勉強嫌いの生徒に伝えたい、勉強をゲーム化するための5つのステップ
以前にこのブログでも紹介した『残酷すぎる成功法則』には、こんなことが書いてあった。
過酷な訓練や仕事をゲームに見立てると、成長がしやすい。
本書では、その効果が実例を交えて描かれていた。
それを読んで感じたのは、「それって訓練やお仕事だけじゃなくて、勉強でももちろんいいよね?」とか、
「というか、ゲーム好きな子どもたちがターゲットならより効果的に楽しめそうだよね?」ってこと。
というわけで、本日は「勉強のゲーム化」に取り組みたい。
あえて多少大袈裟に事実を言えば、たった気持ち一つで、世界は変わっていく。
世界って、自分が作り出しているものだからね。
同じ雨の日の景色も、あなたの心持ち一つでとても綺麗に映るでしょう。
辛いことや困難に立ち向かう経験も、たった気持ち一つで楽しくできたらそれはそれでHAPPYじゃないか。
さぁ、納得感がイマイチでも、とりあえず冒険の旅に出よう。歩いているうちにきっと楽しくなってくる。
勉強をゲームに置き換える効果
ドラクエ、スーパーマリオ、FF、ポケモン、モンスト、スプラトゥーン、荒野行動…人気のゲームには人を惹きつける中毒性がある。
少しでも空いた時間があれば、コントローラーやスマホを手にして、僕らはその世界へと入り込む。
その速度たるや、目を見張るものがある。
たとえ勉強が苦手な子だって、秒で体勢を整え、至る所で戦いを始め、レベルアップをしていく。
同じように勉強ができたらすぐ成長できると思う。
つまり、勉強がゲームっぽくなるとこんな効果が見込める。
効果1:能動的に行える
効果2:客観視し、失敗を恐れなくなる
効果3:自分で考え行動しフィードバックできる
効果4:難易度が上がることを楽しめる
効果5:もっとうまくなろうと欲が出る
効果6:工夫をし出す
効果7:物理的な時間が増え成長できる
効果8:しかも、ゲームじゃなくて勉強だから褒められる
おお、これはメリットだらけじゃないか。
では、どうやって始めよう。必要なのは次の5ステップである。
勉強をゲーム化するコツ
1、ルールを決める
まずはルールを決めよう。どんなゲームにもルールは必要だ。
想像してみてほしい。今、君の眼の前に「単語テスト用の単語カード」がある。そこからゲームを始めるには、前提となるルールが必要だ。これをどうしたらゴールなのか、どうやってやるのか、タイムリミットはいつまでなのか、どうしたらレベルアップなのか、そんなルールを最初に決めよう。
重要なのは、「誰かから決められたルール」ではないことだ。誰かからヒントは貰ったとしても、納得し決めるのは自分でやろう。それがゲームを楽しむコツである。
なんとなくでもルール設定ができたら、スタートボタンを押してその世界へ入り込もう。ルールの中であれば、何をしたっていい。
冒険の始まりである。
2、難易度調節する
レベルアップには成功体験が必要だ。ゲームの始めは、とにかく成功体験を集めること。自分にとってのイージーモードから始めて、成功を多く獲得しよう。スモールステップというやつだ。
ちなみに、失敗は何度してもいい。ゲームは失敗があるから面白い。没頭し始めたゲームなら、10回中2〜3回が成功だとしても、余計にワクワク感は増すはずだ。
それに多くの勇者と違い、何度ゲームオーバーしたとしても命まで取られることはない。さらに、このゲームの場合、失敗しても経験値は貯まっていく。ガバガバなシステムだ。そのことに気付けたら成長は加速するはず。失敗を歓迎しよう。
要は、成功も失敗もたくさん集めることだ。そのためには、それ以上の挑戦が必要。挑戦するときにビビらないぐらいまで、挑戦を続けてみよう。結構なレベル上げになる。
また、ゲームに慣れてきたら、少し難易度を上げてみよう。簡単すぎたり難しすぎたりするゲームはすぐに飽きてしまう。
大切なのは、続けていくことだ。そのためには新たな刺激が必要。新しい敵、新しい技、新しいイベント、新しい目標を用意しよう。その調節が難しい場合は、親や先生に協力してもらうのがいい。
自分で難しい細かい設定は、信頼できる大人にアウトソーシングしたりアドバイスをもらったりして、ゲームの中身やルールや難易度をどんどん変化させていこう。君のゲームを、より魅力的なゲームへ進化させよう。
3、すぐ始められるようにする
ゲームをより楽しむためのコツを伝達する。
それは、いついかなる場所でもレベルアップへの取り組みを行えるようにしておくことだ。
バスや電車での移動中、5分の休み時間、寝る前、お風呂やトイレの間。そのちょっとずつの時間をレベルアップに使えるようになれば、君の腕は劇的に向上する。
ただ、それと同時に、ガッツリ入り込む時間を確保することも忘れずに。難関のダンジョンには満を持して挑みたい。レベルが上がれば上がるだけ敵も強くなるから、それとじっくり向き合う時間もちゃんと用意しておこう。
最適な環境を整え、不要なストレスなくゲームに打ち込めるようにするのも君の役目。自分自身が集中できる場を自分で作って、更なるレベルアップに尽力しよう。
4、仲間を増やす
これは君の君による君のためのゲームだから、最初のうちは誰かと比べる必要もない。
でも、慣れてきたら、比べたくなってくるのが人の常というもの。そんな時は心に従えばいい。人とゲームについての話をしてみるのだ。そこで思わぬ攻略法に出会えることも。
ただ、一つだけ伝えておきたいことがある。それは、成功方法というのは何も一つではないということだ。他人にとっていいから、自分にとってもいいとは限らない。君はたった君一人で、宇宙中を探しても他にはいない。そんな大切なことは、忘れないでいるべきだ。
それでも、ゲームについて語れる仲間を増やすことは実に刺激的で、多くの場合、君の成長を促進してくれることだろう。
5、たまに現実に戻る(ゲームの真の価値に気付く)
ゲームを続けていくと、たまにこんな風に思うことがある。
「あれ?僕は今なんでこれをやってるんだろう」
「ん?俺ってこれやってて意味あるのか?」
「え?私なんのためのこれをしているんだっけ?」
ちなみに、僕が大人になってゲームをやらなくなった理由はこの気付きにある。「あれ、いくらゲームやってても現実じゃないじゃん」とふと思ってから、ゲームにハマらなくなった。もちろん、娯楽として楽しむことはあるけれど。
念の為言っておくが、それが良いとか悪いとかという話ではない。そういうこともある、ということだ。
だけど、安心してほしい。実際のゲームよりも、君が今しているゲームには、大義名分が掲げやすいという特徴がある。ほんのちょっとだけ現実に戻ってみよう。
勉強をすると、選択肢が増える。これは「受験」や「資格」といった制度があるこの国に生きる多くの人にとって当てはまる、シンプルなお話だ。勉強は、する理由が見つけやすい。だって、いくら勉強してても心配されることはあれど、怒られたりはしないでしょ?
つまり、君がしているゲームは、他のゲームと比べて、目的が見つけやすいのである。他のゲームに比べて、「なぜ?」「意味ある?」「なんのため?」の問いに答えやすいのだ。
もしもそれを踏まえた上で、それでもやる意味を見失ったら、信頼できる大人に相談してみるといい。勉強ゲーム以外の道だって、世の中にはたくさんあるからね。
ゲームを無理に続ける必要はない。でも、やらない理由が見つからないなら、とりあえず続けてみるのをオススメする。
だってほら、やっているだけで褒められるゲームなんて、なかなか他にないじゃんか。
ここまで述べてきた勉強をゲーム化するための5つのステップをまとめてみる。
1、ルールを決める
2、難易度調節する
3、すぐ始められるようにする
4、仲間を増やす
5、たまに現実に戻る
参考になったりしたら幸いである。
実例
最後に、よりイメージを固めてもらうために実例を出して説明をしてみたい。
使うのは、前述もした「単語テスト用の単語カード」の事例だ。
今から君はそれをやらなくちゃならないとして、話を聞いてほしい。
まずはルール決めから。いつまでにどこまでの単語を覚えるか確認をしよう。
多くの場合、誰かに与えられた量と期日があるけれど、それをそのまま使うのは何だか癪だ。分けて設定してみたり、期日を早めてみたり、とにかく自分なりの考えをそこに付け加えよう。それだけで、向かう姿勢は変わる。これが、誰かのゲームじゃなく、君のゲームになる。
レベルアップの方法はシンプルにしよう。単語一つ覚えたら、一つレベルアップ。わかりやすくていい。
次は、やり方だ。まぁ、変更はできるから、とりあえずの方法でいい。書いて覚える?見て覚える?決めたら早速やってみる。
数はどうする?最初は10個からいく?いやいや、20個?ううん、100個からいこう!それもまず自分で考えて試してみるといい。試行錯誤があったほうがゲームっぽい。
もちろんこの段階で工夫ができたらそれもいい。例えば「すでに覚えている単語」と「まだ覚えてない単語」を分けるというの手だ。一回テストしてみればそれは判明するだろう。
「すでに覚えている単語」は、つまり君にとっての成功体験。自信にしよう。それが今の君のレベルになる。
「まだ覚えてない単語」は倒すべき敵だ。でも、このゲームでは倒した敵は仲間になる。それに何度でも挑戦できるから、圧倒的な量の繰り返し戦法で挑もう。ご存知の通り、ここがレベル上げの最大のチャンスでもある。
忘れることも考慮する。時にレベルが下がることもあるけれど、その上がり下がりだって最初からわかっていれば重く受け止めすぎず成長の糧になるはずだ。
そんな風に、自分なりのやり方でどんどん敵を倒していく。やりながら、違う方法の閃きがあったら試してみるの自由だ。
成長記録を残したり、定期的にまとめテストをやったり、進捗や悩みを誰かと共有したり、どうしても覚えられない単語を抜き出して色んな所に貼っておくのもいい。習慣という魔法を使うのも手だ。習得に時間はかかるけれど、大きな力になる。
移動中や何気ないタイミングでいきなりレベル上げに取り組めるように、カバンの取りやすいところに定位置を作ったり、2つ持ちというのも悪くない。
極端なことを言えば、このゲームを与えた誰かと交渉をして、自分だけ特別扱いを受けるのもアリ。そっちのが大変だと思うけど、裏道を発見した時の喜びは大きい。リスクもあるけど。
そうこうしているうちに、君がそのゲームに向かう時間は増え、いつの間にかに君は大きくレベルアップしていることだろう。新しい知識や学びを得、多くの敵との戦いやイベントを経て、そこそこの達成感と充実感も手に入れているはずだ。
次の敵は飽きや慢心である。そんな時は、もっと難易度を上げたり、違うゲームに挑戦してみるのもいい。人生は困難だらけ、つまりゲームだらけである。
5つのステップを使って、どんどん勉強や困難をゲーム化して、8つの効果を実感しよう。
改めてここに記しておく。
勉強をゲーム化する5つのステップ
1、ルールを決める
2、難易度調節する
3、すぐ始められるようにする
4、仲間を増やす
5、たまに現実に戻る
勉強をゲーム化した8つの効果
効果1:能動的に行える
効果2:客観視し、失敗を恐れなくなる
効果3:自分で考え行動しフィードバックする
効果4:難易度が上がることを楽しめる
効果5:もっとうまくなろうと欲が出る
効果6:工夫をし出す
効果7:物理的な時間が増え成長できる
効果8:しかも、ゲームじゃなくて勉強だから褒められる
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もちろん、ゲームに興味がなければ正攻法でかまわない。