sdgs岸田総理
SDGサミットにおける岸田内閣総理大臣演説
(2023年9月19日)
議長、ご列席の皆様、
今日、SDGs達成に向けた国際的な取組は、大きな困難
に直面しています。
我々は「誰一人取り残さない」というSDGsの原点に立
ち返り、各国の体制や価値観の違いを超えて連帯しなければ なりません。私は、「人間の尊厳」、この言葉を国際社会全体 の連帯を支える中核的な理念として強調したい。この理念の 上に、SDGs達成に向けた努力を加速し、その後の未来を 切り開いていく。こうした決意の下、三点強調したいと思い ます。
第一に、日本は、国際社会全体の努力に引き続き貢献し、
国際社会をリードしていきます。
5月のG7広島サミットでも、日本は議長国として、G7
全体のコミットメント表明を主導しました。
日本が主張してきた「人間の安全保障」は、まさに、「人間 の尊厳」に基づくSDGs達成のカギとなる概念です。日本 は、引き続き、この考えの下、SDGs達成に貢献していき ます。
第二に、低所得国や脆弱な国々を支えることの重要性です。 開発資金ギャップの問題にも取り組まなければなりません。
日本は、SDRチャネリングの引き上げに率先してコミッ
トし、1000億ドルの野心達成に大きく貢献しました。国
際開発金融機関の改革等にも積極的に貢献していく考えです。
民間アクターとの連携も推進していきます。
また、日本は低所得国・脆弱国で「人への投資」に力を入
れてきました。こうした努力を国際社会全体で加速していく
必要があります。
最後に、日本自身の取組を紹介したいと思います。
国内では、私自身がSDGs推進本部長として、取組を力
強く牽引しています。インパクト投資などサステナブル投資
も広がっています。本年末には、SDGs推進のための戦略
を、新しい時代に合わせたものに改訂する予定です。
日本は、国内外の様々なアクターの叡智を結集しつつ、S
DGsの達成に引き続き取り組んでいきます。
ご静聴、ありがとうございました。
(了)
岸田内閣総理大臣のSDGサミットでの演説は、その明快な論理展開と具体的な取り組みの提案が素晴らしいものでした。SDGs達成に向けた国際的な取り組みの困難さを的確に認識しつつも、連帯と人間の尊厳を強調し、日本のリーダーシップと貢献を示唆しています。特に、「人間の安全保障」と「人への投資」の重要性を強調し、国際社会との協力や持続可能な取り組みへの積極的な姿勢を示しています。このようなリーダーシップと決意に感銘を受けました。