筋トレについて考える。目的の筋肉
自宅でできる筋トレ
ジムに通えば、マシーンは効率的にあらゆる筋肉を鍛えられるし、トレーナーもいるので効果を実感しやすい。
けれど、自宅でお金や時間をかけなくても出来ることは色々ある。
自分で筋トレしたいときにお勧めなのは、自分の体重を負荷にすること。
自重を負荷にする筋トレ
自分の体重を使う方法で代表的なものは、今大流行中のプランクや腕立て伏せ、スクワットや踵上げなど自分の体重を負荷にして筋肉を鍛える方法は沢山ある。
ここで大事なのは目的。
目的の筋肉を決める
具体的にどの筋肉を鍛えたいのか、あるいは何のための筋肉を鍛えたいのかをなるべく明確にすること。
腕立て伏せ1つとっても、手のつき方で使う筋肉が変わる。
手のひらを身体と平行に置けば上腕三頭筋(俗に言う振り袖)がメインになるし、横向きにつけば胸筋をかなり使うことになる。
スクワットでも、重心をつま先側か、踵にかけるかで、きついと感じる筋肉の場所が変わるはずだ。
(逆立ちしながら腕立てをするなんて話も聞いたことがあるが、危険なので普通の人にはお勧めできない。ちなみにこの方法だと、上腕三頭筋がむきむきになる)
重力に抗して運動を行うことになるので、単純に(曲げたときに)上側にある筋肉が鍛えられる。
スクワットなら、曲げたときに上になる大腿四頭筋。
うつ伏せで上体を起こせば背筋、脚を上げれば、お尻の筋肉と脚の裏側(大臀筋や大腿二頭筋)
戻す時にも筋肉は鍛えられる(ゆっくり戻すこと)
この時注目して欲しいのは、上げるときだけじゃなく、下げるときにも目的の筋肉が凄く頑張っているという点だ。
上側の筋肉は少しずつ伸びながらも、腕や足や身体がドスンと落とさないように、相当頑張って重力に対抗している。
だから、腹筋でも、背筋でも、腕立てでも、ゆっくり戻せばそれだけ負荷が大きくなり、目的の筋肉は往復で鍛えられることになる。持久力のある強い筋肉を作りたい場合には、特に戻す動作をゆっくりやることだ。
負荷を増やしたいなら、回数を増やすだけでなく、腹筋なら脚を挙げ角度を調節すれば鍛えられる筋肉の場所が変わるし、スクワットも両足ではなく片足に重心をかけるとか、色々出来るので自分で工夫しよう。
瞬発力を鍛えたいのならば、速い動きを繰り返す。
動き始めだけに動員される筋肉もあるので、そこを鍛えたいのであれば、動き始めを何度も繰り返す必要がある。
一連の動きであっても、その段階により働く筋肉は変化していく。
そのことを知っておくと、スポーツ障害の判断にも役立つので、その辺も考慮しながら意識して動いて欲しい。
チューブを使えばどんな筋肉にも負荷をかけられる
自重で出来ないものは、チューブを使おう。
運動方向が自由に決められるチューブは、自重やダンベルだと鍛えにくい部分もカバーしてくれるし、ダンベルを持つことが出来ない脚の運動にも使えるし、持つ長さや何重に持つかを変えることで負荷も変えられるので便利だ。
自宅で筋トレをしたい人は、適当なものを買っておこう。
負荷の異なるチューブが何本かと、持ち手や扉に引っ掛ける器具などもついたセットがネットで2千円程度で購入できる。
置き場にも困らないし、テレビやネットを見ながら使うことも出来るので便利。
チューブを使うときのコツは、運動方向を意識すること。
例えばチューブの片方を脚で踏み、腕を伸ばしたまま横に上げるとする。
親指側が上になっていれば、主に腕を挙げるための代表的な筋肉、肩の外側を覆うように逆三角形にくっついている三角筋が鍛えられるし、小指側を上にすれば、腕を伸ばすための筋肉、上腕三頭筋(俗に言う振り袖筋)が鍛えられる。
両手に持って身体の前で開いていけば背中側の肩甲骨を寄せる筋肉(菱形筋)と、腕の伸筋群(手背側)などが働くし、身体の後ろから前に伸ばしていくようにすれば前側の胸筋や腕の屈筋群(手の平側)が鍛えられる。
鍛えれれている筋肉をちゃんと意識する
筋トレもストレッチ同様、何となく形だけでやらないで、今どの筋肉がきついかをきちんと感じて、意識してトレーニングに励むことだ。
バランスボールも様々に使える
ウエストのくびれを作りたいなら腰を回したり左右に振れば良いのだが、そのとき、何も考えずに大きく腰を回そうとすると、股関節の動きで回してしまうので、意識して腹筋群を使い、上半身の筋肉の力で腰を振り回すように動くこと。
重要なのは見た目の動きではなく、どの筋肉を使ってその動きを作り出すかと言うことだ。
バランスクッションの上に立つのもおすすめ
ダンスで軸がぶれないようにしたいなら、足場が不安定な場所で運動するのも手だ。
伊達公子選手のトレーナーをしていた鍼灸師の先生は、伊達さんをコートではなく、池に浮かべたボートに乗せ、そこで球打ちをさせたそうだ。バランス感覚がもの凄く鍛えられそうでしょ?
初めは片足で立つだけでも大変だが、慣れてくるとバランス的には立てても、足がきつくて片足立ちを維持できなくなってくる。
不安定なところで立つだけでも、筋肉の負荷は思いの外大きい。
足を置く位置でも、負荷のかかる筋肉が変わる。
両足で乗るにしても、片足で乗るにしても、足の置き場所を時々変えてみよう。
もちろん怪我をしないように、細心の注意が必要なことは言うまでもない。 そんな風に、目的に合わせた方法を自分で工夫していこう。
自分で工夫すると、義務だったトレーニングが楽しくなる可能性も大です。