これも共依存のひとつのかたち?
トルコ人の夫と結婚した、作詞家の及川眠子さんによる。
先日の「朝のフェミ読み」でネタのひとつとなった作品が「破婚―18歳年下のトルコ人亭主と過ごした13年間―」だ。
すさまじい、結婚のひとつの形態の歴史。
読み進めていくと、婚姻への考えかた、文化の違い、お金に対する価値観や捉え方、個人としての生き方、アントレプレナー精神と「進む」の温度差・・・いろんなことが目に飛び込んでくる。
及川さんは、かの有名なアニメーション作品の主題歌(挿入歌?)の詞をはじめとして多くのヒット曲の詞を手掛けた方。
そうした詞の印税でかなりの収入を手にしている。
お金に執着することはなく、年下の夫のこうままにどんどんお金を放出していく。
ただ、夫をつなぎとめておこうという意思はあまり感じられずただ淡々と「お金で解決するのなら」と、放出していく。
そんな彼女を、トルコ人夫は「うちでの小槌」のような存在にとらえていく。
いびつな関係。これも、奇妙な「共依存」のかたち、なのだろうか。
対等な話し合いがあるようには思えない。
ある部分ですさまじくパワーアンバランスな関係。
とはいえ、どちらかが卑屈になっているわけでもない。
一方で、そうした、男女の関係についての思考をはなれて、及川さんの潔さや良い意味でのどんぶり思考や決断力の速さなどに感心してしまう。
結局、精神のありようが地のそこに落ち続けてくさりはてていった夫は、新たなパートナーを見つけ、及川さんはつきものが落ちたように、これまた潔く離れる方向に進む。
家庭内の力関係でもやもやとした思いを持ち続ける状態にある人に、この本から得られたヒントとして、もし言えることがあるとすれば「決断し、動けばだれかが、なにかが助けてくれる。少しずつでも、思いがけない方法・方向であっても最終的には必ず望んでいく方向に進める」ということだろうか。
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フェミ読みで目醒める土曜日【朝7時〜8時】 フェミニズム書を読んで語り合おう〜 by AllianceYouToo [対象:非男性]