渋沢栄一 日本近代の扉を開いた財界リーダー
皆さん、渋沢栄一さんという人を知ってますか?
会社経営者を目指すような勉強家の方ならともかく、普通のビジネスパーソンにとっては、あまりなじみのない名前だと思います。
この渋沢さんという方、すごい方なんです。明治初期に活躍された大実業家です。
皆さんが良くご存じの銀行(現、みずほ銀行)や数々の大会社 (王子製紙株式会社、東京海上火災保険、太平洋セメント、帝国ホテル、東京急行電鉄、キリンビール、サッポロビール、東洋紡績、大日本製糖、明治製糖、東京急行電鉄、京阪電気鉄道、東京証券取引所等 )の源流会社など 約 5,000社の設立に関わりました。
簡単に比較はできませんが、例えば、アメリカで言えば資本主義の祖、ロックフェラー、カーネギー、フォードなどの大実業家に当たるのかもしれません。
幼少期に学んだ『論語』を拠り所に倫理と利益の両立を掲げ、経済を発展させ、利益を独占するのではなく、国全体を豊かにする為に、富は全体で共有するものとして社会に還元することを説いたのです。(「道徳経済合一説」)
そして、「銀行」や「株式会社」という概念さえなかった当時の日本社会にみずから設立を決意し、当時の資産家ネットワークを使い、それぞれの産業会社に必要な人材も育てながら、或いは見つけながら、それらの会社の設立、運営に尽力したのです。
そのため、氏は三井高福・岩崎弥太郎・安田善次郎・住友友純 など明治の財閥創始者と大きく異なり、「渋沢財閥」を創りませんでした。
「私利を追わず公益を図る」との考えを、生涯に亘って貫き通したのです。
少し不思議だったのは、渋沢氏のことを知りたいと思い、書店を探し回ったところ、「現代経営」的な書籍棚ではなく、「経営理論」的な書籍棚に置かれていたことです。
おそらくは明治維新頃の近代資本主義社会の「経営者」としてカテゴリーされている(言葉は悪いですが要するに「時代が古い」)からなのかもしれませんね。。。。