ZIPANG-8 TOKIO 2020 茶の湯と琳派の名品が一堂に!中四国初開催「畠山記念館名品展-松平不昧ゆかりの逸品と琳派-」
令和6年1月1日午後4時10分頃発生した、
能登半島地震で被害を受けた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。(編集局)
不昧公
「茶の湯は稲葉に於ける朝露のごとく、枯野に咲けるなでしこのやうにありたく候」
国宝、重要文化財、重要美術品を含む至極の品々、約70点。
重要文化財《唐物肩衝茶入 銘 油屋》中国・南宋~元時代 畠山記念館蔵
島根県立美術館では、企画展「畠山記念館名品展-松平不昧ゆかりの逸品と琳派-」を下記のとおり開催いたします。
東京港区・白金台にある畠山記念館は、昭和39年(1964)、株式会社荏原製作所の創業者である畠山一清(いっせい)(1881~1971)によって設立されました。事業のかたわら即翁(そくおう)と号して能楽と茶の湯を嗜む数寄者でもあった畠山一清は、長年にわたり美術品の蒐集に努めました。そのコレクションは、茶道具を中心とする、日本、中国、朝鮮の古美術品で、国宝6件、重要文化財33件を含む約1300件にも及びます。
即翁の愛蔵印に刻まれている「與衆愛玩(よしゅうあいがん)」の言葉には、「自らの蒐集品を独占するのではなく、多くの人と共に楽しもう」という数寄者即翁の想いが込められています。本展は、施設改築工事のため休館している畠山記念館の「與衆愛玩」の想いを分かち合うために中四国の地で初めて開催される展覧会です。畠山記念館の所蔵品の中から茶の湯と琳派の名品に加え、松江藩七代藩主松平治郷(はるさと)〔号・不昧(ふまい)〕ゆかりの品を紹介します。即翁の審美眼と美意識に触れ、彼が愛した茶の湯をはじめとした日本文化を末永く伝えていきたいという思いを共有する機会となれば幸いです。
展覧会名:「畠山記念館名品展-松平不昧ゆかりの逸品と琳派-」
会期:令和6年4月19日(金)~6月10日(月)
[前期]4月19日(金)~5月13日(月)[後期]5月15日(水)~6月10日(月)
開館時間:10:00~日没後30分(展示室への入場は日没時刻まで)
休館日:毎週火曜日(ただし4月30日は開館)
会場:島根県立美術館 企画展示室(松江市袖師町1-5)
主催:島根県立美術館、公益財団法人荏原畠山記念文化財団 畠山記念館、
日本経済新聞社、TSKさんいん中央テレビ、山陰中央新報社、SPSしまねグループ
学術協力:京都国立博物館
特別後援:島根県茶道連盟、松江菓子協会、山陰茶商組合
観覧料:オンライン・ローソンチケットは3月19日より販売開始
●前売券 オンラインチケット/ローソンチケット(Lコード:61824)
企画展+コレクション展セット
一般:1,100円 大学生:800円 小中高生:400円
●当日券 ※( )内は団体料金
企画展+コレクション展セット
一般:1,450円(1,160円) 大学生:1,100円(880円) 小中高生:500円(400円)
企画展のみ
一般:1,300円(1,040円) 大学生:1,000円(800円) 小中高生:500円(400円)
※( )内は20名様以上の団体料金 ※小・中・高生の学校教育活動での観覧は無料
※身体障害者手帳(障害者手帳アプリ:ミライロID)、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、被爆者健康手帳をお持ちの方、及びその付添の方は無料
酒井抱一《四季花木図屏風》江戸時代【前期展示】畠山記念館蔵
1.展示構成
1章 蒐集の始まり
《古九谷青手菊青海波文大平鉢》江戸時代 畠山記念館蔵
即翁は石川県金沢市に生まれ、大学卒業後は技術者として経験を積んだ後、荏原(えばら)製作所を設立し、実業界で活躍します。事業を営むかたわら、数寄者としても活躍しました。即翁の生涯にわたる蒐集は、大正4(1915)年購入した故郷ゆかりのやきもの、古九谷の大鉢から始まります。初期の蒐集品と金沢ゆかりの作品をご紹介します。
2章 名品との出会い
重要文化財《柿の蔕茶碗 銘 毘沙門堂》朝鮮半島・朝鮮時代 畠山記念館蔵
即翁は数寄者として茶の湯を実践し、名品茶道具の蒐集に熱意を傾けました。誰もが認める名品を集める一方で、即翁自身の審美眼に従い、個性的な作品も蒐集しています。また、即翁は実業家であり数寄者でもあった益田鈍翁(ますだどんおう)から強い影響を受けました。二人の関係をより深めるきっかけとなったのが《柿の蔕茶碗 銘毘沙門堂》(かきのへたちゃわん めい びしゃもんどう)(重要文化財)です。毘沙門堂披露の茶会での道具組の一部を再現しご紹介します。
3章 不昧ゆかりの茶道具「雲州蔵帳(うんしゅうくらちょう)」
大名茶人として知られる松江藩主松平不昧の存在は近代数寄者に大きな影響を与えましたが、即翁にとっても同様でした。即翁は不昧への敬慕から、不昧ゆかりの茶道具を数多く蒐集しています。かつて秀吉が所持し、のちに手にした不昧が天下の宝物として格別の扱いをした《唐物肩衝茶入 銘 油屋》(からものかたつきちゃいれ めい あぶらや)
(重要文化財)はその代表と言えます。※トップの画像参照
4章 琳派蒐集と好みの道具
重要文化財 尾形光琳《躑躅図》江戸時代【前期展示】畠山記念館蔵
畠山記念館には優れた琳派作品が数多く所蔵されており、同館のコレクションを特徴づける要素の一つとなっています。また、即翁は好みの茶道具の制作依頼を通じて職人を支援し技を磨かせています。これらの根底には、同じく琳派蒐集をし、好み道具の制作を行った先達の数寄者への思慕があったと思われます。
5章 與衆愛玩の想い 海外への視点
重要文化財《青花龍濤文天球瓶》 中国・明時代 畠山記念館蔵
「與衆愛玩」とは、即翁所蔵の茶道具の愛蔵印「即翁與衆愛玩」を典拠(てんきょ)とし、「自らの蒐集品を独占するのではなく、多くの人と楽しもう」という精神を表しています。即翁はこの言葉を実践するために畠山記念館を設立しました。
美術館設立に向け即翁は茶道具以外の中国鑑賞陶磁などを購入し、コレクションを充実させています。
本展主要作品
国宝 藤原佐理《離洛帖》平安時代【後期展示】、重要文化財 《伊賀花入 銘 からたち》
桃山時代、重要文化財《唐物肩衝茶入 銘 油屋》中国・南宋~元時代など、国宝1件
(後期のみ)、重要文化財7件(通期6件、前期のみ1件)、重要美術品1件(後期のみ)を含む約70件。
2.関連イベント
1)オープニングセレモニー 【要事前申込】
日時:4月19日(金)9:40~
2)オープニングギャラリートーク 【要企画展観覧料】
日時:4月19日(金)10:00頃~(約45分)
講師:水田 至摩子(すいた しまこ)(畠山記念館 学芸課長)
会場:企画展示室
3)記念講演会 【聴講無料】
国宝 藤原佐理《離洛帖》 平安時代【後期展示】畠山記念館蔵
①日時:5月12日(日)14:00~(約90分)
講師:水田 至摩子(畠山記念館 学芸課長)
演題:畠山即翁と「與衆愛玩」の想い
②日時:5月26日(日)14:00~(約90分)
講師:降矢 哲男(ふりや てつお)
(京都国立博物館 調査・国際連携室長)
演題:近代数寄者が憧れた松平不昧蒐集の茶道具
会 場:いずれもホール
(190席当日先着順/30分前開場)
4)ギャラリートーク 【要企画展観覧料】
日時:5月15日(水)14:00~(約60分)
講師:水田 至摩子(畠山記念館 学芸課長)
5)スライドトーク(担当学芸員による展示解説)【聴講無料】
日時:4月27日(土)、6月1日(土)14:00~(約60分)
講師:山本 麻代(当館主任学芸員)
会場:ホール(190席当日先着順/30分前開場)
6)家族で参加 謎解きギャラリートーク 【要企画展観覧料】
ヒントは作品にあり!みんなで謎解きに挑戦しよう
日時:4月28日(日)、4月29日(月・祝)、5月5日(日・祝)、5月6日(月・振休)、5月11日(土)
各日10:30~(約45分)
講師:山本 麻代(当館主任学芸員)
対象:小中学生とその家族
会場:企画展示室
※児童福祉週間中は小中学生の観覧無料
7)絵本とおでかけ企画展示室 【要企画展観覧料】
絵本のお話を聞いて作品を見にいこう
日時:4月21日(日)、5月19日(日)各日10:30~(約60分)
担当:山本 麻代(当館主任学芸員)他
対象:小学生とその家族(当日先着約20名様)
会場:キッズライブラリー、企画展示室
集合:キッズライブラリー(先着20名程度)
※両日「しまね家庭の日」家族で来館した高校生以下観覧料無料
8)美術館キネマ 【鑑賞無料】
©2018「日日是好日」製作委員会
エッセイストの森下典子が約25年にわたり通った茶道教室
での日々をつづった人気エッセイ「日日是好日『お茶』が
教えてくれた15のしあわせ」を映画化した作品を上映。
タイトル:『日日是好日』
出演:黒木 華、樹木 希林、多部 未華子
日時:5月18日(土) ①10:30~②14:00~
会場:ホール(190席当日先着順/30分前開場)
9)お茶席 【当日先着順・有料】
※画像はイメージです
日時:4月19日(金)、20日(土)10:30~
会場:島根県立美術館カフェスペース
料金:一服 800円(和菓子付)
備考:各日先着100名様(和菓子がなくなり次第終了)
協力:松江菓子協会
10)子ども和菓子作り教室 【事前申込・有料】
※画像はイメージです
季節のお花をイメージした和菓子をつくります。
日 時:5月3日(金・祝)①10:30~②13:00~③14:30~④16:00~
5月4日(土・祝)⑤10:30~⑥13:00~⑦14:30~⑧16:00~
対 象:子ども(小学3年生以上)と保護者、二人一組
定 員:各回6組12名様
会 場:アートスタジオ
料 金:1,000円/一組
協 力:松江菓子協会
※作った和菓子は、お持ち帰りいただきます。
申込方法:島根県立美術館ホームページよりお申し込みください。
11)松江城・松江歴史館・島根県立美術館スタンプラリー
【要企画展観覧料】
松江市内にある不昧ゆかりの施設を巡り、スタンプを集めてプレゼントをもらおう。
スタンプラリー期間:4月19日(金)~6月10日(月)
プレゼント引換期間・場所:
4月19日(金)~6月17日(月) 島根県立美術館(休館日は中央管理室にて引換え)
プレゼント:オリジナルグッズ
松江城では興雲閣にて、松江歴史館では総合受付にて、当館では畠山記念館名品展観覧でスタンプを押印できます。
3.その他
1)ミュージアムショップ
□図 録:A4サイズ 掲載件数93件(島根会場出品数65件) ¥1,800(税込)
□グッズ:ポストカード・クリアファイルなど
2)湖畔のレストラン「RACINE」 【事前予約制】
※画像はイメージです
□松江アフターヌーンティーセット
お茶どころ松江のお抹茶などを楽しんでいただけるアフタヌーンティーセットをご用意いたします。
期間:4月19日(金)~6月10日(月)
提供時間:11:00~(予定)
料金:4,000円(税込) ドリンク付
鎹八咫烏 記
石川県 いしかわ観光特使
伊勢「斎宮」明和町観光大使
協力(敬称略)
紅山子(こうざんし)
※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。
アーカイブ リンク記事をご覧ください。
しょうざんリゾート内にある北庭には、大徳寺の塔頭より移築された歴史的建造物である
茶室「玉庵」がある。北山杉やもみじに囲まれた静寂の中で、至極の茶道体験を楽しめる。
その他、会場として贅を尽くした迎賓館「峰玉亭」や酒樽を茶室に改築したユニークな
「酒樽茶室」もお客様のご希望に合わせてご案内。
(詳細は下記のURLよりご覧ください。)
ZIPANG-5 TOKIO 2020 古今折衷「ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts」3つのシーンで五感を刺激する唯一無二の~レストラン「TENJIN」
https://tokyo2020-5.themedia.jp/posts/19223976
絲原家のたたら製鉄を行っていた頃の住宅に併設していた高殿の風景
このことは、その当時から盛んに製鉄が行なわれていたことを示すとともに、当地方で産する鉄の優秀性を物語っています。そして、今日もなお世界で唯一“たたら製鉄”の炎があがる町として全国に周知され、その技術は国選定保存技術に選定されているのです。
歴史的に見ると、近世・近代にかけて奥出雲地域は、我が国の鉄生産の中心地として隆盛を極め、たたら製鉄で栄えた地であります。 また、松江藩の鉄政策により、櫻井(さくらい)家、絲(いと)原(はら)家、ト蔵(ぼくら)家という大鉄師(だいてつし)(たたら経営者)を産みだし、櫻井家住宅は国重要文化財に指定され、絲原家住宅は登録有形文化財に登録されるなど、鉄師頭取の佇まいを今に残しています。
本号では、奥の地・奧出雲地域の大鉄師「絲原家」から順にご紹介してまいります。
(詳細は下記のURLよりご覧ください。)
ZIPANG-3 TOKIO 2020 「 松江藩大鉄師『絲原家』 とは・・・絲原記念館・登録有形文化財住宅・国名勝庭園について 【第四話】」
https://tokyo2020-3.themedia.jp/posts/5855524/
歴史や伝統を生かし「行きたくなる街名古屋」へ
最近名古屋は「行きたくない街」NO,1に揚げられた。また、その前には「日本は2050年には世界で最も悲惨な国になる」と、敗戦の焼け野原から間もない時、やがて日本は世界第二の経済大国になることを予測した、あの(英)エコノミストの発表があった。
このダブルパンチを、日本人・名古屋人が目を覚ます良い機会にすることがこの度のシンポジウムの趣旨である。今の日本は既に少子高齢化社会など多くの問題を抱え、日本人の誇る世界的製造技術関連や政治も次々と信頼を失っている。そして日本の貿易黒字の50%を超える自動車産業も価値観の変化への対応に苦慮している。
だがこのような変換期にも伝統を守り、新たな挑戦を世界に向けて発信する若者やアーティストがいるのも事実である。
ところで、名古屋はそこまで魅力のないところなのであろうか。自問してみると、「そんなことはない、何でもあるし暮らしやすいいいとこだがや」という気持ちと、「やはり何かつまらん、何もにゃーがや」となる。ではその原因はどこにあるのかをさがしてみたい。
その一つは、私見だが「ムードがない」に尽きる。ムードとは5感の総合である。名古屋城木造復元にしても、時代感覚のない箱物的発想としか伝わってこない。家康が国の鎮護の位置付けと、四神相応の思想を持って市民の未来を考え斬新な都市計画を行い、おかげで今や日本の産業首都になったのだ。しかしながら現状は歴史や伝統を活かす配慮が無い。
物事は全て個と全体は一体であるとお釈迦様が言う通り、調和や美の原則でもあるが、明治以来縦割りに拘るわが国の姿勢が、ゆとりと希望のある未来や、ムードある都市景観をつくれない要因である。
人の器である都市環境とは五感の総合である。視覚・味覚・香り・触感・音感、そして第6感で人は総合判断する。そのどれひとつ欠けても評価は下がる。世界一醜悪な電柱さえコントロールできない国は、政治も文化もそのレベルでしかない。あらゆる省庁・業界・同業種が互いに連携し補完しあい、デコ盛り混在がすっきりと美しい一つの姿になれば、シンボルとしての名古屋城復元も「行きたくなる街名古屋」に繋がるだろう。
林 英光