【社長通信】歩行者優先の原則
お盆過ぎから始まった敷地拡張の工事で竹やぶの伐採、撤去により事務所からの視界が広がった。
澄み切った青空の下、遠くには山々を背景に市街地が望める。
近くの林では赤く色づいた紅葉がハラハラと散り晩秋を告げている。
事務所の目と鼻の先には信号機のある三叉路がある。
ところが、この三叉路で交通事故がよく起る。山口方面への直進車と山口方面から来て右折しようとする車との正面衝突です。
この交差点は地形的に少し高いところに位置する。山口市内からは長い上り坂で、登り切ったところに三叉路があり、正面にわが社の事務所が見える。防府方面からは下って少し上がるようになっており、その先は右カーブの下りで見通しが悪い。
朝・夕は上り、下りとも通行車両が多く渋滞する。横断歩道を渡る小学生や通学の自転車も多く運転者にとって要注意だ。交通の安全を生業とするわが社のまん前だけに事故の防止に知恵を絞りたい。
ところで、先日の新聞報道で全国平均8・6%というショッキングな数値を目にした。
何の数値かというと「2018年信号機のない横断歩道における車の一時停止率(全国)」である。一番高いのは長野県で58・6%、山口県は6・7%。隣の広島県はなんと1・0%で0・9%の栃木県と最下位を争う。ちなみに島根県は26・5%、福岡県は18・4%とのこと。
わが身を振り返って反省することしきりである。
「一味同心」はいかがかでしょうか。
信号機のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしている場面で、9割以上のクルマが一時停止していないことが、JAFが行った全国実態調査で判明した。
また、実態調査に先駆けて行った「交通マナー」に関するアンケート調査の設問で「信号機のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしているのに一時停止しないクルマが多い」との回答が約86%にものぼった、という。
これらの結果からも、多くのドライバーが歩行者優先のルールや横断歩道直前での一時停止(あるいは徐行)の義務の認識があいまいになっているようだ。
ドライバーは、常に歩行者が安全に横断歩道を渡れるように保護しなければならない。道路交通法第38条第6節の2「横断歩行者等の保護のための通行方法」には①歩行者の有無を確認できなければ、横断歩道の停止位置で止まれるような速度で進行する。②横断しようとしている、あるいは横断中の歩行者や自転車がいるときは必ず一時停止をする。③横断歩道内およびその手前30mは追い越しや追い抜きが禁止。などが規定され、横断歩道を渡ろうとする歩行者がいる場合、ドライバーは横断歩道の直前でクルマを一時停止させ、通行を妨げないよう義務付けている。
横断歩道を渡るのに時間がかかってしまう高齢者や幼い子供も、もちろん例外ではありません。
違反者には反則金や違反点数が科せられる。
因みに、中国新聞のコラムにこんなことが書いてあった。
「同僚記者が島根県警を担当している頃、娘さんにこう言い渡した警察官がいたそうだ。彼氏の運転でドライブに行ったら、信号機のない横断歩道で歩行者に道を譲るかどうか、見逃さぬように」と。
何げない時にこそ、人柄の地が現れるという経験則である。心しておこう。
代表取締役 加藤慶昭(平成30年11月15日記す)