色を見ながら頂上へ向かいます。

早朝は標高の低い場所で植物が露や霧をつくるため、雲海や山霧が発生しやすくなります。しかし、昼間に向けて気温が上昇するとそれが蒸発し、雲ができやすくなるため午前中に頂上へ到達できるようにペース配分をするといい景色と出会いやすくなります。

頂上に向かって正面を眺めた景色です。

頂上へ近づくに連れて岩が増え、なかなか三角点に到達することができないような岩の迷路状態になります。どこの岩を選べばいいか。目の前の岩がいいと思って上がってみると、次の岩まで進めない…。やっぱり戻ろう。その繰り返しが続くような場所ですが、登山者の顔を見るとほとんどが笑顔になっています。

頂上に向かって稜線から右側を見た景色です。

写真では北アルプスが写っていませんが、自分たちの眼では確認することができました。2018年11月の北アルプス広域は白くなっていました。

頂上に向かって稜線から左側を見た景色です。

富士山や南アルプスが見えます。富士山はしっかりと頭を出していました。南アルプスの方も北岳が白くなっていました。

最高到達点と一等三角点に到着しました。雲の上にいる気持ち良さと頂上にいる達成感が合わさり、今日もここへ来てよかったと思える登山になりました。

この場所から西側には、五丈岩が大きく見えます。五丈岩の右側に並ぶ稜線は瑞牆山荘へつながるルートで、大弛峠からのルートよりもレベルが上がります。金峰山を目指すコースだけではなく、瑞牆山も登ってから金峰山へ登るコースもあります。

瑞牆山も廻ってからここへ登ると長時間を費やすため、日帰り登山できない登山客のために頂上の北側には金峰山小屋があります。まさに金峰山でテント泊をするなら金峰山小屋が指定場所となっています。頂上との標高差が約250~300mあるので、往復1時間を費やしてしまうかもしれません。日帰り登山の方がちょっとしたお買い物気分で向かうと、仲間を長く待たせてしまうため注意してください。

大弛峠から金峰山を登山した場合、五丈岩までの登山が往路となります。ここまでかかった時間は、小休憩を入れて2時間半(150分)でした。

五丈岩の周辺は景色もいいためお昼休憩に人気のある場所です。人間の身体の中にある水分の量は体重の60%になっています。血液だけじゃなく体のいろんな部分で水分を使っているため、お昼休憩でしっかりと水分も摂取し、下山や帰宅しやすい身体に調節することが大切になります。

お昼休憩を1時間(60分)とり、大弛峠まで2時間(120分)で下山しました。合計5時間半(330分)の登山でした。この日は金峰山が前半の登山で、後半は北奥千丈岳、国師ヶ岳へ登りました。その続きは、下の記事を参照してみてください。