きらり鎌ヶ谷市民会館で講演
2024.04.08 00:28
きらり鎌ヶ谷市民会館で講演
「パンデミックから人間、日本人を考える―文化人類学の視点から学ぶ―」
疱瘡から新型コロナまで、いつの世も病、パンデミックという不幸は繰り返し襲う。これに対して人間は病、パンデミックをどう考え、対応してきたのかを、現代の科学的対応と伝統的な対応を対比して考察。
いつの世も人は理解できないこと、見えないもの、どうしてよいかわからないことを恐れる。それゆえ、病因を特定、可視化し、防御法、治療法を決めるが、病因は鬼、怨霊、疫病神の侵入だから、対応は村境でそれらの侵入を防ぎ、呪術で排除する、川に流すなどという伝統的対応も、病因はウイルスの侵入だから検疫で侵入を防ぎ、洗い流し、消毒し、薬で排除するという現代医学も、基本的には同じ発想だ。
さらに不倫や土地の使い方などという共同体内での秩序の混乱がパンデミックを招くなどという伝統的説明も、コロナは無秩序な東京の問題などという現代の説明も、実は共同体の秩序を維持するという機能があったりする。
結局人間はいつの世も大して違わない。