満月とスキンヘッド
イタリアに留学していた時のできごと。
(かれこれもう25年くらい前かぁ)
夜7時ごろ、友達の家から自転車で我が家に向かっていた。
その当時は、町の中心から少し離れたところにあるアパート
(自転車で15分くらい)にルームシェアしていた。
道中は人通りが少ない静かな田舎って感じ。
その日はきれいな満月で
「満月の夜ってなんか人が変わるってよく聞くよなぁ」
とかそんな事を考えながら漕いでいた。
家から5分くらい手前に、右側が何かの施設なのか
高い塀がずーっと100メートルくらい続いている一車線の道があった。
道の左側は畑や家がポツポツとある感じ。
その塀の通りに入る手前の、交差点の信号待ちで止まった時
前に止まっていた自転車のスキンヘッドの男が後ろを振り向いて私を見た。
その時の私を見る目つきが上から下まで舐めるような感じで
ゾワっとちょっと嫌な感じがしたので
信号が変わるや否や急いでその男を追い越した。
高い塀沿いに必死で走っていると、後ろからその男がついてきてるーー!
えーーーーっっ!! やばい!!!
必死でペダルを漕いだけど追いつかれ
しかも前に回られて通せんぼされてしまった。。。
男は何やらイタリア語で言っていてよく聞き取れなかったけど
ジェスチャーで口でやれ的な事を言ってるのが分かり。。。。。
「わーーー、、、これはほんまにヤバいやつかも…」
と思った瞬間。
頭でどうしようか考える間もなく、私は自転車を倒しながら降り、大きく息を吸って
「助けてーーっ!!」
と大声で何度も叫んでいた。
男は私が叫ぶとは思ってなかったらしく、慌てて走り去った。
一人残された路上で、良かったぁ〜〜と呆然とした気分でいながらも
さっきの自分の行動に驚いていた。
イタリアではスキンヘッドの人が多い。
髪の毛が薄くなってくると、みなさん潔く坊主にする傾向がある。
なので、それ以来しばらくスキンヘッドの人恐怖症になった。
満月とスキンヘッドの組み合わせは特に。
日本ではそんなに出会わないので今はトラウマも薄れたけど
満月になるとこのエピソードを思い出す。
あの頃の自分よ、よくやった!