軽く触れる
動画を見ていただくと分かりますように、軽く触れるだけでも診断になります。
このような説明は今まで何度もしてきたことと思いますが、動画を見ただけでは、どれぐらい軽く触れているかぐらいしか分かりません。
実は、触れる以前に診断はすんでいます。これは、どのような状態になってるかを確認する作業です。つまり、触れているのは確認のために触れているだけで、診断というのは、これを行う前に終わっているということです。
患者さんの感覚と自分の感覚が同じであるかどうかの確認ということです。この動画の中でも、皮膚に触れるか触れないかぐらいの力で頬を撫でていると思いますが、ぞわぞわした感覚というのが起こります。
この感覚も人によっては、大きく違う感覚として捉えられることがあります。 つまり人によって感じ方が違う訳です。同じことをしても感じ方が違うから、確認作業をするわけです。 感じ方の違いだけであって、異常であることには違いありませんので、狙った場所を調整すると、瞬時に答えが返ってきます。
その答えが間違っていれば、何度同じ調整をしても緩むことはありません。しかし、答えが合っていれば、簡単に緩んでしまいます。かなり強い緊張であったとしても一瞬で緩んでいきます。
本人ばかりか、私自身もびっくりしてしまいます。
このような経験は、鍼灸師になりたての頃、20代後半の女性で経験したのが最初です。当然ですが、鍼灸師になりたてですから、技術なんてありません。
肩こりも酷く、首も詰まった感じです。そこで墓穴という内臓の状態を知る代表点のような穴があり、その代表点の圧痛を調べ、見合った穴を配穴していくという方法でした。
初心者の私から見ても明らかな異常反応があったので、二箇所に鍼を軽く刺し、そのまま10分ぐらい放置すると、肩も首もユルユルになってしまったのです。これにはホントに驚きました。
実は鍼刺激をしながら確認していると10分もしない間に、肩も首も柔らかくなっていたのですが、その時は、10分ぐらい置鍼という方法を使って寝てもらっていました。 今だったら一瞬で終わりですが、その当時は、そんなに早く効果が出るはずがないと思い込んでいたために、長い時間をかけてしまっていました。
早く変化が出るのが当たり前と思えば、早く変化が起こります。
遅くしか変化がでないと思えば、遅くしか変化が出ません。
このあたりが面白いところです。