第九の余波 CD 音楽を聴くツールが発信データ中心になってきた現代では、CDを知らない若者も増える一方ですが、かつての王者、LPレコードを押しのけて台頭していくCDの勢いには、輝かしい未来が待ち受けているように思えました。このデジタルツールは、それまでのレコードと比べて操作が手軽なことやノイズが入らないことの他に、一枚あたりの収録時間が長い(初期は74分)というメリットが売りでした。この74分という時間には、異説も多々ありますが、指揮者カラヤンの意見があったとも言われています。彼によれば、途中で音盤を裏返したり入れ替えたりしなくても、長い曲を始めから終わりまで聴ける収録時間が理想でした。その際、基準とされたのが第九だったというのが、もっぱらの通説です。