疲れを取る方法 その2 脳と自律神経・心編
この辺のことは、今までにも何度か記事にしていると思うのですが、重要なことなので何度でも書いてしまおうと思います。
誰でもすぐに出来るリラックス方。気力も体力もない人が、一番簡単に副交感神経を優位にする方法は、笑うか泣くかすることです。
一番簡単に副交感神経を優位にする方法は、笑うか泣くこと
生活の中で、自然に笑えることがある、感動できるような人には必要ありませんが、家に帰っても仕事のことばかり考えてしまう。
気持ちが入れ替えられない。
最近怒ってばかりで笑ったり泣いたりしていないなあなんて人は、腕力を使って強引に笑いましょう。
私のお薦めは、
笑うために ー 超くだらないネタ満載のVOWとか、漫画とか、落語とかでとにかく笑いましょう。
泣くために ー マザーテレサの本を読めば、感動だけでなく自分の悩みが小さいことに気付きます。
ほっこりするために ー 犬やねこの写真集や動画、自然の中で生きるターシャの本なんかも良いですよ。
好きなものを見て妄想に浸ったり、歌って踊るのも良い
自分の好きな俳優が出ているDVDを見てうっとりと妄想に耽るのも良いし、カラオケボックスに行って歌いながら踊り狂うのも良いでしょう。
もちろん気の置けない友人と喋ったり、お酒を飲んで騒いだりするのは、最高の気分転換になりますから、多少の寝不足には目をつぶり、時間を作って参加するのも良いでしょう。
家と会社の往復だけよりずっと、副交感神経が優位になる可能性は高いと思われます。
とにかく、いま自分の心を占めている思考や悩みから、一度気持ちを引き剥がし、固定して強化されてしまった脳の回路をリフレッシュしてあげることが必要です。
脳は習慣を無意識に繰り返す
脳は私たちが意識していないところでも、驚くほど沢山のことを一度にしています。 全身の筋肉や内臓の制御。血液中の酸素濃度、電解質や血糖値、ホルモン濃度や血球成分の調整。
酔っぱらって意識がなくてもちゃんと家に帰っているように、私たちがごく自然に日常生活を送れるのは、繰り返し経験したことを、いちいち意識にあげることなく、学習により脳に形成された回路が自動的に処理する部分が多いからです。
ですから、脳は意識しなければ、いつも通りの思考や行動を繰り返してしまいます。忙しい人ほど、回路が強化されるので、行動も思考も固定してしまいがちです。
「こうじゃなきゃいけない」「これをしなければならない」と信じ込んでいることの多くは、実は必ずしも必要なことではなかったりするのですが、精神的にも肉体的にも余裕がないと、「こっちでも良いんじゃない?」「これは必ずしも必要ないよね?」ってことに気付く暇がありせん。
普段何もしてないから、休みの日くらいは身体に良いことをしようなどと考えて、大して好きでもないヨガをするより、一日ボケッと過ごす方が健全な休日かも知れないという発想が大切です。
自分のための努力は良いが、他者向けの無理はやめる
例えば、自分が成功するために無理をする。これなら良いと思います。
目的と行為が一致していれば、結果として上手くいかなくても納得できるはずです。
でも、「家族に手抜きだと思われたくないから、どんなに仕事で疲れて帰ってきても、毎日必ずちゃんとしたご飯を作る。」というような方は、少し考え方を変る必要があります。
勝手に頑張り過ぎて、周囲に八つ当たりしない
こんな人は、自分が大変な思いをしているので、家族がのんびりしているのを見るとイライラして機嫌が悪くなりますが、冷静になってみれば、自分が勝手に忙しくしているだけで、家ではのんびりしている方が正しい態度だと思うのです。
家族からしても、時々買い食いしたり出前を取ったりするのも楽しいかも知れないし、ピリピリしながらきっちりしているお母さんより、手抜きをしながら優しいお母さんの方が嬉しいのではないでしょうか。
仕事においても、あまりにも隙がないより、時々人に手伝ってもらいながら進めることが、周囲のためになることもあります。
うちの患者さんで、生死に関わるような大病をした後、仕事復帰してからも時々体調が悪く、上司には仕事を減らしてもらうように話しをしました。それでもやはり彼女しかできない仕事があって、彼女の要求を理解したかに見えた上司が、度々残業になるような仕事を依頼してきます。
彼女は朝気分が悪く、起きられずに寝坊しても、仕事に間に合うようタクシーを飛ばします。内心は怒りながらも、仕事を任されれば毎日残業。体調が悪くても休みません。
身体が辛い上に周囲の理解がなく、いつもピリピリしていました。
それに対して彼女はとても怒っていましたが、私は患者さん自身に態度を改める必要があることを説明することにしました。
相手にわかって欲しいなら、無理をして隠さない
体調が悪くて起きられないときは、会社に電話して半休でも良いですから休むべきです。
タクシーを飛ばして、私は平気ですって顔をするから、周囲は体調が悪いことに気付かないし、気付いたとしても、気遣いの言葉をかけにくい雰囲気を、彼女が醸し出している可能性が高いんです。
そうじゃなくても、仕事はきっちりやる人に必然的に集まります。
そんな人は、スキルも信頼度も上がるので、やればやるほど増えるのが仕事の法則。暇な人は暇なままなのも仕事の法則です。
これではお互いのためにならないので、やはり出来る人は他の人に仕事を分けるべきです。もちろんそれは上司の責任ですが、本人もなるべくアピールするようにしましょう。
特に持病があるような人は、無理をして急に入院なんてことになれば、もっと周囲が困るのですから、症状があるときにはそれを相手にきちんと伝え、相手に対応を考えさせることが大事です。
体調が悪いことを訴えても休むなと言われたのなら、不満を持つのも当然ですが、自分が体調が悪いのを隠すようにしていて、なぜわからないのだと文句を言うのはいただけません。
人に文句を言われないための努力なんてナンセンス
頑張っている人の中には、人に文句を言われないために頑張っている人がいます。そんなことのために生きるのは、せっかくの人生がもったいないですし、自分が思うほど、人は他人のことなんて見ていません。
人にやらされている、自分を犠牲にしてやってあげているという気持ちでいると、自分が疲れるだけでなく、相手にも犯していない罪を着せてしまうことになるし、そんなことばかりしていると、なりたい自分からどんどん離れてしまいます。
せっかく頑張っているのですから、苦しむだけでなく、最大限人生を楽しむことをもっと考えましょう。