針による鎮痛効果〜作用機序・メカニズム〜について
なぜ鍼をすると痛みが収まるのか?
メカニズム・作用機序は現代の医学で9割解明されています。
大きく分けて3つほどあり、新しい情報は③、古くから言われているのが①と②です。
①「オピオイド受容体」へくっつくことによる鎮痛効果
鍼を刺すことで内因性モルヒネ様物質である、エンドルフィン、ダイノルフィン、エンケファリンという物質が脳から出ます。
そしてそれらがオピオイド受容体というものにくっつき、鎮痛効果が出ます。
いわゆる脳内モルヒネ、というやつでしょうか…痛いのは嫌だもんね・・・
多分、体に鍼を刺すという事で痛みを感じ、生態防御的に出るのかな…
鍼麻酔というのが中国であって、合谷というツボにガシガシ刺激いれたりすると15分くらいか効いてきたとか。そのうち電気刺激でも同じ効果が出せるぽいのでガシガシはしなくなったようだけど…痛みで痛みを制す感(~_~;)
②「下行性疼痛抑制系」
痛み刺激が入ると、メカニズムとして、情報が皮膚→脊髄→脳へと信号がいきます(上行と言います)。
そして、その「痛みの情報」が今度は脳から下って、→脊髄→皮膚へと、下行して行くのですが、
その下行していく際に痛みを抑制するためにノルアドレナリン、セロトニンにより、その痛み司令をストップします。
これが「下行性疼痛抑制系」と呼ばれる機序です。
③アデノシンA1受容体を介した鎮痛効果
この受容体についてはわりかし近年発見されて、まだ新しい話のよう。
鍼を刺すことで組織・筋肉が損傷します。
その筋肉の細胞にはATP(アデノシン3リン酸)という動かすためのエネルギーがもともと含まれているのですが、破壊されることで漏出します。
漏出して分解されアデノシンとなり、アデノシンA1受容体に作用することで鎮痛効果が出ます。
ちなみに脱線しますが、
ATPとは、アデノシンという物質に3つのリン酸がくっついているためこの名前です。
ATP→ADP(アデノシン2リン酸)→AMP(アデノシン1リン酸)へとリン酸基が外れていきます。
化学の単位では、数字を順番に「モノ・ジ・トリ・テトラ・ペンタ・ヘキサ・・・」とギリシャ語で表します。
鍼灸が解明されつつありますが、昔は経験的に先人たちは行っていたという感じで、解明しつつ現代が追いついてきているとも言えなくもない、
なんとも逆行しているような・・・?
漢方薬も解明しつつあるけどまだまだ未知なる事が多く、「わかっていないけど、効く」という謎も東洋医学の面白さが魅力です。
意外と真面目なこと書きすぎたーーーー面白さや手軽さなし!!!専門的すぎて内容難しくなってしまったのでまた噛み砕いてのんびり書きたいなー。