Sillénite 方蒼鉛石
2024.03.17 15:00
Sillénite 方蒼鉛石 Sén
Bi12SiO20;等軸晶系
IMAステータス:"Grandfathered" (IMAが設立された1958年より前に発見された有効な種)
別名:シレン石,方蒼鉛土
鉱物名:スウェーデンの化学者であったラース・グンナー・シレン (Lars Gunnar Sillén,1916-1960) にちなむ (酸化ビスマスの研究への貢献).
模式地:メキシコ,ドゥランゴ
模式標本:米国・ハーバード大学 (83256);米国・自然史博物館 (C1926)
原記載:クリフォード・フロンデル (米国・ハーバード大学)
- Frondel, C. (1943) Mineralogy of the oxides and carbonates of Bismuth. American Mineralogist, 28, 521-535 (IMA第一文献).
岡山県高梁市 布賀鉱山 新露頭 (Shin outcroup, Fuka mine, Takahashi, Okayama Prefecture).FOV ~7 mm.
方蒼鉛石 (シレン石) は粉末状で産出することが多く,和名は方蒼鉛土と呼ばれたこともあったが,1991年に布賀鉱山から数ミリメートルにもおよぶ六面体結晶が産出することが報告された.ここの結晶を用いて,EPMAおよび湿式法による化学分析が行われ,Bi12SiO20の化学式が確定した.
本標本は方解石の空隙に,変質した逸見石,草地鉱を伴い,緑色味を帯びた黄褐色の六面体結晶をなしている.産出は非常に希である.
文献
- Radaev, S.F., Muradyan, L.A. & Simonov, V.I. (1991) Atomic structure and crystal chemistry of sillenites: Bi12(Bi3+0.50Fe3+0.50)O19.50 and Bi12(Bi3+0.50Fe3+0.50)O19.33. Acta Crystallographica, B47, 1-6. https://doi.org/10.1107/S0108768190007492 (IMA第ニ文献)
- Kusachi, I. & Henmi, C. (1991) Sillente from fuka, okayama prefecture, Japan. Mineralogical Journal, 15(8), 343-348. https://doi.org/10.2465/minerj.15.343