五感が磨かれる「本物が見極められる」(『土の匂いの子』抜粋)
2024.03.12 13:45
百聞は一見にしかずというのは、子どもの吸収力に基づいた格言かもしれない。見て覚え、学び、自分の世界を広げていく。
視力はまだ未発達なので、1~2歳の子どもは自分の周囲数メートルの視界の中で行動する。見晴らしのよいところへ登って海を眺め、おとなが感嘆の声をあげているとき、子どもは目の前のアリを見ている。子どもの目線は身長に見合っているから、地面に近く、地を這う虫や風になびく草花に興味を示す。その先で笑っている友の顔や、おとなの表情に関心がある。
たくさんの自然に触れ、本物を見る機会が多ければ、おのずと何が本物かをしっかり見極める目が育つ。