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なぜ秋に桜が咲くの?

2018.11.23 03:10

最近テレビなどで、「季節外れの桜が咲きました」というニュースを目にした方、いるのではないでしょうか?


今年の秋は季節外れの桜が咲くという現象が起きています。それも一か所などではなく、全国各地、特に関東南部、東海、近畿エリアでよく見られているそうです。

なぜ、季節外れの秋に桜が咲くのでしょうか?

そのヒントは「台風」と「塩害」にあります。

台風と塩害がなぜ桜に影響するのか?それを説明するためには、まず秋に桜が咲かない理由を説明しなければなりません。

通常、次の年に咲く花のツボミは、7~8月につくられます。その後、夏秋の暖かさでは咲かずに、春になって満を持して開花します。これは、ツボミの付け根についている葉が、夜の長さをはかることによって冬が来ることを察知し、花が咲くのを抑制するアブシシン酸という物質をツボミに送り出しているのです。そのため、ツボミがある状態でも、春と同じくらいの気温になる秋では咲かないということになります。

しかし、今年は大きな台風がいくつも来るという異常な現象が起きました。そのため、台風の強風や台風による塩害によって、本来開花を抑制する物質を出すはずの葉が落ちてしまった、ということなのです。

台風の塩害?と思う方もいるかもしれません。通常、台風は海上で発達する中で、大量の塩水を含んで上陸します。そして風によって樹木に塩水が付着するのです。普通は、台風の雨によってそれが洗い落とされるのですが、稀に雨が少なかったりすると塩水が付着したままになり、枯れてしまうことがあります。これが台風による塩害です。

季節外れの桜というと物珍しくて不思議な感じがしますが、これも災害の爪痕であり、それは意外なところまで深く残されているのです。

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