SS ウルトラマグナス レビュー
2024.03.26 12:36
今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、
“SSー119 ウルトラマグナス” です。
“トランスフォーマー ザ・ムービー” から登場したオートボットの
“シティコマンダー ウルトラマグナス” が、
スタジオシリーズに登場。
スタジオシリーズ初のコマンダークラスの大ボリュームで発売されました。
シージ(SG)でオリジナルトイベースの中のヒト変形ギミックを再現してリメイクされたのち、キングダム(KD)ではその流用でアースモードと、多くの初代メンバーと同様の路線を辿ったウルトラマグナス。
しかし、ロボットモードはともかくビークルモードのデザインがアニメデザインとは待ったく違うものになっていたので、いずれスタジオシリーズでもう一回ということもあるんじゃないか? と思っていたらその通りになりました。
ただ、やってもやはりシージ、キングダムから多少なりは流用してくるだろうという予想は外れて完全新規。
しかもスタジオシリーズ初のコマンダークラスという破格の待遇を得ての再リメイクとなりましたね。
まぁ、2010時代のオートボットのナンバー2ですし、トップがすでにキングダムのコマンダークラスで発売されていることを思うと、それ以上の体格の持ち主ですから当然の措置という気もします。
しかしこうなってくると、タイタンクラスと並んで年一と思っていたコマンダークラスも、今後はジェネレーションラインとスタジオシリーズ、それぞれで1つずつ出すようなことになるんだろうか?
そもそも昨今のコスト問題を鑑みると、これまでリーダークラスで十分やれていたことでもコマンダークラスにしないとできなくなってきたようなところがありますからね。
サイズ的にはデラックスやボイジャーでも十分と思えるキャラだって、ギミック、付属品の類いを充実させるためにはそれぞれクラスアップさせる必要が出てきている。
逆にサイズ相応に留め置かれたものは貧弱で中途半端なものになってしまっているものもちらほら・・
なんでもかんでも高くなってるからなぁ。
でも、どうせなら多少高くなってもよりちゃんとしたものを作っててほしいとは思います。
そのわりに、値上げのたんび文句言ってるじゃん・・と思われるでしょうが、値段上がるわ内容薄まるわじゃ文句も言いたくなるでしょうと。
まぁ、そのへんの印象はモノによってけっこう違ってくるんですけどね。
だからクラス分け=価格統一をやめればいいんだよ。
話が逸れました。
レビューしていきます。
パッケージ
スタジオシリーズ初のコマンダークラス。
パッケージの縦横サイズはジェネレーションラインのものと同じ。厚みはKD ロディマスプライムよりわずかに厚かったです。
自らが任された地球基地の防衛のために戦うマグナスの勇姿が描かれていますね。
上辺には、その後地球を発つときに乗り込んだ宇宙船のイラストも。
シティコマンダー ウルトラマグナス
ザ・ムービーが初登場。
役職名の通り、いきなり地球防衛部隊の司令官として登場していますが、設定としてはオプティマスの要請を受けてサイバトロン星から赴任してきたということらしいです。
メガトロントの一騎討ちで死亡したオプティマスからマトリクスを託され、オートボットの新総司令官に就任。
その後部隊を2つに分け、ユニクロンの討伐に向かいますが、その道中でユニクロンの力で復活したメガトロン=ガルバトロンの襲撃を受け、宇宙船がジャンキオン星に不時着。
さらにジャンキオン、再びにディセプティコンの襲撃を受けるなか、仲間を逃がすためにマトリクスの力を解放しようとしますが叶わず、バラバラに破壊されマトリクスも奪われてしまいました。
彼自身はのちにジャンキオンたちによって修復され復活。
ユニクロンの体内でガルバトロンとの戦いに勝利し、正式にマトリクスを受け継いだホットロッド⇒ロディマスプライムを新たな総司令官に、自身はナンバー2として、以降彼を支えることに徹しました(2010)。
日本独自展開となったヘッドマスターズでも、引き続き地球基地の司令官として組織のナンバー2の位置を占めますが、シックスショットとの戦いに敗れ死亡。
その亡骸は長らく守り抜いた地球に埋葬されました。
ロボットモード
劇中の大柄なイメージ通り、SGおよびKG版よりも一回り以上大きくなって再登場。
公式画像などを見た限りでは、さすがに肩幅が広過ぎないか? と思ったのですが、実際に現物を見て、触ってみると案外気になりませんでした。
そういえばアニメでもかなりの肩幅でしたわ。
ほかに見ためで気になるところもほぼなし。
腕も脚も太く、とくに脛から足までフラットに繋がるラインがいいですね。
全体にがっしりむっちり、肉厚なボディが再現されています。
カラーリングもメインカラーのブルーは水色に近い明るい色でイメージ通り。
SG版もKD版もかなり濃い色になってましたからね。
頭部アップで。
マッチョなボディとはちぐはぐな感もある理知的なお顔立ち。
爽やかイケメンですねぇ。なんたって声は速水 奨さんですからね。
目はクリアブルー成型で集光ギミックあり。かなり効果的です。
頭部左右のアンテナはなぜか開封後に取り付ける仕様でした。
なので取り外し可能。
さらに基部トロッド部分とに分割することもできます。
とくに意味はないですけどね。
なお、基部裏側にはちゃんと左右がわかる刻印があります。
胸部は一部クリアレッド成型になっています。
オリジナルトイだと、ちょうど内蔵するキャブのウインドウが来る位置ですかね。
胸部は開閉可能。
まず左右の青いパーツを開き、
さらに中央のT字状のパーツを上げるとスプリングにより自動的に内側のパーツが左右に開きます。
内部にはオプティマスから託されたマトリクスが。
マトリクスはもちろん取り外し可能。
これまでに何度か立体化されてきたマトリクスと基本同じデザイン、サイズですが、新規造形でしょうね。
中央のコア部分はクリアブルー・・というか一体成型なのでクリアブルーのパーツにシルバーやゴールドで塗装されています。
マトリクスを取り外した胸部にもしっかりディティールが。
マトリクス固定用のジョイント部分は成型色のままなので、塗装剥げの心配もありません。
腕部は基部が開き、そのまま横向きに上げることが可能。
また、これは本来の仕様ではありませんが、肩の固定ジョイントを外すことで、
つづら折りされているフレームパーツごと前方向に動かすこともできます。
まぁ、見る角度によってはちょっと不格好ですけどね。
特徴的な肩から生えた突起ですが、今回は先端部分に変形時に使うジョイントがあり、これがロボットモード時にはわりと簡単に動いてしまいます。
ここはクリックを仕込むなどして位置が固定されるようにしてほしかったかな。
まぁ、些細なことではあるんですが。
手は親指だけ固定ですが、人差し指は単独で、中指以下の3本は一体でそれぞれ根元と第二関節で可動します。
ポージングの表現の幅が広がる指の可動は嬉しいですね。
ただ、前腕全体を覆う大型装甲のせいで、手首ロール可動含めちょっと動かしにくいです。
ちなみに、体格に比例して手も当然大きいため、そもそもマトリクスが小さ過ぎて両手で持つのは厳しいです。
ザ・ムービー劇中ではフレームをしっかり握ってたんだが・・
指1本通すのがやっとですね。
これは開けられなくても無理はない。
腰部フロントアーマー、サイドアーマーはぞれそれ可動。
リアアーマーも可動し、
脚部可動域が確保されています。
背面。
非常に綺麗にまとまっていますね。
同じビークルモードからの一体変形を再現していたレジェンズ(LG)版では背中にキャブ後輪パーツなどが丸見えでしたが、今回はちゃんと内部に収納されています。
当然肉抜きなどもなく、正面に較べて情報量が大きく落ちているなんてこともありません
全身隙なくみっちりしてますね。
背中のディティールはわりとシンプル。
でもポイントでシルバーで塗装されていて丁寧な仕上がり。
右側のダボ穴は武器マウントの用ですね。
脛裏本体は赤色成型のパーツにブルーの塗装がされているですが、成型色との色味の違いはあまり気になりません。
踵位置にあるギア状の造形は、変形時のクリック機構が露出したもの。
うん。嫌いじゃないよ。
なお、正面の白いパーツのジョイントを外すことでそのクリック可動を活かし、足首を動かすこともできます。
というか、白いパーツのジョイントはかなり外れやすいですね。
まぁ、外れたところでとくに支障はないんですけど。
付属武装
スーパーブラスターガン
メイン武装となる手持ちの射撃武装。
全体がシルバーで塗装されています。
銃口先端は3㎜軸。
ボリュームや付属のエフェクトパーツとの相性も考えると5㎜穴にしておいてほしかったかも・・
ブラスター
もう一つ付属する名称不明のブラスター。
ジャンキオン星の戦闘で使っていたものですね。
こちらも銃口先端が3㎜軸になっています。
スーパーブラスターガンは腰部リアアーマーに、もう1丁のブラスターは背中にマウント可能。
ミサイルランチャー
両肩に装備するミサイルランチャー。
左右で対称造形になっています。
弾頭部は5㎜軸で取り外し可能。
付属のエフェクトパーツと組み合わせることで発射状態の再現も可能です。
エフェクトパーツ
もはやお馴染みの、複数を連結可能な砲撃エフェクト。計7個付属。
噴煙イメージのウェザリング塗装がされていますね。
しかし、そろそろ新規造形してくれてもいいのでは?
分解ギミック
ジャンキオン星にて、ディセプティコン攻撃によってバラバラにされた状態を再現できる分解ギミック。
腕部は一旦上腕以下を展開し、
後ろ向きにスライドして取り外し。
脚部はそのまま外側にスライドして取り外せます。
胴体についてはさらにビークルのキャブ部分のみ取り外すこともできます。
ただ、今回はあくまでアニメ版の設定を再現したものなので、SGおよびKD版のようにこれ単体でいわゆる中のヒトに変形させることはできません。
なお、腕と脚の接続ジョイントはユナイトウォリアーズのスクランブルコンバイナーの合体ジョイントに近い仕様ですが、近いだけで完全互換性があるわけではありません。
また、スクランブルコンバイナーとは雌雄が逆になっています。
つまりはマグナスの胴体側のジョイントが、スクランブルコンバイナー腕脚組のジョイントに相当しているんですね。
でも完全互換性はないものの、マグナスの胴体にスクランブルコンバイナーの胴体担当を合体させることは、一応可能。
以下はあくまで一例ですが、腕部のジョイントスクランブルコンバイナー側に対して緩めなので、
可動ヒンジを下に回して、それで支えるような感じで上からスライドさせてやると比較的安全。
脚部のジョイントは逆にキツめ。
無理にはめ込もうとすると破損の畏れもあるので自己責任で。
ハイパーマグナス
そんなわけでマグナスの胴体にUW シルバーボルト(左脚)、ホットスポット(左腕)、スキャッターショット(右脚)、スカイリンクス(右腕)をそれぞれ合体させてみました。
ほかにもいろいろパターンはあるかと思いますが、仕様ではないので。
あくまで自己責任で楽しんでくださいね。
一方、マグナスの腕部とスクランブルコンバイナー腕脚組とでは、
ジョイントの頭部分の幅が合わないため合体不可。
脚部は、
そもそもジョイント位置が深過ぎるため、やはり画たちは不可です。
そもそもマグナス自体、腕と脚とではジョイントの形状・・溝の幅がわずかに違うため、互換性はありません。
なんで同じ規格にしないんだろう?
ビークルモード
トランスポーターカーにトランスフォーム。
キャリアカーと呼ぶほうがしっくりくるけどなぁ・・
ともかく、アニメデザインほぼそのままのビークルモード。通常ラインでのリメイクはこれが初ですかね?
アニメ設定通り、キャブとキャリアを分離させることなく変形が可能です。
変形パターンはマスターピース版をおおむね踏襲しているそうですが、持っていない僕にとってはなかなか新鮮で面白かったですね。
同じく一体変形するLG版にも似た感じはありましたが。
真横から見ると長いですねぇ。
キャブとの比率も完璧じゃないでしょうか。
ロボットの脛ほぼそのままのリア部。
非常にシンプルな変形だったオリジナルトイとほぼ同じ形になってるんだよなぁ。
先の分解ギミックの項でも触れましたが、キャブだけ分離させることも可能。
白いコンボイですね。
フロント、サイドウインドウはそれぞれクリアパーツで再現。
フロングリルもシルバーで塗装されていますが、ライトなどは塗装されず、これ単体で見ると少し寂しい感じは否めません。
後ろ側は例によって最低限という感じかなぁ。
穴開いてますしね。
ここのパネルを開くとマグナスの頭部が。
起こすことも可能。