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古川都市建築計画・・古川 達也

2024.01.25 05:39

有限会社 鈴木アトリエ

鈴木ようこ・鈴木信弘


「そう言えば、互いの仕事場って、行ったことがないね・・行ってみたいね!」

そんなたわいの無い一言から、AA建築家メンバー同士で「お宅訪問」ならぬ「建築家の仕事場」訪問リレーを始めることと相成りました。

記念すべき第1回目は、古川達也さんの古川都市建築計画です。

鈴木アトリエの鈴木信弘・鈴木ようこが訪問してきました。


「古川さんの事務所は根岸駅近くと聞いていたけど、どこだっけ?」

「ほら、前に行った藤の家具屋のビルの近くだよ」

そんな会話をしながら到着。

あるはずの家具屋ビルは更地となっており、ここもコロナ禍の影響か・・

モヤっとした気分でインターホンを押すと、すぐに朗らかな古川さんの声。

ホームページプロフィール写真そのままの爽やかな笑顔の古川さんが現れて

さっきのモヤっとした気持ちを蹴散らしてくれた。


古川都市建築計画は、根岸駅から線路沿いに徒歩8分ほどのワンルームマンションの一室。

奥に古川さんの仕事机、壁一面に本棚。そして簡単な水廻り。

部屋の真ん中にある大きな打ち合わせテーブルでインタビュー開始。

画面を見ながら打合せできるテーブル。奥は古川さんの作業机。

右は模型置き場。幻案も大量にあるとか・・



【なぜ建築家になった?】

古川さんの答えは、「人としゃべらなくていいと思ったからです」


、、、え?


「若い頃は話すのが苦手で、図面を描いていればいい仕事だと思っていて、

大学院卒業時までコンペなどの賞は取った事はなかったけど、設計なんてできると思ってたんですよ」

思いがけず、高飛車な古川青年、現る(笑)


【その転機は・・】

大学院卒業後は就職せず、大手設計事務所のバイト生活で日々を過ごしていたある日、新居千秋事務所で働く先輩にバッタリ!


言われた言葉は

「いつまでバイト生活してるんだ?」

「これからどうするんだ?」

「尊敬する建築家の元で修行だろう!」


それから一念発起、栗生明氏のカーニバルショーケースを雑誌で見て難波和彦氏が高く評価しているのを知り、栗生事務所の面接を受けたが所員はダメだったけど、バイトに採用された。

バイトに通う中、卒業設計図面を見て貰おうとしても、しばらくは全く見てもらえず、ようやく自信作を見てもらえた際に「建築が始まっていない」と返され、今までの自分の傲りや軽い考え、自信がすべて音を立てて崩れ落ちてグサッと心に刺さった。


【第2の転機】

栗生明事務所で9年勤務。バイトから所員に昇進し、

「しずおか国際園芸博覧会 浜名湖花博」など大規模施設の担当も任せられるように。事務所での業務の他に、大学の非常勤講師の話も舞い込み、毎日忙しい日々を送っていた。


そこへ大学時代の友人から家の設計の相談話が舞い込む。。。

事務所休みの週末で設計すればなんとかなるだろうと思っていた矢先、

友人から土地を決めた!と予想外の連絡が来る。

早速、連れて行かれた敷地はとても素晴らしく、「ここで勝負だ!!」と、栗生事務所を退職。だけど、、、今まで大規模施設の全体計画ばかりで、木造住宅の設計は経験がなかった。


栗生事務所で最後の仕事で担当した博覧会での実施設計を担当していた増田奏さんが、偶然、近所に住んでいることがわかり、通って木造設計のいろはを教えてもらった。(救世主がなんと、ご近所さん!)


途中、気に入ってもらったプランの大変更を施主にお願いした波乱もあったものの、想いが通じ、建物は無事に竣工 「山見の家」

古川さんの処女作「山見の家」初期モデル

施主ご夫妻に見てもらい、基本的な方向性が決まったという思い出の模型



あらゆる雑誌42社へ図面+写真の資料を送りアピールしたところ、新建築社から電話があり、建物見学に編集長が来てくれたけど、「新しい切り口がない」と辛口コメントを残し、帰ってしまい、とてもショックだった。

翌る日、掲載しますとの連絡が来た!

でも、掲載後に設計依頼の問い合わせは来なかった。

しかし、新建築に掲載されたことで、一般ユーザーが読む「住まいの設計」に掲載され、そこからようやく設計依頼が来るようになり、住宅設計を中心に18年が経ちました。


【住宅設計業務を主体にしているのに、事務所名が「古川都市建築計画」?】

母親の実家が桶職人の家だったこともあってか、現場で施工者と関わることが楽しく、その縁で仕事が繋がることが多いです。

そうした建築の協働が楽しみであり、大切だと思っていて。

住宅も単独で存在しているわけでなく、街の一部、つまり都市の一部、パブリックな存在。設計した住宅に住む家族が、街の中でいろんな人と関わりながら楽しく50年先まで暮らしていけるかを考えてます。

だから、古川都市建築計画、なんです。


古川さん趣味は、計画案の模型作り(お客さんの喜ぶ顔を見たい)

施主に喜んでもらうことに何より喜びを感じる建築家


仕事場の壁一面に並ぶ書棚

古川さんの頭の中が垣間見られる・・・