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治療院アジアート

強迫性障害の具体的な対処法

2008.03.15 16:52

私の考える、強迫性障害(強迫神経症)の具体的な対処法を説明します。

*もっといい方法があるよって方、やったら効果あったよって方は、是非コメントください。

以前にもお話しましたが、強迫性障害は、意志の弱さによって起こるのではなく、間違った神経回路が、異常に強化された結果起こるものです。

私たちの行動の大部分は、潜在意識によってコントロールされています。

ここで言う潜在意識とは、自分で気づいていない隠れた欲求とかではなく、意識に上らない脳の働きを指します。(意識に上るものがクオリアで、脳の活動の中でスポットが当たっている部分。私たちの思考のようなものです)

脳は一度に余りにも沢山のことを処理しているので、全てを意識して判断を下していては何もできなくなります。だからいつもやっているようなことは、いちいち考えなくても自然にできてしまうわけです。これが潜在意識の働き。

その中でも,生存に関するような事、恐怖、不安などに対しては、反射的に、強力な回路が発動します。

相手をじっくり観察する前に、逃げ出そう、避けようとしたり、逆に怖い人の前ではすくんでしまったり、ヘンなことをしちゃったり。これは間違った反応だとしても、毎回同じ反応をしてしまうことが多いですよね。強迫性障害には、この回路が働いています。

潜在意識君は、とても真面目で、絶対サボらずに働く、すごく良い子です。でも、余りにも純粋すぎて、簡単にだまされてしまうし、間違ったことでも素直に信じてしまいます。たぶんそうじゃなかったら、自動的には働けないですから、仕方のないことです。

強迫性障害は、間違った習慣、悪い癖です。いつもやってることは、強く意識しないと変えられません。

スポーツ選手が今までのフォームを改造するように、強く意識して行動パターンを矯正していく必要があります。

ここで重要なのは、潜在意識君に、具体的な指示を与えてやることです。頭ごなしに叱り付けても、修正できません。彼を説得し、納得させること。あきらめずに繰り返し修正していくことで、新たな正しい神経回路を形成させることが目標です。

私が以前勤めていた接骨院に、いつもデータの入力ミスを繰り返す子がいました。頭が悪いわけじゃないんです。かなり天然な子で、思い込みも激しく、注意力が足りなかったのだと思います。すごくいい子なんですが、困ったことが多い。私は何度も繰り返し、注意しました。

はじめは「ここ間違ってたよ、気をつけて」

二度目は「また間違えてたよ。入力したら、必ずチェックしないとダメだよ」

三度目は「いつもここを間違えてるから、入力したら必ずここと、ここを確認して、この部分があってたらいいから」

具体的なデータを見ながら、指示をします。うるさいかなと思っていたら、私がそこを辞めるとき、彼女は私に会えて本当によかったと言ってくれました。

彼女に言われて初めて気がついたんですが、他の人は「何で何度も間違えるんだよ。ばかじゃねえの」などと個人を否定するような言葉を投げつけるか、あきれて何も言わなくなるかのどちらかなんですね。

「どうして間違えるんだろう?」「どうしたらそれを防げるんだろう?」それを考えて、相手が理解できるまで伝え続けること。改善したいと思うなら、そこが大切ではないでしょうか。

間違えると言うことは、根本的に正しいことを認識していない可能性があるわけで、当たり前に思うことでも、再度何が正しいかを教えてやることです。

そこで、強迫性障害の対処法です。

まず第一に、確認などの行為を無意識にやらず、すごーく意識して行なうこと。車掌さんの指差し確認みたいに、心の中だけでもいいから声を出して確認する。

それで、確認しても、潜在意識が間違えそうになったら、潜在意識君をちゃんと説得する。

「いいか、今ちゃんと確認は済ませた。間違いなく確認した。だから、もしこれでミスがあったとしても、それは何度も確認すれば防げるようなものではない、仕方のないミスだ。もし後でミスが発見されたら、そのとき対処すればいい。いまもう一度確認するより、そのほうがずっと効率的だし現実的だ。大丈夫。何かあっても必ず対処できる」

「いま自分が想像している様々な悪いことは、明らかに妄想で現実とはかけ離れている。そんなことが実際に起こるはずがないし、起きたら起きたで面白いじゃないか。『強迫性障害の患者が、いつもの必要以上の確認を怠り、ガス爆発を起こして死亡』そんなニュースはおいしすぎる」

「自分はいつも、人から何か言われるんじゃないか、間違いを指摘されるんじゃないか、ダメなヤツだと思われるんじゃないか、失敗はしたくないなどと思い過ぎている。失敗は成功の元。クレーム処理を誠実にやれば、問題がなかったときより信頼してもらえる。人は他人のことなんか全然気にしていない。そうだ、案じるより生むが易し。大丈夫」