疲れを取る方法 その1 自律神経・運動編
身体的な不調、精神的なストレス、蓄積した疲労。これらを解消したいとき、具体的には何をすればいいのでしょうか。
気力も体力も何もないとき、一番手っ取り早く元気になる方法は当院アジアートで施術を受けることですが、ほとんどの方はそうもいきませんので、私がいつも患者さんにお話ししている、自力で何とかする方法を、ここで伝授したいと思います。
私たちの治療は緊急避難的なもので、自力ではどうしようもない部分をお手伝いします。
最終的には本人が生活習慣なり、生き方なりを変えていかないと根本的な解決にはならないと考えているので、私は患者さんに定期的に通ってくださいとは言いません。
必要なときだけ、来ていただければ良いんです。
自律神経の働き
まずは、私自身が治療の基本に据えている、自律神経を調節することから始めましょう。
身体の声の聴き方を間違っちゃってる人は努力に走りがちですが、へんに努力しちゃうと余計ひどくなる可能性が高いので、努力の方向には注意が必要です。
ここで必要な自律神経の働きについて極簡単に説明しますと、
交感神経は戦闘態勢、副交感神経はリラックス
自律神経には、戦うときに活性化する交感神経と、リラックスしているときに旺盛になる副交感神経の2種類があり、交感神経が活発になれば心臓の鼓動や呼吸は激しく、副交感神経が優位になるとゆっくりになります。
このように双方の神経は拮抗した働きを持ち、どちらかが主になっているときには、もう一方は活動を抑えることで、その時々に合わせた身体の状態を作り出しているわけです。
頑張らなきゃいけないときに活躍するのが交感神経。
副交感神経は体を回復させる
リラックスしているときに活性化する副交感神経は、胃腸を働かせて身体に栄養を取り込み、心臓や肺などは休ませて、良い眠りを与えてくれることで身体の回復を促し、元気を取り戻すために働いてくれています。
緊張が続いていると、疲れが溜まる一方に
いつも忙しく心身共に緊張している人は、交感神経ばかり使って、副交感神経の働きが抑えられている状態にあると言えるでしょう。
だから疲れが溜まる一方で、身体が回復しないんです。
疲れても、ちゃんと回復すれば良いんです。
現代人の疲れの原因は、疲れること自体ではなく、疲れた後にそれを回復させていないからだと私は考えています。
疲れを蓄積しないための行動=副交感神経を活性化すること
具体的にはどうすれば良いかを、心と身体の両面から考えてみましょう。
まずは身体的な面から。
血流を良くすれば副交感神経優位に
簡単に言えば、血流が良くなるようなことをすると、概ね副交感神経が優位になると考えて良いと思います。
同じ疲れでも、精神的な疲労は交感神経を興奮させ、肉体的な疲労は副交感神経を活性化させますが、これは普段の生活の中で実感できる身体の状態の違いです。ここに注目しましょう。
精神的に緊張していると、交感神経は、心だけでなく筋肉も緊張させる
緊張状態になると、筋肉は縮まり血流が滞ってしまいますが、運動は筋肉を縮めるだけではなく伸縮させますから血流が良くなり、疲労物質も流れてちゃんと処理されるので、さほど疲れは残りません。
そんなわけで、頭脳労働者にはまず、色んなことを考えられない、無心になれる運動がお勧めです。
一般に気楽な運動はストレス発散にもなり、心身共に効果がありますが、必ずしも身体に良い運動をする必要はありません。
苦痛なだけのヨガや筋トレやジョギングは逆効果になり疲れるだけですし、運動しながら仕事のことや人間関係の悩みなどを思いだしてしまったら、リラックスできるはずもありません。
苦痛な体に良いことより、自分が心地良くなることを
運動でも趣味でも、やっている最中に楽しい、その後爽快感があるなど、気持ち良いと感じることが、副交感神経を活発にする重要なポイントだと考えてください。
ただし、スポーツ選手やダンサーなどプロの方は、筋肉が疲れすぎてしまうと回復が追いつきませんから、なるべくなら運動以外の方法をお勧めします。
散歩がオススメ
私はとにかく歩くようにしていますが、大好きな有栖川公園を散歩すると、心も身体も元気になるのが実感出来ます。
上下左右、四方八方を緑に囲まれた有栖川公園は、酸素濃度も凄く濃いと思うんです。
細胞が、もの凄く質の良い酸素を沢山取り込んで喜んでいる、そんな感じです。
歩くことで血流も良くなるし、緑が美しいだけではなく、カモをはじめとした鳥たちや亀や散歩中の犬や子供達も目を楽しませてくれます。
忙しすぎる人には難しいかも知れませんが、こんな気持ち良さが、副交感神経を優位にしてくれる生活習慣です。 続く