木を食べた、うまかった! “間伐材を使った料理”をレポート《公式》
大塚和成です!!
GQ JAPAN
木を食べた、うまかった! “間伐材を使った料理”をレポート
“木”を使った料理
“木”を使ったフルコース料理を食べてきた。意外とおいしかった。
木を調理する!
東京・西多摩の奥多摩町海澤の森林のなか、“木を食べる”をテーマにした一夜限定のディナー・イベント「Eatree Plates」が、メディア関係者向けに10月10日に開催された。白金台「ティルプス」の元シェフ・田村浩二が杉とヒノキ、松などの「間伐材(注※1)」を食材として使用し、地球料理と名づけたフルコースを考案、提供した。
なぜ、木を食べるのか? そのアイディアが出た背景には木材需要の減少がある。近年、木材需要が低迷し、間伐しても木材の使い道がない。森は間伐しないと、木が密植状態になり、地面に光が届かなくなる。すると木々がしっかりした根をはらず、ひょろひょろと細長く伸びてしまう。根を張る力もなく、細長い木が増えるとちょっとした風雪害で折れ、台風や大雨で地すべりが起きる。
ディナーの主催者である「LIFULL(ライフル)」は、森林環境の維持のため、そういうわけで間伐材の新しい利用法や新食材の発見を促進するプロジェクト「地球料理 - Earth Cuisine -」に取り組んできたのだという。
人生初のウッド料理!
10月某日。新宿に集合した参加者および筆者は、専用車に乗り、奥多摩にむかった。約2時間かけて、会場がある森の入り口に到着した。それから林道を10分ほど歩くと、生い茂った杉の森のなかにキッチンカウンターと6台のダイニングテーブルが設置されたスペースが登場した。その姿はまさに森の中の“レストラン”だ。筆者は受付に近い5人がけのテーブルに案内された。
席に座って空を見上げると、星空を思わせるシンプルなライトアップが目に映る。このような幻想的な空間でディナーするのはこれまでにない体験だ。それに加え、“木”を食べることも人生初なので、ますます楽しみになってきた。
ウエルカムドリンクとして、カクテルが運ばれてきた。これはヒノキのチップスとラベンダーを乾燥させてからミルで細かく砕き、ティーバッグに入れて抽出したエキスにゆずの香りを添えた冷たいドリンクだ。ひと口のむと3つのフレーバーが口のなかに広がり、フレッシュな香りが心地よい。
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