大阪ブルー・オーシャン・ビジョン推進議員連盟の総会に参加しました
こんにちは!ピリカの小嶌です。
いつも私たちピリカの取り組みを応援いただきありがとうございます。
ピリカでは、ごみ拾いSNS「ピリカ」をはじめとする様々なサービスの開発・運営に加え、ごみの調査や流出対策、リサイクルといった取り組みを行っています。
個人だけでなく、企業や自治体など様々な業界や立場の方々にご協力いただき、少しずつ問題を解決していくのですが、中には法規制などの構造的な課題が原因で、どうにもこうにも解決に苦慮してしまう「難問」も存在します。
そんな時、ただで諦めて引き下がってしまうのであれば、憧れの研究者の道を諦めてピリカを作った意味がありません。押してダメなら引いてみよ、引いてダメなら...そんな時は政策提言です。
なんじゃそりゃ!?という方も多くいらっしゃるかと思いますので、今回はそんな政策提言の舞台裏をご紹介します。
先日、私たちピリカは2024年3月4日(月)に開催された「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を推進する議員連盟の総会へ参加しました。
「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン推進議員連盟」は、2050年までに海洋プラスチックごみの新たな汚染ゼロを目指す国際合意を推進する自民党有志の議員連盟です。
今回開催された、大阪ブルー・オーシャン・ビジョン推進議員連盟の総会においては、元環境大臣の小泉進次郎さんや元環境副大臣の笹川博義さんをはじめとする国会議員の方々に加えて、環境省、外務省、経済産業省、水産庁、スポーツ庁などから問題解決に関わる部門の責任者の方々が参加されていました。
テレビ中継されている国会や政党が運営する会議に加え、議員が主体的に開催するテーマごとの会議を通じて、日本の政策がどうあるべきか、どのような方針で法律を作ったり、法改正を行なって問題解決を進めていくかが議論されています。今回の場でのピリカの役割は、ピリカの事業やネットワークを通じて知り得た現場の課題を共有し、解決に向けた提案を行うことでした。
SNSピリカを通じて全国から寄せられるごみ問題に関する様々な意見や声だけでなく、陸・水域におけるごみ調査や、流出対策事業、リサイクル事業などを通じて知った課題は数え切れませんが、時間は限られています。そのため今回は、特に深刻かつ具体的な3つの課題に絞った課題の共有と提案を行いました。
1つめは、漁業系プラスチックごみの現状と対策について。2つめは、マイクロプラスチックとしての流出が深刻な人工芝の問題について。最後は、回収したごみリサイクルを阻む課題についてです。
漁業などの現場から流出する漁業系プラスチックごみ(フロート、網など)は、ごみ拾いSNS「ピリカ」のユーザーの皆さんからも多数の投稿をいただいており、また多くの漂着ごみの中でも常に上位にランクインする深刻なごみの流出要因です。漁具の中には適切に廃棄しようとすると購入価格に匹敵する廃棄コストがかかる製品が少なくありません。そのため、港などに大量の使用済み漁具が積み上げられ、悪天候時に流出してしまう「準不法投棄」のような状態になっている現場もあります。
非常に複雑な問題ではあるのですが、根本解決できると海洋流出するごみを大幅に削ることができる、介入のインパクトが大きな領域です。ピリカからは「耐久性の高い製品への買い替え促進」や「使用済み漁具の不適切な管理を準不法投棄として規制する」といったご提案をさせていただきました。
2つめの、マイクロプラスチックとしての人工芝の流出は、2018〜2020年度にピリカが日本財団 海と日本プロジェクトの一環で実施した「マイクロプラスチック等の流出実態調査」にて明らかになった課題です。当時の調査では、国内の水域を浮遊するマイクロプラスチックの実に20%が人工芝由来であることが明らかになり、結果は様々なメディアで報道され、驚きを持って受け止められました。
今回の場では、スポーツ施設等からの人工芝流出抑止に向けた取り組みの現場や、解決・改善を阻む課題について共有すると共に、人工芝化を後押しする財源となっている助成金のあり方などについて提言をさせていただきました。
最後の回収したごみリサイクルを阻む課題については、私たちピリカが、まちなどに流出したごみ・海岸漂着ごみなどのリサイクルに取り組む過程で、どんな仕組みや規制がリサイクルを阻んでしまっているか、もし問題を解決できればどのような環境ビジネスが生まれうるかといった内容を国内・海外の事例を交えてお話しました。
いずれの提案内容についても、そのまま実行すると逆に別の問題を引き起こしてしまう懸念が指摘されるなど、まさに「あっちを立てればこっちが立たず」という課題はあったものの、総じて前向きかつ重要な問題として受け止めていただいた印象を受けました。
通常、ごみに関する問題は、複数の分野・利害関係者が絡む問題のため、誰も判断ができず話が進まない... ということも少なくはないのですが、今回の場では国会議員の方々が議論をリードし、個々の課題に対してどの省庁が主体的に検討を進めるかがその場で明確に決まっていくため、通常の個別面談と比較して明らかに物事が前に進んでいる実感がありました。
「ぜひ、人工芝流出問題、私自身も発信・推進していきます!」といった背中を押されるようなコメントをいただく場面もあり、まだまだ議論の続く課題ではありますが、貴重な一歩となる時間をいただけたと思っています。
また、1つ間違いなく言えることは、私たちピリカがこのような場で発言の機会をいただけるのは、ごみ拾いSNS「ピリカ」やタカノメをはじめとするサービスを通じて多くの方々から寄せられた意見や情報、データがあるからだということです。日々の皆さんの活動や応援に心から感謝すると共に、より一層ごみ問題解決に向けたインパクトある取り組みを模索していきたいと思います。
簡単な道ではありませんが、頑張りましょうね!
これからも引き続きよろしくお願いします!