金を非課税で換金して自分年金にする
執筆者:小山英斗
金が最高値を更新し続けています。
円ベースの金価格は円安もあいまって、過去5年間、ほぼ一貫して上昇してきました。
出典)田中貴金属工業株式会社HP
今から24年前の2000年には1グラムあたり1000円台でしたから、当時から12倍もの上昇となっています。
田中貴金属工業株式会社が日本において初めて純金積立をスタートさせたのが1980年のようです。スタート当時の金価格は1グラムあたり4000円台だったようです。そのため、2000年あたりが円ベースでは金価格の底値だったと言えそうです。
筆者が純金積み立てを知ったのは1992年あたり。その頃も金価格は1グラム1500程度でした。まだ、当時はバブルの余韻も残っていたころです。
この頃に純金積み立てを始めでコツコツ継続してきた人で、現在も所有している人であれば、かなりの利益がでているのではないでしょうか?
いざ、売却しようするとき、利益が多いと税金(所得税や住民税)のことも気になるかと思います。
金を売却したときにかかる税金は、売った金額すべてに税金がかかるわけではありません。買った時の金額や売る際にかかった費用を差し引いた差額(利益)が税金の対象となります。
売った金額 - (買った金額+売却費用) = 差額(利益)
なお、購入当時の金額がわからなくなってしまった場合は「売った金額の5%」を、購入時の金額(買った金額)として計算します。
では、実際の税金の計算はどうなるのでしょう。
金の場合、所有期間によって計算が異なりますが、金の売却による課税所得をまずは計算します。
所有期間 5年以内の場合
売った金額 - 買った金額 - 特別控除50万円 = 課税所得
所有期間 5年以超の場合
(売った金額 - 買った金額 - 特別控除50万円)× 1/2 = 課税所得
金の売却についての課税所得が計算出来たら、他の所得と合わせて税金の計算をします。
税金の計算
(金の課税所得 + 給与所得など) × 税率 = 税金
税金の計算では、金の利益は他の給与所得と合算して計算されます。また、税率は所得金額に応じて変わりますが、この記事でお伝えしたいことはそこではないので詳細は省きます。
ここでのポイントは、金の課税所得を計算する際「特別控除50万」を引くことができる、という点です。
特別控除50万円があるということは、50万円までの利益の場合、課税所得が0円として計算されるため、税金がかからないということになります。
仮に純金積み立ててで100万円買っていたものが、現在価値で1000万円になったとします。
これを一度にすべて売却すると、利益は900万円となり、所得税などの税金が発生することになります。
しかし、1年間に売却する金を50万円分としたら、その年の金の利益がいくらであれ、課税所得は0円となり、税金は発生しません。
もし、今、手持ちの金の価値が1000万円になっていたとしたら、それを毎年50万円分売却していくことで、無税で年50万円の年金を約20年に渡り受け取れるようなことにできるわけです。
もしろん、金価格は変動しますから、将来の金額が今よりも安くなっていた場合は、税金を払ってでも今すべてを売却してしまった方がよい結果となる可能性もあります。
ただ、筆者は、金価格は今後もゆるやかには上昇していくと考えていますので、ある程度の資産額となっている金を毎年50万円程度売約していき、自分年金の1つとするのはありかと思います。
未来が見えるね研究所 代表 小山英斗