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マヤ

ヒューマノイドロボット『RYUJI』蜜月島 mission13-⑩

2018.11.15 23:00

その夜…




蜜月島付近の上空を高速で飛ぶRYUJIの姿があった。




「どこだどこだどこだ?」




ゴォオオオオ…




「俺の臣をどこへ隠しやがった?」




「首謀者がわかったときゃあ、ただじゃおかねぇぞ‼」




「一発ぶん殴るくれぇじゃ済まねぇからな‼くそぉ‼」




「臣…臣ぃ‼どこ行った?」




「お前を生涯満足させてやれんのは俺しかいねぇんだ」




「心変わりなんて、ぜってぇ許さねぇからな‼」




蜜月島は特殊なシールドが張り巡らされていて、RYUJIのレーダーには感知できない。




RYUJIはすぐ近くにいる臣の存在に気づくこともできないまま、太平洋上空を過ぎ去っていった。






「いま、アイツの声が聞こえたような…」




コテージの外に置かれているリクライニングチェアで臣が寛いでいる。




空には降るような星空が瞬いている。




「臣、少しは落ち着いた?」




隆二がマグカップに入れたホットミルクを差し出した。




「…Thank You、やっとあの木の実の効果が薄れたみたいだ」




「酷い目にあったね」




「お陰で、至福の時も過ごせたけどな」




「南国でも、夜は少し冷えるね」




薄いカーディガンを羽織って隆二が臣の膝の上に軽く腰掛けた。




「いつ日本に帰れるかな?」




「帰りたいか?」




「臣はどーなの?」




臣はマグカップを置いて、隆二の細い腰を引き寄せた。




「…俺は、今のままでもいいよ」




「ふふ、もう満足した?すっかり大人しくなっちゃったね」




「……」




ー腕の中に隆二の体温を感じる。




…なんて満たされた時間なんだろう。




そして、もっと深く




お前を知りたいって思うよ…





to be continued…