日誌抜粋~子どもの可能性
開始早々、フウトとエマは行きたくないとぐずりモードだが、少し経つとすぐに気を取り直す。
野村のすぐ裏手左側の背の高い草木のところに来ると、みんなが中に入りだす。
中心部の木々の周りを囲うように草のトンネル(藪漕ぎされたもの?)ができていた。
ミオとトシロウに「とーちゃんも来て」と言われたので入ってみるが、大人はかなりしゃがまなければならずしんどい…。
途中に分かれ道があり、木々が茂っている中心部に繋がっていた。
木々の中は、なんとなく静かで木漏れ日が差し、秘密基地のような感覚。
ついついみんなと長居したくなるが、まだ始まったばかり。「そろそろ行くよ〜」というと「は〜い」と出てきたヒカリ、ルカ、カイ、イブキの4人。
竹林の途中でベンチを発見。
先の4人とアミが「きゅうけ〜い」と言いながら掛けて座る。
私もミオに手を引かれて付いて行くが「大人が座ると壊れちゃうよ」と言われたので引き下がる。
竹林を抜けて先に進むと途中に鶏を飼育する家があり、アミ、ミオ、ルカ達は鶏の鳴き真似で遊ぶ。可愛い「コケコッコ〜」の合唱が始まった。
さらに進むと今度は学生服を着た集団が来る。
都内から来た課外学習の生徒達のようだ。
一人ひとりにきちんと「こんにちは」と挨拶する子ども達。見ていてとても気持ちがいい。
銭洗弁天に続く坂道。少し急で車も通るため警戒する。
ハルキとハルカは下る勢いがよく道路の真ん中に寄りがちなため、たびたび端へ促す。
銭洗弁天を抜けると畑に到着。
一人ずつじゃがいも植えと水やりを行う。
トシロウは畑にいた母を見付けたからか、一番の盛り上がりを見せる。
ミオは水やりに挑戦できなかったようでカエデから水の入ったペットボトルを貸してとせがむが、カエデは「ミオには絶対あ〜げない」と一言。
どうやら先にイブキに貸す約束をしていたらしい。
水やり後は早めのお弁当となった。
お弁当を食べ終えると山登り。
これが手強い。
かなり急斜面で掴まる蔦や木の根もきちんと選ばねばなかなか登れない道だった。
すぐに登り待ちの行列となる。
イブキは一番後ろで、フウトやイサナ、ハルカと話していたが登り始めると、あっという間にみんなを追い越し進んでいってしまった。
やはり大きい組達は手慣れている。
私は後方でイサナ、イロハ、ハルカと登るが油断すると普通に滑ってしまった。
イサナはどこを掴んで登ればよいか分からず「難しい、できないよ」と時々弱音を漏らす。
手を出してあげたいが、こらえて「この根っこなら掴まれるんじゃないかな」と伝えて先を促す。
イロハは途中で滑ったのが怖かったのか登山中は終始泣いてしまったが、それでも一歩一歩確実に登っていた。
フウトとハルカは黙々と登る。
登り終わったみんなの顔にはどことなく達成感が浮かんで見えた。あとは竹林の方向に進むだけ。
途中で水溜まりを発見するエマ。
ニコニコしながら足でばちゃばちゃ水しぶきをあげる。
竹林は日が当たらなく風も通りやすいので少し寒い。
ルカとエマはよーいどんで駆け足。身体を動かして温まろうとしているみたい。
しかし、エマが盛大に転んでしまった。途中でルカが気付き心配している表情を見せる。エマは一瞬私を見たが何事も無かったようにケロっと起き上がった。
かなり勢いがあったので痛いだろうと思ったが強い。
それとも私は甘える相手ではないと思ったのかな??
竹林を抜け野村までの小道を歩いていると前を行くアミが振り向いて「今日も楽しかったね!すっごい坂登ったね!」と笑顔で言う。
その姿にとても癒やされた。
横にいたミオやイロハも同じように感じたようだ。
最後は2人で手を繋ぎながら野村に到着した。
初見だったのもあるが帰りの山道は急で少し驚いた。
自分が3、4歳の頃にこんな遊びをしてたろうか。
親に止められてたんじゃないだろうか。
なかよし会を知らなければ自分も止める側だっただろう。
やってみたら意外とできる。子どもの可能性を大事にしたいと感じた。