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治療院アジアート

トレーニングの目的と方法   ダンサーのための解剖生理学入門

2015.12.02 22:18

目的を達成するためには、それに適した方法があります。 

頑張った割には成果が出ない。そんなときは、やり方を見直す必要があるのかも知れません。 

例えば、 基本的な動きの反復練習。 

動きに必要な筋肉を鍛えると同時に、その動きに関係する全ての筋肉と神経の連携を高めます。 患者さんに「お腹を引っ込めてください、お腹に力を入れて」などと指示をしても「どこに力を入れればいいかわからない」と言われることもしばしば。 

やったことがない動きはやり方がわからないんですね。 

正しい動きを生み出すためには、脳神経系の学習が不可欠です。 

注意しなきゃならないのは、失敗を何度も繰り返してしまうと、脳がその動きを覚えてしまう可能性もあるということです。 

何度やっても上手くいかないときは、一度休んで、上手くいったときのイメージを鮮明に描いてから、あるいは上手くできるところを繰り返してから再度やり直すなどの工夫が必要です。 

動きを覚えるのは筋肉ではなく、脳を含めた神経系だと言うことを覚えておいてください。 

マシントレーニング。 

通常の動きの中では、(床に寝て上体を起こす腹筋運動が、腹直筋と腸腰筋の共同運動であるように)筋肉は必ず連携して働きます。  

多くのトレーニングマシンでは、協調する筋肉の動きを排除し、特定の関節の、特定の運動方向だけに動きを集約することで、ターゲットにした筋肉を選択的に鍛えるよう設計されています。 

ボディービルダーが必ずしも運動が得意ではないように、ジムに行って筋トレを繰り返しても、素晴らしいバランス感覚や、美しい動きを得ることには繋がらないかも知れません。 

その代わり、見せたい筋肉を選択的に鍛え、大きくすることが出来るので、美しい肉体を作る事は得意です。  

テニスの伊達公子さんのトレーナーをしていた方が書いた本によると、伊達さんは湖に浮かべたボート上で球を打ち返す練習をしていたそうです。 

足下が不安定で体勢が崩れても立て直す、バランス力と予測能力が存分に鍛えられたのではないでしょうか。まあ、普通の人なら一瞬で水の中ですよね。 

バランスボールを使えば、池やボートは必要ありません。 

若いときから痩せている人が中年になると、全体的に太らなくてもお腹だけが出てきます。 昔のジーンズが何とか履けても、ウエストの上にぷよっとした何かが乗っている。  

何とかお腹を引っ込めたいから腹筋運動を頑張ったけど、その割りにはお腹が引っ込まない。どうしてでしょうか?  

お腹が出てくるのは、腹筋が弱ったせいだと思っている人は多いと思います。私も以前はそう考えていました。 

でも自分が当事者になって、もう少し真剣に考えてみると、お腹が出るのは内臓が下がってくるからだなということに気付いたんです。 

体脂肪は、血流に乗って全身に配分されますから、お腹の部分だけが局所的に太ると言うことはありません。 

元々痩せている人は、皮下の脂肪の貯蔵庫である脂肪細胞自体の数が少ないので、全身に配られず内臓脂肪として蓄えられやすいというのもあると思います。 

だから中年男性に、お腹だけが出ている人が多い。でもやせ形の女性の場合は、内臓を持ち上げる力が弱まって下がってくるから下腹が出てくるんじゃないか。私はそう予想しています。 普通の腹筋運動は腹直筋や腸腰筋を鍛える運動です。 

ひねりを加えて腹斜筋などを鍛えても、どれも表層の筋肉なので、腹筋が割れるまで鍛えないとお腹を凹ませるほどの効果は期待出来ません。  

内臓を持ち上げ、お腹を引っ込めるときに使われるのは横隔膜です。 

ですからここを鍛えなければいけないのですが、横隔膜を鍛えるってどうやるの?ってなりますよね。 

私は、内臓を胸郭に中に引き上げてお腹を引っ込めることをイメージしていますが、それが上手くできない人は腹式呼吸をやってみましょう。 

以前流行した呼吸法のダイエットは、横隔膜を鍛えるので、中年太りに適した方法だったんですね。 横隔膜を鍛えるメリットは他にもあります。 

俗に言う腹筋(腹直筋)は胸骨の下から恥骨に繋がっているので、ここに力を入れると、ボディービルダーが筋肉を見せるときのように背中が丸くなりますが、横隔膜を使ってお腹を引っ込めると、バレエで言うところの引き上げる感じになり、とても美しい姿勢を作る事が出来るんです。 

特に女性の方は是非、お試しください。