人の口に戸は立てられぬ
昔、公務員試験予備校の講師として模擬面接をした際に、薬学が専門の社会人受験生がいた。なぜ公務員を目指すのかと訊ねたら、「製薬会社を取り締まる方になりたい」と言うので、それはなぜかと訊ねた。
見る人が見れば、この受験生が特定されてしまうおそれがあるので、詳細は省くが、要するに、小林製薬が酷いから、製薬会社を取り締まる方に回りたいということだった。
模擬面接終了後、勤め先に対する批判・悪口・不平不満を詳細に述べることは、やめた方がよいとアドバイスした。
公務員として採用しても何かあれば辞めて、言いふらすのではないかと思われかねないし、守秘義務の観点から公務員の適性に欠けると判断される可能性があるからだ。
ご病気で苦しむ人々のために良い薬を開発することであれば、現職のままでよいのですが、詳細は申し上げられないのですが、実は、こんなことがありました。薬害などで苦しむ人々や効能のない薬を買わされる人々を少しでも減らしたい。安心安全な暮らしを守るために、製薬会社を規制することは、行政にしかできません。これまで学んだ薬学の知識や製薬会社で働いた経験を医薬行政の充実発展に役立てたいという風な感じで、ポジティブな志望理由を自分の実体験に基づいて自分の言葉で述べた方がよいとアドバイスした。
この受験生に会ったのはこの一回だけだったので、この受験生が合格したかどうかは知らないが、この受験生が小林製薬について述べていたことには説得力があった。
そのため、以後、小林製薬の商品を一切買わないことにした。
下記の記事を読んだ。この記事に挙げられている例は、この受験生の担当業務とは異なるが、やはりこの受験生の言っていたことは本当だと思った。
「製薬会社とは名ばかりの“アイデア商品屋”」「開発責任者にすら生薬の知識がない」 紅麹問題で揺れる小林製薬の“儲け重視”の企業体質
小林製薬「紅麹コレステヘルプ」原料の製造工場 GMP認定なし