タテイト珈琲店

バロンの目

2018.11.14 13:19

長い長い夜。



店内から外に向けて何の気なしに写真を撮ると、いろんな光が作られていました。

信号機、車のライト、スポットライト。

窓ガラスの傷がそれらの光を吸い込み、曲げ、明らかになる。


「耳をすませば」の猫の人形・バロンの目を思い出しました。

映画であの目について語られていたかは覚えていませんが、原作ではその目の放つ光の秘密が語られていました。


目に埋め込まれた鉱物に職人が偶然付けた傷が、光を取り込むとキラキラと輝く。

そんな設定だったと記憶しています。


それと一緒だな、窓ガラスのこの傷は。

人間生きてりゃ大なり小なり傷は負うものでしょうが、光の当て方によっては眩くも鈍く輝いて見えるのかなーと、路上でお兄さんが書くベタな詩のようなことを考えていました。

あ、路上のお兄さんの件については、悪気も他意もありません。



それにしても、一画を切り取るだけでなんとなく都会的。

都会のような光。

神戸でも姫路でもなく、大阪の、梅田のような光だなと思いました。