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鈴木かずひろ Official Website

新信濃変電所視察

2024.03.21 08:41

千葉県資源エネルギー問題懇話会の視察で、東京電力パワーグリット㈱の新信濃変電所に行ってまいりました。

日本における電気事業のはじまりは明治時代にさかのぼりますが、発電当初、東日本ではヨーロッパから輸入した50Hzの発電機、西日本ではアメリカから輸入した60Hzの発電機を利用していたため、国内で異なる周波数の電気を扱うようになりました。

その後、周波数を統一する動きもあったようですが、全国的に統一するには莫大な費用と時間を要することから断念。

周波数の異なる電気をやり取りするため、東西をつなぐ3箇所の変電所で周波数を変換し、電力の融通を行っていました。

2011年3月11日に発生した東日本大震災では、東北電力および東京電力管内の電力損失が発生。その際、東西の電力融通が最大限に行われましたが、周波数変換設備の容量制限により、供給力不足が生じ、計画停電や節電要請など、国民生活に大きな影響を及ぼしました。

大規模災害発生時における電力の安定供給のため、東西間の電力連携の必要性が高まったことから、周波数変換設備の増強の検討が行われました。

その結果、新信濃変電所ではこれまで、300MW規模の周波数変換装置2基を運用していましたが、新たに900MW規模の周波数変換装置を増強し、2021年から運用しています。

50Hz側の新信濃変電所と60Hz側の飛騨変換所には、それぞれ交流電力を直流電力に変換する設備が設置されており、送電効率が良いことや鉄塔などの設備費用が抑えられることから、飛騨信濃間は直流電力で送電されています。

我々の生活に欠かせない電力を安定的に供給する、周波数変換設備の重要性を改めて認識しました。