気分は魔女! 「薬草の達人による、目からウロコなやさしい薬草活用術WS」レポート
今月のはじめ、「みんなの水車」を運営されていて、商店でも水車米で大変お世話になっている「きびちゅうおう温故知新ワークショップ ちえのわ」さんが主催する「薬草のパワーを使いこなそう!薬草の達人による、目からウロコなやさしい薬草活用術」というワークショップに参加してきました。
「私は自然の一部。自然も私の一部。」(ネイティブ・インディアンの言葉より)
古来より、人は母なる自然の恵みに寄り添い生活を営んできました。
何気なく足元に生える野草がからだを癒す薬草だと知った時、わたしたちを取り巻く見なれた自然が新たに輝き始めます。
薬草に触れるという行為は、大地を愛でる行為そのもの。
野草である薬草は、季節や場所によって採れる種類が異なり、その種類と手当法によって健康増進、病気の予防、怪我や疾患の治療など、その効能は薬草の数だけ多岐に渡り、昔から家庭療法として暮らしの中に息づいてきました。
お子さまの急な発熱時や持病の養生など、正しい知識さえあればどなたにも気軽に実践できる薬草活用術について、里山の環境から考える座学と、実際に野外で薬草を採取するフィールドワークの2部構成にて学びます。
自然と共生していた先人の知恵を、現代に生きるわたしたちの〝感性〟という名のフィルターを通して受け継ぐワークショップ。
なんて、ワクワクする内容では、あ〜りませんか!
私もこの文章にあるように、昔、友達の本棚の中に「雑草を食べる」っていうタイトルの本を見つけ、雑草が「食べることができる」ってことに感動!! だって、それまで「その辺に生えてるなんの変哲も無い草」だと思っていたものが、なんと食べれるなんて、あーた! タダ(0円)の食材に囲まれとるやないかーい! フンガーフンガー! と、大興奮だったのを覚えています。
それが、食べられるだけでなく、なんと!体の不調に効果がある「草」があるとアーユルヴェーダの薬理学で学んで以来、がぜん野草に興味がわきました。
だってね、田舎だけではなく、都会のちょっとした片隅に生えているような植物が食べることができて、その上、薬効があったりするんですよ。すごいと思いませんか?
アーユルヴェーダの薬理学では日本にもある植物も学びましたが、ほとんどがインド、もしくは暑い地方でしか見ないような植物なので、今回のWSで日本の風土に合った薬草を教えてもらえるとあり、興味津々。
楽しみすぎるーー♪ な感じで、当日を迎えました。
まさに魔女の集い!
WS当日。暖かくて、すがすがしい心地にさせる晴天の下、「薬草」という響きに惹かれた参加者達が町内外より集結。
満員御礼。定員越えの18名は、なんと!すべて女性。まさに魔女の集いなり〜
講師は美作市上山からお越しの、松原夫妻。
ご主人の徹郎さんは、20年間、西日本一帯自然環境調査業に従事された、いわば自然植物のプロ。農耕・林業などを通じた人と自然の共生を実践するため、岡山県美作市上山に移住されて来られたのだとか。現在は限界集落で棚田再生、農業、林業、古民家再生などとともに、薬草による地域の健康寿命増進、利活用に取り組んでいらっしゃいます。
奥様の久美さんは、かつては大手製薬メーカーで勤務されていた、薬剤師。こちらはお薬のプロですね。現在は薬草の生産と、特に料理加工などで利活用に取り組んでいらっしゃいます。
自然植物のプロとお薬のプロですから、これはもうベストマッチングで進むべき道を歩まれているとしか言いようがなーいですよね!
まずは、ちえのわ主催の古賀智己氏より、はじまりの挨拶。そして、ご自身が幼少の頃の薬草との出会いのお話をしてくれました。
彼がまだ幼かった頃に中耳炎をこじらせ、両耳の聴覚が完全に失われてしまったのだとか。お医者さんには手術するしかないと言われたそうなのですが、お父さんがユキノシタを毎日すり鉢ですりつぶし、耳に塗ってくれたのだそう。その甲斐あって、完全復活!すっかり完治。ユキノシタすごいぞ! そして、毎日耳に塗ってくれたお父さんの大きな愛もね!
ちなみにユキノシタは、これ ↓
庭先で栽培してる方もよく見かけますし、沢沿いの岩場など、水気の多いようなところでよく生えてます。「天ぷらにすると良い野草」の代表格です。
鼻息フンガー!な、座学の部
そんなこんなで、座学の部に突入〜
免疫力の重要性、棚田の再生がもたらす環境デザインなどからはじまって、薬草の知識、薬草・薬木の利用法がこれまた膨大な情報量。メモが追っ付きません!!
例えば・・・ハコベ。
↑ これね。都会にも公園の片隅など、ちょっとしたところで見ることができます。
アーユルヴェーダの薬理学でもこの「ハコベ」は出てきました。
このなーーんの変哲も無いような「草」が、なんと!ミネラルが超豊富!味に何のクセもないので、サラダにしたり、生を絞って汁を飲んだり、乾燥させて細かく砕いたモノと塩を混ぜた「ハコベ塩」にして毎日摂ると良いのだそう。しかも、このハコベ塩で歯磨きすると、歯槽膿漏が良くなるのだそうですよ。
ハコベの他にも、柿の葉茶は風邪予防に良いとか、桑の葉茶は食後の血糖値を抑えるので糖尿病の人やダイエットに良いとか、たんぽぽは女性ホルモンに良く、更に肌がキレイになるとか、よもぎはミネラル豊富で骨粗鬆症に良いとか、野葡萄茶はアレルギー体質に良いとか、裏白樫茶は胆石などの結石に良いとか、松の葉は血液浄化になるとか、レンゲは抗酸化作用があるとか、クズの花を砂糖と水に漬けると酒発酵するらしく、そのクズ酒が(酒なのに!)肝臓に良いとかとかとか、本当に鼻息フンガー!ってなるような、心昂ぶる情報ばかりで、めっちゃ楽すぃ〜!!
私、前世で魔女だったのではないか?と思うぐらい、血湧き肉躍る時間でした。
本物を見るべし!フィールドワークの部
座学でだいたい知識を詰め込んだ後は、お散歩に出て実際どんな感じで生えているのかを見ましょう!ってことで、第二部の始まりです。
あらかじめ用意していただいていたお散歩コースをみんなで歩くのですが、薬草を発見する度に効能や摂取の仕方などを説明していただけるので、全然前に進まなーいって感じで、予定のコースを途中で終了したのですが、お散歩ルートの植生の豊かさに講師両氏も驚かれていました。
実は、筆者の家からこのお散歩ルートは歩いていけるぐらいのほんの近所のところだったので、後で採取に来なければ!と、密かにほくそ笑んだのは言うまでもありません。ウッシッシ
説明にも熱がこもり、聞く方も写真を撮ったり、メモをとったり、はたまた採取したりと大忙しです。
たくさんの種類の薬草が採取できました。
そして、お待ちかねのランチタイムです。
メニューは、
◆刻んだ摘みたての薬草オムレツ
◆ヤブカンゾウのつぼみをトッピングしたポトフ
◆商店も月一回納入してもらっている「天然酵母パン ココペリ」さんのカンパーニュ
クワの実とマニキュアフィンガー(ブドウの一種)の2種類の手作りジャムを添えて
◆松原ご夫妻のクワの葉茶
オムレツに入ってる薬草も、ポトフに入ってる薬草も、もちろんお茶も、ぜーーんぜんクセがなくて、おいしいです。
どんなに体に良くても、おいしくなくちゃ続きませんから、ここ大事!
魔女のススメ
見て、採って、食べて、感じての、とっても楽しいWSでした。
話を聞けば聞くほど、薬草を採ってきて毎日摂取しよう!って気になったし、自然療法、大変勉強になりました。
でも、これ、家に帰って、自分一人でどれが薬草かわかるかな?なんて思っていたのですが、講師の松原氏が「僕たちの師匠は村上光太郎さんです」とおっしゃったのを聞いて、「おお!!」ってなりました。というのは、私、村上光太郎先生のご本を持っていたのです!
ってことで、早速仕入れました。
それが、これ 。「食べる薬草事典ー春夏秋冬・身近な草木75種」。
この本のおすすめポイントは、どんな場所で採取できて、どんな効能があって、どんな病気に効果的で、どんな利用法があって、どんな風に料理するとおいしいなど事細かに記載されているところ。
この本一冊持ってお散歩に出ると、たちまちあなたも薬草博士です。
薬草は一番あなたの生活圏に近いところにある自然植物。まさに地産地消。
あなたの周りの自然観察にもなりますし、あなたの周りのタダ(0円)の食材&お薬箱、これを活用しないなんてもったいない!
薬草に触れるという行為は、大地を愛でる行為そのもの。
あなたも薬草生活、始めてみませんか?
By ゆかちん