風疹症候群とは、
平成30年、風疹にかかった患者さんが、2000人を超え、5年ぶりの流行となっています。
特に女性の場合、妊娠中に風疹に感染すると、胎児に影響を及ぼします。
そこで、風疹症候群とはどんなものなのか?
著書「産婦人科で聞きづらい妊娠の医学」から抜粋しておきます。
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妊娠中の風疹感染に伴う胎児奇形について
Q・・・第一子が風疹に感染しましたが、私はまだ感染していません。
風疹は妊娠中に感染すると奇形があると聞きました。
現在妊娠6ヶ月ですが、中絶した方が良いのでしょうか。
A・・・最近、風疹による胎児奇形を心配して来院される妊婦が多いようですが、現在は妊娠初期の検査で、ほとんどの人は風疹に罹患したことがあるか否か検査を受けておられます。
この風疹罹患の有無の検査で風疹抗体価が8倍以上ある人は以後風疹で発病することはありません。
あなたの場合には妊娠初期にこの風疹抗体価が8倍未満ですので、まだ未感染であったようです。
先天性風疹症候群という風疹ビールスによる奇形の発生を心配しておられるようですね。
先天性風疹症候群というのは妊娠初期に風疹に未感染の妊婦が始めて風疹感染を起こしますと、胎児の眼、耳、心臓に障害を残すことを言います。
眼は主に白内障、心臓は大動脈開存などの心奇形、耳は聴力障害を生じます。
妊娠初期で特に妊娠2ヶ月以内の顕性感染では50%、妊娠3ヶ月未満だと20%という高率に発症する報告があります。
しかしあなたのように妊娠6ヶ月の場合は奇形として発症する可能性はありませんので、安心してお産をされるようお勧めします。
また、あなたの場合、妊娠6ヶ月にならないうちに罹患をしていたのではとても心配されているようですが、風疹に罹患しても風疹特有の発疹などが出ない、不顕性感染の場合には先天性風疹症候群の発症は、極めてまれですから心配はいりません。
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